シンスプリントとは?押すと痛い・初期症状・治し方・休む期間を解説

「すねの内側を押すと痛い」「走り始めるとすねが痛む」「部活を始めてからすねの痛みが続いている」このような症状がある場合、シンスプリントが関係している可能性があります。

シンスプリントは、ランニングやジャンプなどによる負荷が繰り返しかかることで、すねの内側に痛みが出るスポーツ障害です。特にランニングを始めたばかりの人や、部活動などで急に練習量が増えた中高生などにみられます。

ただし、すねの痛みには疲労骨折など別の原因もあります。「シンスプリントだから走っても大丈夫」と自己判断しないことが大切です。

この記事では、シンスプリントとは何か、初期症状、押すと痛い理由、歩くだけでも痛む場合、原因、治し方、運動を休む期間、疲労骨折との違い、再発予防について解説します。

シンスプリントとは?

シンスプリントは、運動による繰り返しの負荷によって、すねの内側を中心に痛みが出る状態です。医学的にはMedial Tibial Stress Syndrome(MTSS:内側脛骨ストレス症候群)と呼ばれます。

以前は「脛骨過労性骨膜炎」と呼ばれ、単純に骨膜の炎症として説明されることもありましたが、現在では脛骨とその周辺組織に繰り返し負荷が加わることで起こる障害として考えられています。

そのため「筋膜が炎症を起こしているだけ」と考えるのは適切ではありません。

シンスプリントの初期症状

シンスプリントでは、最初から強い痛みが出るとは限りません。

初期には、運動を始めるとすねが痛い、運動後にすねの内側が痛む、すねの内側を押すと痛い、休むと痛みが軽くなるなどの症状から始まることがあります。

そのため「筋肉痛だろう」と考えて、そのまま運動を続けてしまう人もいます。

しかし、痛みを我慢しながら同じ負荷を繰り返すと、運動中の痛みが強くなったり、日常生活でも痛みを感じたりするようになることがあります。

シンスプリントはどこが痛い?

代表的なのは、すねの骨である脛骨の内側に沿った痛みです。

一点だけではなく、すねの内側にある程度の範囲で痛みや圧痛を感じることがあります。

ただし、痛みの場所だけでシンスプリントと確定することはできません。

すねには疲労骨折などでも痛みが出るため、強い痛みや長引く症状がある場合には整形外科で確認することが重要です。

シンスプリントは押すと痛い?

シンスプリントでは、すねの内側を押したときに痛みを感じることがあります。

特に、脛骨の内側に沿ってある程度広い範囲で圧痛がみられることがあります。

一方で、骨の一点だけが強く痛む場合には疲労骨折なども考える必要があります。

「押すと痛いからシンスプリント」「一点だけだから必ず疲労骨折」と自分だけで判断することはできません。

痛みが強い場合や運動を休んでも改善しない場合には整形外科を受診してください。

シンスプリントの原因

シンスプリントでは、ランニングやジャンプなどによる繰り返しの負荷が大きく関係します。

特に注意したいのが、運動量の急激な増加です。

中学校・高校へ進学して部活動の練習量が急に増えた、走る距離を増やした、練習日数が増えた、久しぶりに運動を再開したなど、身体がまだ慣れていない負荷を急激に増やしたときに症状が出ることがあります。

