その肩こり、本当にただの肩こりですか?肩こりの裏に隠れる病気

  • 2022年5月20日
  • 2024年11月8日
  • 肩こり
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肩こりに悩まされている人は多く、日本人では3人に1人が肩こりの自覚があり、腰痛に次いで多い症状と言われています。

そのうちの約半数は2か月程度で症状が治まると言われていますが、残りの半数は「1年以上続いている」「良くなったり悪くなったりを繰り返す」「年々悪化している」などの慢性症状で苦しんでいます。

長引く肩こりは単純に疲労や筋肉の問題だけではない可能性があります。「たかが肩こり」とつい放置してしまうと深刻な病気が隠れている場合もあり危険です。

今回は、もしかしたら肩こりに隠れているかもしれない怖い病気をいくつかご紹介していきます。

肩こりとは

『肩こり』と言う呼び方は病名ではなく、症状の総称です。

首から肩、背中や腕周辺にかけて痛みやしびれの症状があらわれるものを総称して『肩こり』と言い、明確な決まりはありません。

肩こりは、筋肉が原因で起こる『筋肉性』のものと、病気が原因で起こる『症侯性』にものに分けられます。

肩こりによる随伴症状

随伴症状(ずいはんしょうじょう)とは、何らかの症状に伴ってあらわれる、その他の症状を言います。

例えば、肩が凝ることであらわれるその他の症状に以下のようなものがあります。

  • 頭痛
  • 吐き気
  • 首肩周辺の関節痛
  • 腰痛
  • 血行不良
  • 冷え/むくみ
  • 目の疲れ/眼精疲労
  • 重だるさ/脱力感
  • やる気の低下/抑うつ
  • 不眠 など。

頭痛やめまいが肩こりからくることを知っている方は多いですが、あまりにも症状が長く続いたり、症状がひどい場合、「そのうち治まるだろう」と放置してしまうと症状がさらに悪化してしまう可能性もあるので早めの対処が必要です。

病候性の肩こり

首肩周りの筋緊張や加齢が原因である一般的な肩こりと区別するために、病気が潜んでいる可能性のある肩こりを病候性(びょうこうせい)の肩こりと言います。 

病候性の肩こりは、病気が大元となって肩こりの症状があらわれているため注意が必要です。

「肩こりがなかなか良くならない」「頭痛や吐き気などを伴うほど肩こりがひどい」「ズキズキ痛む」「しびれを感じる」などの場合は、病候性の肩こりの可能性があります。病候性の肩こりを引き起こす原因となる病気を知り正しい対処を行うことが重要です。

病候性の肩こりを引き起こす疾患に以下のものがあります。

  • 目の疾患
  • 歯の疾患
  • 高血圧/動脈硬化
  • 糖尿病
  • 狭心症/心筋梗塞
  • 関節リウマチ
  • 脳動脈瘤
  • がん など

以下ではそれぞれの疾患について詳しく解説していきます。

目の疾患…眼科

目のかすみやぼやけがあり焦点を合わせようとすることで目の周りの筋肉に負担がかかり、肩こりを発症します。肩こりに加え、目のかすみやぼやけ、まぶしさなどを感じている時は受診をお勧めします。

白内障・緑内障

白内障は目の組織である水晶体が濁る病気です。水晶体は加齢とともに濁りやすく、高齢者が発症しやすい症状ですが若い方でも発症する可能性があります。白内障の症状が進行すると緑内障を発症します。

白内障、緑内障は放置すると視力低下や失明を引き起こす可能性があります。

主な症状:目のかすみ、ぼやけ、まぶしさを感じる

ぶどう膜炎・黄斑変性

ぶどう膜炎と黄斑変性は、目の内部器官や組織が炎症したりむくみを起こす病気です。

主な症状:目のかすみ

歯の疾患…歯科

虫歯や歯周病が進行すると神経や歯茎にまで炎症が広がります。さらに炎症が顎からリンパ、首、肩まで広がることで、肩こりが引き起こされます。

その他、噛み癖として、『左右どちらか一方のみで噛む』『噛み合わせが合っていない』なども肩こりの原因となります。歯の疾患で肩こりが起きている場合、歯の疾患がかなり進行しているため早期の受診をお勧めします。

