眼のひどい疲れに加え、頭痛・めまい・肩こり・倦怠感など、全身の症状でお困りではありませんか?
眼の疲れが全身に及ぶ状態を『眼精疲労』と言います。
眼精疲労は、通常の『疲れ目』と違い、ホットタオルを目に当てるだけでは根本的な症状の解消にはつながりません。十分な睡眠や休息をとっただけでは改善が難しい眼精疲労は、正しい知識を持って対処する必要があります。
ここでは、眼精疲労について施術方法や自分自身で行える対処法などを解説していきたいと思います。
眼精疲労とは
目の疲れが進行し、視力の低下・眼痛・眼のかすみ・充血・激しいまぶしさを感じるなどの目の症状に加え、頭痛・肩こり・めまい・吐き気・倦怠感など全身に症状があらわれることを『眼精疲労』と言います。
眼精疲労と疲れ目の違い
疲れ目も眼精疲労もどちらも目の酷使によって起こります。
眼精疲労は疲れ目と違い、症状が全身に及び、通常の休息ではなかなか回復しないため、医学的には『眼精疲労』と『疲れ目』とは区別して考えられています。
疲れ目
- 一時的に生じる目の疲れ
- 睡眠や目の休息だけで症状が回復する
眼精疲労
- なかなか目の疲れが取れない
- 目の疲れに加え、頭痛・肩こり・めまい・吐き気など全身症状がある
- 通常の休息だけでは症状が回復しない
眼精疲労の症状
- 目がかすむ
- 目の奥が痛い・熱い
- 目が乾く
- まぶたがけいれんする
- 物の焦点が合いにくい
- まぶたがずっと重い
- 目がゴロゴロする
- 目がしょぼしょぼする
- 目が充血する
- 頭が重い・頭痛がある
- 肩こりがひどい などなど
どうして眼精疲労は起こるのか
- テレビ・PC・スマートフォン・ゲーム機などの画面を見る時間が長い
- 睡眠や目の休息が不足している
- 日常的に精神的ストレスが強くかかる環境にいる
- 目に問題がある
①テレビ・PC・スマートフォン・ゲーム機などの画面を見る時間が長い
近年、現代人はテレビやPC・スマートフォンなど生活に欠かすことができないアイテムとなっており、これらを日常的に使用する環境が眼精疲労を引き起こす要因となっています。
②睡眠や目の休息が不足している
休息不足が続くと、毛様体筋(ピント合わせの役割をする筋肉)や、外眼筋(眼球を動かす働きをする筋肉)が疲労し、目の働きが悪くなるため、目のかすみや見えずらさを感じます。
見えずらいのに無理して見ようと集中するため、目の周りを覆っているドーナツ状の筋肉である眼輪筋やその横にある側頭筋が疲労し、目の開きにくさや目の乾きなどの症状があらわれます。
③日常的に精神的ストレスが強くかかる環境にいる
ストレスにより自律神経の働きが悪くなり、目の周りの筋肉に十分な血液や酸素が運ばれず、目周辺の筋肉が通常の2~5倍に膨れ上がり、目の周りの神経を圧迫するため、めまいや頭痛、耳鳴りなどの様々な症状を引き起こします。
④目に問題がある
◇近視・遠視・乱視・老眼などにより視力が悪い
・・・使用するメガネやコンタクトレンズの度が合っていないと、ピント合わせのため目を酷使することに繋がります。
◇ドライアイ
・・・目の表面を保護する涙の量が少なくなることで、目を守る膜が減少し、光の反射が乱れ、見えづらさまぶしさを感じるようになります。
⑤全身の健康状態が悪い
- 普段から全身の疲労度が高かったり、疲れやすい体質である
- 血圧異常や糖尿病、自律神経失調症や月経異常など目以外の病気を患っている
以上のような方は眼精疲労に陥りやすいため、「たかが目の疲れ」と甘く見ずに、早めに対処することをお勧めします。
『鍼灸整骨院かまたき』 眼精疲労施術について
眼精疲労の症状は全身に及ぶため、単に目のまわりの筋肉をほぐすだけでは改善されません。
鍼灸整骨院かまたきでは、目の周りをほぐすのはもちろん、主に首と肩周辺の筋肉を柔らかくすることで血液の流れを良くし、症状の改善を目指します。
眼精疲労に全身整体をおすすめ
症状が全身に及ぶ眼精疲労には『全身整体』がおすすめです。
全身整体は、『手技のみ』『鍼のみ』『手技+鍼』のコースがそれぞれあります。
眼精疲労でお悩みの方は、目の周りだけの施術では改善しにくいため、全身をトータル的にケアすることをお勧めします。
全身整体をおすすめする理由
眼精疲労の症状に悩まされている方の多くは、デスクワークをされています。
デスクワークはパソコン画面を注視することが多く、非常に目を酷使します。目の疲れによる見え辛さをカバーするために首が前に出た姿勢が続き、ストレートネックや猫背などの不良姿勢を招きます。
ストレートネックや猫背により、首・肩・背中・腰など全身の筋肉に負担がかかり全身症状を招いているため、症状が強くあらわれている一部分だけケアしても眼精疲労からくる全身症状はなかなか改善されません。
まずは、けい椎(首の骨)や骨盤の位置を整える『矯正』を行うことで身体の軸を正し、元から治していきます。
施術について
鍼が怖い方、手技が好きな方、色々いらっしゃいますので「絶対に鍼が良いです!」とは言いませんが眼精疲労に治療は有効です。
しかし、鍼治療に抵抗があったり、恐怖が大きい方などは、無理に鍼治療を選択することで余計に身体に力が入り、筋肉が緊張するため、おすすめしません。
手技でも十分改善は望まれますので、無理のない選択をしましょう。
手技療法
道具や機械は一切使わず、指先の感覚だけを頼りに骨格のズレや筋肉の硬さを判断し、整えていきます。
ほどよい刺激により、硬く凝り固まった筋肉をほぐし疲れや痛みを解消していきます。
背骨の横には自律神経が通っていて、ここを良くほぐすことで、全身の血液やリンパの流れが改善されます。
カラダ全体の緊張している筋肉をほぐし、骨格のバランスを整えることで全身の巡りが良くなり、身体と心がリラックスすることで眼精疲労の症状が改善されていきます。
鍼治療
鍼は、手技よりも深い筋肉へアプローチすることが可能であり、特に筋肉が小さい目の周りに鍼治療は有効です。
眼精疲労の施術で特に重要な筋肉に『後頭下筋群』という筋肉があります。
後頭下筋群はその名の通り後頭部にあり、人間の身体的特性上、目の動きとリンクして働きます。
そのため、目を酷使することが多い人は後頭下筋群の緊張が強いと言えます。
そこで、後頭下筋群の筋緊張をとることが眼精疲労の改善に有効なのですが、後頭下筋群は首の奥の方にある筋肉のため指圧やマッサージではアプローチが難しいため、鍼治療はとても有効です。
また、鍼治療は鍼をさすことによる鎮静効果も期待できます。ツボや経絡といった鍼特有の急所を刺激することにより、痛みやしびれなどの信号を遮断し、症状の緩和をはかります。
鍼は痛いのか?