ほかにも、運動する場所、シューズ、身体的特徴など複数の要因が関係する場合があります。

「扁平足だから必ずシンスプリントになる」「身体が硬いことが原因」など、一つの要因だけで説明しないことが大切です。

シンスプリントになりやすいスポーツ

ランニングを多く行う競技やジャンプを繰り返すスポーツでは、すねへの負荷が増えやすくなります。

陸上競技、バスケットボール、バレーボール、サッカーなどでみられることがあります。

ただし競技の種類だけでなく、最近どの程度練習量が増えたのかも重要です。

特に新入部員など、短期間で練習量が大幅に増えた場合には注意しましょう。

シンスプリントになりかけのサイン

「運動できるからまだ大丈夫」とは限りません。

走り始めだけ痛い、運動後だけすねが痛む、押したときだけ痛い、以前にはなかった違和感が続いているといった症状も、負荷を見直すきっかけになります。

症状が軽いうちに運動量を調整することで、悪化を防げる可能性があります。

痛みを我慢して同じ練習を続けるのではなく、一度負荷を見直しましょう。

シンスプリントで歩くだけでも痛い場合

シンスプリントの症状が強くなると、ランニングだけでなく歩行でも痛みを感じることがあります。

ただし「歩くだけで痛い」という状態では、疲労骨折など別の問題がないか確認することも重要です。

日常生活の歩行でも痛い、安静時にも痛む、腫れがある、一点だけ強く痛む場合などは、運動を続けず整形外科を受診してください。

シンスプリントと疲労骨折の違い

シンスプリントと区別することが重要なのが脛骨の疲労骨折です。

どちらもランニングなど繰り返しの運動によって起こることがあり、初期には症状が似ている場合があります。

一般的にシンスプリントでは脛骨内側の比較的広い範囲に圧痛がみられるのに対して、疲労骨折では限局した部分に強い痛みが出る場合があります。

ただし、この違いだけで自己診断することはできません。

疲労骨折は初期にはレントゲンで分かりにくい場合もあり、必要に応じてMRIなどが検討されます。骨への繰り返し負荷によって疲労骨折が起こることもあります。OrthoInfo

シンスプリントの治し方

シンスプリントでは、まず痛みを起こしている運動負荷を確認します。

ランニング距離、練習時間、ジャンプ回数などを急に増やした直後に症状が出ている場合には、その負荷を減らす必要があります。

そのうえで、症状に応じて運動内容を調整し、痛みが落ち着いてきたら筋力や身体の状態を確認しながら徐々に運動負荷を戻していきます。

「完全に休めば必ず治る」「ストレッチだけで治る」「電気を流せば早く治る」と一つの方法だけで考えないことが大切です。

シンスプリントは何日休む?

「シンスプリントなら2週間休めばよい」と一律には決められません。

症状の程度、痛みが出る動作、運動の種類などによって必要な期間は異なります。

初期の軽い症状と、歩行でも痛みが出ている状態では同じ復帰計画にはなりません。

そのため「○週間休んだ」という日数だけではなく、日常生活で痛みがないか、運動負荷を段階的に上げても症状が再び出ないかを確認しながら復帰することが重要です。

シンスプリントは走りながら治せる?

症状が軽い場合には、すべての運動を完全に中止するのではなく、痛みを起こしている負荷を減らしながら別の運動を行える場合があります。

ただし「走れる=走って大丈夫」という意味ではありません。

走っている途中や走った後に痛みが強くなる、翌日まで症状が残るなどの場合には負荷が大きすぎる可能性があります。

特に歩くだけでも痛む場合には、ランニングを続けるより整形外科で状態を確認することを優先してください。

シンスプリントに痛み止めは使える?

痛み止めが使用される場合はありますが、痛みが軽くなったからといって、原因となっている運動負荷まで解決したわけではありません。

痛み止めを使って無理に練習を続けることは避けましょう。

市販薬を使用する場合にも、用法・用量を守り、持病や他の薬との飲み合わせなどに不安がある場合には医師や薬剤師へ相談してください。

シンスプリントは冷やした方がいい?

運動後に痛みが強い場合には、冷却によって一時的に痛みが楽になることがあります。

ただし、「冷やして炎症をなくせばシンスプリントが治る」というものではありません。

また、冷却後に血流を増やす「反熱反応」を起こすことを目的として長時間冷やす必要もありません。

冷却は必要に応じて痛みを和らげる補助的な方法として考え、皮膚へ直接氷を長時間当てないようにしてください。

シンスプリントにストレッチは効果ある?

ふくらはぎなどのストレッチを取り入れる場合はありますが、シンスプリントをストレッチだけで治すことはできません。

痛みを我慢しながら強く伸ばす必要もありません。

ストレッチによってすねの痛みが強くなる場合には中止してください。

運動療法を行う場合も、ストレッチだけではなく筋力、運動負荷、競技動作などを含めて考えることが重要です。

シンスプリントに筋トレは必要?

症状が落ち着いてから、状態に合わせて下肢の筋力トレーニングを取り入れることがあります。

ただし、「足裏を鍛えればシンスプリントが治る」「体幹を鍛えれば再発しない」というような単純なものではありません。

どの筋力をどの程度鍛えるかは、その人のスポーツや身体の状態によって異なります。

トレーニング中に痛みが出る場合には、負荷を調整してください。

シンスプリントから運動を再開するタイミング

「2週間経過したから復帰する」と日数だけで決めない方がよいでしょう。

まず日常生活で症状が落ち着いていることを確認し、その後は軽い運動から始めて段階的に負荷を増やしていきます。

ウォーキング、軽いジョギング、通常のランニング、競技特有のダッシュやジャンプなど、競技に応じて徐々に戻していきます。

途中で痛みが再び強くなった場合には、一段階前の負荷へ戻すなど調整します。

シンスプリントは再発しやすい?

