
「しっかり寝たはずなのに疲れが取れない」「寝ても寝ても眠い」「朝から身体がだるい」「十分寝ているのにスッキリしない」と感じていませんか?
疲れが取れないと「もっと長く寝た方がいいのかな?」と思うかもしれません。しかし、睡眠は時間の長さだけでなく、朝起きたときに「休めた」と感じられるかどうかも重要です。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、睡眠で休養がとれている感覚を「睡眠休養感」とし、良い睡眠を考えるうえで重要な指標としています。睡眠休養感には睡眠時間だけでなく、睡眠環境、生活習慣、嗜好品、睡眠障害などさまざまな要因が関係します。
ここでは、寝ても疲れが取れない原因、しっかり寝ても眠い・身体がだるい理由、生活の中で見直したいポイント、病院へ相談した方がよい症状について解説します。
寝ても疲れが取れないのはなぜ?
「寝ても疲れが取れない」と感じる原因は一つではありません。
睡眠時間そのものが不足している場合もあれば、十分な時間寝ているつもりでも、途中で何度も目が覚めていたり、睡眠時無呼吸などによって睡眠が妨げられていたりする場合があります。
また、生活リズム、ストレス、飲酒、カフェイン、身体活動、寝室環境などが睡眠へ影響していることもあります。
そのため、「8時間寝たから十分」「長く寝れば疲労が取れる」と睡眠時間だけで判断するのではなく、朝起きたときの休養感や日中の眠気まで含めて考えることが大切です。
「睡眠休養感」とは?
睡眠休養感とは、簡単にいうと「睡眠によって十分に休めたと感じられるか」という感覚です。
厚生労働省では、睡眠時間が睡眠の「量」を反映する指標だとすれば、睡眠休養感は睡眠の「質」を反映する指標としています。
たとえば同じ7時間眠ったとしても、
・朝スッキリ起きられる
・日中に強い眠気がない
・疲労感が残っていない
という人もいれば、
・朝から身体が重い
・寝た気がしない
・日中も眠い
・何時間寝ても疲れている
という人もいます。
「何時間寝たか」だけでなく、「寝た後にどう感じるか」にも注目してみましょう。
寝ても寝ても疲れが取れない主な原因
睡眠時間が足りていない
まず確認したいのが、実際の睡眠時間です。
「寝床に7時間いた」ことと「7時間眠った」ことは同じではありません。
寝床へ入ってから眠るまで時間がかかる、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚めるといった場合には、自分が考えているより実際の睡眠時間が短くなっている可能性があります。
厚生労働省の睡眠ガイドでは、成人では個人差を考慮しながら6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保することが推奨されています。
ただし、必要な睡眠時間には個人差があるため、「全員が必ず7時間」「8時間寝れば健康」と一律に決めるものではありません。
睡眠の途中で何度も目が覚めている
十分な時間寝床にいても、夜中に何度も目が覚めている場合には、朝起きたときに「寝た気がしない」と感じることがあります。
暑さ・寒さ、騒音、飲酒、トイレなど生活環境による場合もありますが、睡眠障害が関係していることもあります。
自分では夜中に目覚めたことをはっきり覚えていない場合もあるため、睡眠時間だけでなく朝の休養感にも注目しましょう。
睡眠時無呼吸などの睡眠障害
「長時間寝ているのに疲れが取れない」「日中も強烈に眠い」という場合に確認したいものの一つが睡眠時無呼吸です。
睡眠中に呼吸が繰り返し妨げられると、本人が気付かないうちに睡眠が浅くなったり中断されたりすることがあります。
日本睡眠学会でも、睡眠時無呼吸では睡眠が妨げられることで、日中の強い眠気、気力や集中力の低下などが生じると説明しています。
大きないびきをかく、睡眠中に呼吸が止まっていると指摘された、朝に頭痛がある、日中の眠気が非常に強いといった場合には医療機関へ相談してください。
生活リズムが不規則になっている
就寝・起床時刻が日によって大きく異なる生活も睡眠へ影響します。
特に平日は睡眠時間が短く、休日になると昼まで寝ているという生活を繰り返している場合には、平日の睡眠不足が隠れている可能性があります。
「休日に寝だめすれば大丈夫」と考えるのではなく、まず普段から必要な睡眠時間を確保できているか確認しましょう。
飲酒やカフェインの影響
寝る前のお酒や夕方以降のカフェインが睡眠へ影響している場合もあります。
アルコールを飲むと眠くなることがありますが、睡眠の質を悪化させたり、夜中に目覚めやすくなったりすることがあります。
コーヒー、緑茶、紅茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインには覚醒作用があります。
「寝ている時間は十分なのに休んだ気がしない」という場合には、飲酒やカフェインを摂る時間・量も振り返ってみましょう。
ストレスや精神的な負担
仕事や家庭、人間関係などのストレスによって、寝付きが悪くなったり途中で目が覚めたりすることがあります。
ただし、寝ても疲れが取れない状態をすべて「自律神経の乱れ」と説明することはできません。
睡眠の問題だけでなく、気分の落ち込み、意欲低下などが続いている場合には、一人で抱え込まず医療機関へ相談することも考えてください。
身体の痛みや不快感
腰痛、肩や首の痛みなどによって寝返りのたびに目が覚めたり、眠りが妨げられたりする場合があります。
この場合には睡眠だけを見るのではなく、睡眠を妨げている痛みそのものについて原因を確認することも大切です。
しっかり寝ても疲れが取れないのは病気?