高血圧/動脈硬化…内科、循環器内科

高血圧になると、交感神経が優位になり血管が収縮します。血管が収縮すると血行不良となり、筋肉へ十分な酸素が行き渡らず肩周辺の筋肉が硬くなり、肩こりの症状を引き起こします。

高血圧の場合、肩こりのほか後頚部の痛みもあらわれることが多いです。激しい頭痛や嘔吐を併発している場合は脳症なども疑われます。

糖尿病…内科

糖尿病によって血管や神経に障害が起き、血流が悪くなることで肩こりの症状があらわれます。糖尿病による肩こりは、肩甲骨の下辺りまで広範囲に凝ることが多いです。まだ糖尿病と診断されていなくても血糖値が高い、かつ肩こりがなかなか治らない場合は糖尿病を疑います。

狭心症/心筋梗塞 …心臓内科、循環器内科

狭心症や心筋梗塞など、心臓の病気が原因で肩こりが起こります。肩こりに加え、胸を締めつけられる感じがする場合には心臓の疾患が疑われます。また、『肩こりを感じてもすぐ消える』『体を少し動かしただけですぐに息切れする』などの場合にも心臓の疾患が疑われます。

関節リウマチ…整形外科、膠原病科、リウマチ科

関節リウマチとは、免疫の異常によって関節が炎症を起こし、痛みや腫れを引き起こす病気です。免疫の異常により肩こりのみならず、身体中に様々な不調をもたらします。『痛みが起こる場所が変わる』『仰向けに寝ると肩が痛い』『動作の動き始めが特に痛い』などの症状がある場合には関節リウマチが隠されている可能性も考えられます。

脳動脈瘤…脳神経外科

脳動脈瘤とは、脳の血管にこぶができる病気です。こぶが周りの神経を圧迫することで強い肩こりの症状があらわれます。肩こりのほかに頭が重く感じる、目の奥が重い、吐き気、頭痛などの症状を感じたら、脳動脈瘤の可能性が考えられます。

がん …整形外科、内科

がんが首のリンパ節に転移すると腫れが生じ、肩こりの症状があらわれます。また肺がんの場合、肺のすぐ上に肩や腕があるため、肩周辺の神経を刺激し肩こりを感じると考えられます。

まとめ

たかが肩こりと軽く考えていたら、恐ろしい病気が肩こりの裏に隠れている場合もあるので普段と少しでも違うかな?と感じたら病院へ行くことをお勧めします。しかし、ほとんどの人は「肩こりくらいでいきなり病院を受診するのは…」と考えているでしょう。

その場合、まずはその肩こりが筋肉疲労によるものなのかどうか?を判断するために整骨院での施術をお勧めします。

整骨院で施術することで症状が楽になる肩こりは筋肉性の肩こりと考えて良いでしょう。

しかし、整骨院でしっかり施術しても症状が改善されない、または症状が酷くなるようなことがあればもしかしたらその肩こりには危険な病気が潜んでいるかもしれません。

検査を検討する目安は2か月

整骨院へ2か月ほど通ったが一向に症状が改善されない場合には、肩こりの裏に潜んでいる病気を疑い、検査が受けられる病院へ受診する事をお勧めします。

反対に、

  • 病気が発覚し、2か月治療に励んだけれど肩こりの症状が改善されない
  • 検査をしたけれど肩こりを感じている以外、特に異常は見当たらない

などの場合には肩こりが改善せず不安を感じるかもしれませんが、やはり肩こりの原因が筋肉性のものと考えられるのでぜひ鍼灸整骨院かまたきにご相談ください。

鍼灸整骨院かまたきは、筋肉が問題で起こる痛みに対する治療に自信があります!

鍼灸整骨院かまたき