一度症状が落ち着いても、以前と同じ練習量へ急に戻すと再び痛みが出ることがあります。

再発を防ぐためには、運動量を急激に増やさないこと、休養を確保すること、シューズや練習環境を確認すること、必要に応じて筋力や動作を見直すことが重要です。

「身体の歪みを治せば再発しない」と一つの原因に限定するのではなく、症状が出た背景を総合的に確認しましょう。

シンスプリントで病院へ行った方がいい症状

次のような場合には整形外科での確認をおすすめします。

・歩くだけでも痛い
・安静にしていても痛む
・すねの一点だけが強く痛い
・腫れがある
・痛みが徐々に強くなっている
・運動量を減らしても改善しない
・疲労骨折ではないか心配
・スポーツ復帰の判断に迷っている

特に疲労骨折が疑われる場合には、自己判断で運動を続けないことが重要です。

鍼灸整骨院かまたきでのシンスプリントへの考え方

鍼灸整骨院かまたきでは、「すねが痛い=シンスプリント」と決めつけず、痛む場所、押したときの痛み、ランニングやジャンプとの関係、最近の練習量の変化などを確認します。

歩行でも強く痛む、一点に強い圧痛がある、疲労骨折などが疑われる場合には、整形外科での画像検査や診断を優先します。

医療機関で大きな問題が否定されている場合には、運動量や身体の状態を確認しながら、運動再開に向けた身体づくりを考えていきます。

整体や鍼灸を利用する場合にも、「骨格を調整すれば治る」「鍼や電気で炎症がなくなる」「マイクロカレントで細胞修復を早める」といった考えではなく、症状や身体の状態に合わせた補助的な選択肢として考えます。

よくある質問

シンスプリントとは何ですか?

ランニングやジャンプなどによる繰り返しの負荷によって、すねの内側を中心に痛みが出るスポーツ障害です。医学的にはMedial Tibial Stress Syndrome(MTSS:内側脛骨ストレス症候群)と呼ばれます。

シンスプリントは押すと痛いですか?

すねの内側に沿って押したときに痛みを感じることがあります。一点だけ強く痛む場合などは疲労骨折も考える必要があります。

シンスプリントの初期症状は?

走り始めや運動後にすねの内側が痛む、押すと痛い、休むと症状が軽くなるなどの症状から始まることがあります。

シンスプリントは歩くだけでも痛くなりますか?

症状が強くなると歩行でも痛むことがあります。ただし、歩くだけでも痛い場合には疲労骨折など別の原因がないか確認することも重要です。

シンスプリントは何日休めばいいですか?

必要な休養期間は症状の程度によって異なるため、一律に何日とは決められません。日常生活や運動時の症状を確認しながら段階的に復帰します。

シンスプリントに痛み止めは使えますか?

使用される場合はありますが、痛みが軽減しても運動負荷の問題が解決したわけではありません。痛み止めで症状を抑えながら無理に運動を続けることは避けましょう。

シンスプリントと疲労骨折はどう違いますか?

シンスプリントでは比較的広い範囲に圧痛が出ることがあるのに対し、疲労骨折では限局した強い痛みがみられる場合があります。ただし症状だけで確実に区別することはできません。

シンスプリントは再発しますか?

症状が落ち着いた後に練習量を急激に戻すなど、再び大きな負荷がかかると症状が再発することがあります。運動負荷を段階的に戻すことが重要です。

シンスプリントに鍼灸はできますか?

状態によって鍼灸を利用する場合はありますが、シンスプリントそのものを治すと保証できるものではありません。疲労骨折などが疑われる場合には、まず整形外科で状態を確認することが重要です。

まとめ

シンスプリントは、ランニングやジャンプなどによる繰り返しの負荷によって、すねの内側を中心に痛みが出るスポーツ障害です。

初期には「運動すると少し痛い」「押すと痛い」程度でも、負荷をかけ続けることで運動中や歩行時にも痛むようになることがあります。

特に注意したいのが疲労骨折との区別です。歩くだけでも痛い、一点だけ強く痛む、痛みが徐々に悪化している場合には、シンスプリントだと自己判断せず整形外科で確認してください。

改善と再発予防では、単に筋肉を柔らかくしたり骨格を整えたりするだけではなく、練習量、休養、シューズ、身体の状態などを確認し、運動負荷を段階的に調整することが重要です。