日本人は健康にお金を使わない!?

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新型コロナ流行後、世界中で健康に対する意識が高まり、運動やスポーツを始める人が増えました。

食事の面でも意識の変化がみられ、手軽に栄養を補給できる健康食品やサプリメント市場は、国内外問わず緩やかに成長し続けています。

しかし、他国と比較すると日本人はまだまだ健康に対する意識が低い人が多いようです。

ヘルスリテラシ―が低い日本人

ヘルスリテラシ―とは、『健康や医療に関する情報を入手しそれを理解し活用する能力』です。

いま、国際的に注目されている概念です。

近年、ヘルスリテラシ―に関する指標の開発がすすめられるなど、世界各国でスコアの調査がされる中、日本人のヘルスリテラシ―スコアが他国に比べ低いことが分かりました。

日本人がヘルスリテラシ―が低い理由

1・医療環境の良さ

日本人は、世界的に見ても長寿であることで知られていますが、ヘルスリテラシ―が低いため老後医療のお世話になる人が多いようです。

その理由の1つに、日本特有の保険制度『国民皆保険制度』の存在が考えられます。

国民皆保険制度では、国民の義務としていずれかの保険に加入することが義務付けられており、保険料を支払うことで病気やケガでかかった費用に対する給付が行われます。

この制度によって実際にかかった費用の最大7割を保険者(国や会社)が負担してくれるので、支払いの負担を1~3割に抑えることができます。

例えば胃腸炎などで病院を受診した場合の初診料
【アメリカ】・・・約2~3万円の費用負担
【 日本 】・・・約4~5千円程度の費用負担

気軽に医療を受けられることで「病気にならないよう気をつける」よりも「病気になったら病院に行けばいい」という、問題が発生してから対処する姿勢が根付いていることが想像できます。

日本は、他国と比較しても比較的安価に高品質な医療サービスが受けられる非常に珍しい国です。このようないる環境の良さや金銭的負担の軽さが、ヘルスリテラシ―に対する意識の低さに繋がっていると考えられます。

2・保険文化の影響

国民皆保険制度に加え、日本人は「万が一の時は他人に迷惑をかけてはいけない」という意識が高いため、生命保険や医療保険など任意保険に対するへ加入率も約8割と非常に高いです。

一方、健康維持に対する日常的投資は少なく、特に運動や栄養に関する支出は他国に比べても低いです。

これは、保険に加入していることで「万が一の備えはできている」という安心感が生まれ、日常的な健康維持に対する意識を低下させていることが想像できます。

日本の医療は崩壊寸前!

日本の高齢化は急速に進み、厚労省の統計によると2004年32兆円だった医療費は毎年1兆円ずつ増え続け、2022年の国民全体の医療費は年間45兆円を超えています。

これにより国民の負担額も年々大きくなっています。

高齢化社会や生活習慣病の増加、医療技術の進歩により昔は助からなかった命が助かる一方、より医療を必要とする患者の増加により医師不足は深刻化し、日本の医療現場は崩壊寸前です。

日本人のヘルスリテラシ―は医療現場においても、予防学よりも診断学や治療学が先行してきた結果、このような医療状況を招いてしまったのかもしれません。

予防に対する意識の底上げを

他国の状況をみてみると、特にアメリカやヨーロッパの国々では予防医療に対する意識が高く、ジムの会費やサプリメント、健康食品などに多額の支出をすることは一般的です。

これらの国々では、医療費が高額になることが多いため、国民一人一人に自ら病気を未然に防ぐ意識を持つことで医療費の増加を抑えることができています。

日本でもこのように、『健康に投資をすることは長期的にみて生活の質を向上させることに繋がる』という認識を持つことが求められています。

健康は一度失ってしまうと取り戻すのが難しいです。

日常的に運動習慣を身に付けたり食事や栄養に気を配るなど、予防に対する投資を意識することで医療費の増加を抑えることができ、結果、金銭的な負担を減らすことができます。

健康へ投資する意識を持つことについて

痛みが出たり不調を感じたり、身体に何かしらの異常を感じてから対処する人がほとんどです。

しかし、どこにも不調を感じていないときにこそ将来の健康を意識し努力することで、身体と心、お財布にとってメリットが大きいです。

不調が出ている時の心理状態

身体に痛みや不調があり、体調が低下しているときは気力も一緒に低下しがちです。

痛い、しんどい、よく眠れない、イライラする、趣味など好きなことをする気力が低下する、いつ治るのだろうと不安になる、出掛けるのが億劫になる、仕事に行くのが嫌になる、人と会いたくなくなる、食事が喉を通らなくなる、自分だけ辛いと悲観的になる… など

気力が低下している時は何をするのも億劫に感じてしまい、身体の不調を改善させる気力さえ無くなってしまいます。まさに負のスパイラルです。

負のスパイラルに陥らないようにするためには、『健康は当たり前ではない!』という意識を持つことです。

健康を維持するために、しっかり計画を立ててそれなりに努力をする必要があります。

健康投資と健康預金

健康のためにお金を使うことを『健康投資』と言います。

健康投資とは、サプリメント・ジム・整体・健康診断・バランスの良い食事…など、将来の健康を意識してそこに投資を行うことを言います。

健康投資は必ずしも金銭的な投資だけではありません。健康のために時間を費やすことも健康投資の1つです。

例えば、睡眠時間をしっかり確保することや、運動するために時間を費やすことなどです。

そして、健康投資は元気なうちに行うことが大切です。

元気なうちに健康を意識する活動をすることで、『健康預金』を貯めておくことができます。

健康預金とは、加齢に伴い減少する身体能力を、トレーニングすることで、その減少を最小限に抑え、健康状態を維持する(貯めておく)ことです。

もしも病気になったら』を想像して、お金を貯めたり将来に備えることは大切なことですが、『病気にならないように』時間とお金を投資しすることはとても有意義なことです。

鍼灸整骨院かまたき