鍼と聞くと痛いイメージがあるかと思いますが、髪の毛よりも細い鍼先は通常さしても痛みを感じることはほとんどありません。
しかし、人間の身体の表面には『痛点』と言って、痛みを感じる場所があります。
このツボにたまたま当たってしまうと痛みを感じることが稀にあります。(痛点は人それぞれ違うため避けることはできません。)
鍼をさした時、ほんの少しチクッと刺激を感じる場合がありますがわずかです。
筋肉の硬いところはズーンと重い刺激を感じます。このズーンとした鍼特有の刺激が鍼治療の最大の特徴です。
ズーンと重い刺激は、鍼をさしたまま一定時間置くことで徐々に軽くなっていきます。
矯正と筋トレ
眼精疲労は全身症状のため、骨格バランスも大切です。
矯正は、手技によって行うこともあれば、トムソンという専用のベッドを使って行うこともあります。
部分的にわずかに調整したいときはアクチベーターという器具を用いて行うこともあります。
眼精疲労の症状を訴える方の多くが、日常的な姿勢の悪さが目立ちます。姿勢の悪さを改善するには骨格矯正が有効です。
しかし、骨格矯正を行っただけでは姿勢は正しくなりません。
筋肉の硬さを取り除きながら骨格を正しい位置に戻し、戻した骨格を維持するために必要な筋肉を付けることで、正しい姿勢が維持されます。
骨格バランスの維持には筋トレは欠かせません。
正しい姿勢は筋肉に対する負担が小さいため、身体は痛みや疲れがあらわれにくくなります。
自分でできる眼精疲労の対処法
眼精疲労の多くが、画面の見過ぎによって起こります。
スマートフォンやパソコンの画面を見ないのが一番の対処法ですが、そうは言っていられない人は画面を見るときに意識して欲しいことが2つあります。
①ジーッと画面を注視するのではなく、画面を風景のようにとらえ、全体を眺めるように見ること
②なるべく意識的に『まばたき』をすること
この2つを意識するだけで眼の疲労度はかなり変わってきます。
人間は集中するとどうしてもまばたきの回数が減ってしまい、そのせいで眼が乾き、眼が炎症し痛みや疲れに繋がるため注意しましょう。
以下は、眼の症状があらわれた時の対処法です。
目がチクチク痛い
⇨目の表面が乾燥しています(ドライアイなど)
文字や画面を見るのを止め、まばたきを意識的にすることで涙が出てきて目の乾燥を防ぎます。
目薬などが有効です。
目がしょぼしょぼする
⇨目の使い過ぎです
目周辺の血行不良が原因で筋肉が硬くなっているため、温めて血行を良くしましょう。
ホットアイマスクや蒸しタオルなどを目に乗せて目を閉じて5~10分程度ゆっくりリラックスすると効果的です。
充血・目が赤い
⇨寝不足などが原因で炎症や充血を起こしています
目の中の血管が膨張しているので、目や目周辺を氷のうなどで冷やすことで改善されてきます。
温めると逆効果になるので、ご注意ください。
目の疲れからくる頭痛・肩こり
⇨目を酷使し過ぎた結果、症状が全身に及んだものです
筋肉疲労により血流が悪くなり筋肉が硬くなっているため、まずは温めて下さい。
湯船につかる。ホットパックやホッカイロを使うなどして温める事によって血流が改善されてきます。
余裕があれば、軽いストレッチを行うことで筋肉の硬がもほぐれ、効果が増します。
症状が目以外にも出始めたら
睡眠や休息をとっても目の症状が治まらないときは、睡眠や休息を十分にとっても、もうそれだけで回復は難しいでしょう。目の疲れを全身の疲労と捉えてケアしていきましょう。
- 目を酷使している環境を見直すこと
- 睡眠や休息を十分にとること
- ゆっくり湯船につかり身体を温め、血行を良くすること
- 適度な全身運動を行い、筋肉を動かすこと
目に良いツボ
自分で簡単に押せる目のツボをご紹介します。
こちらのツボは、あくまで『疲れ目』程度の場合、気休め程度に思ってください。
目の症状が全身に及ぶ眼精疲労のケースでは、首・肩・背中など広範囲で行わなければ症状の改善は期待できません。