寝ても疲れが取れないからといって、必ず病気というわけではありません。
睡眠不足や生活リズム、飲酒、ストレス、睡眠環境などを見直すことで改善する場合もあります。
一方、十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず睡眠による休養感が得られない場合には、不眠症、睡眠時無呼吸、むずむず脚症候群などの睡眠障害が関係している可能性があります。
厚生労働省でも、生活習慣や睡眠環境などを見直しても、十分眠れない、睡眠で休養感が得られない、日中の眠気が強いといった症状が続き、日常生活へ影響している場合には医療機関への相談を勧めています。
寝ても疲れが取れない・眠い場合はどうすればいい?
まず「もっと長く寝ればいい」と考える前に、自分の睡眠と生活を振り返ってみましょう。
確認したいのは、
・実際に何時間眠っているか
・毎日の起床時刻が大きく変わっていないか
・夜中に何度も目覚めていないか
・日中に強い眠気がないか
・いびきや睡眠中の呼吸停止を指摘されていないか
・寝る前に飲酒していないか
・夕方以降にカフェインを多く摂っていないか
・身体の痛みで睡眠が妨げられていないか
といった点です。
睡眠時間だけを記録するのではなく、「朝どのくらい休めたと感じたか」「日中どのくらい眠かったか」も一緒に記録すると、自分の睡眠状態を把握しやすくなります。
寝ても身体がだるい原因は睡眠だけとは限らない
「寝ても身体がだるい」という症状は、必ずしも睡眠だけが原因とは限りません。
疲労感やだるさはさまざまな体調変化によって生じるため、十分眠っているにもかかわらず強いだるさが続く場合には、「睡眠の質が悪いだけ」と自己判断しないことも大切です。
発熱、息切れ、動悸、体重の大きな変化など、ほかの症状を伴う場合には医療機関へ相談してください。
寝ても疲れが取れない場合に整体でできること
「寝ても疲れが取れない」という症状そのものを、整体によって治療できると考えるものではありません。
特に睡眠時無呼吸などの睡眠障害や病気が関係している場合には、医療機関での診察や治療が必要です。
一方で、首や肩、背中、腰などの筋肉の緊張や痛みがあり、それによってリラックスしにくい、寝返りの際に痛みが出るといった場合には、身体の状態を確認したうえで整体や鍼灸を検討することがあります。
鍼灸整骨院かまたきでは、「骨格を整えれば自律神経が正常になる」「血流を良くすれば睡眠の質が上がる」と一律に説明するのではなく、身体の痛みやこわばり、生活状況などを確認したうえで施術を検討します。
睡眠の問題が強い場合や、睡眠障害などが疑われる場合には医療機関への受診を優先していただきます。
病院へ相談した方がいい目安
生活習慣や睡眠環境を見直しても「寝ても疲れが取れない」状態が続く場合には、医療機関への相談を考えましょう。
特に、
・十分寝ているのに日中の眠気が非常に強い
・仕事中や運転中にも眠ってしまいそうになる
・大きないびきを指摘されている
・睡眠中に呼吸が止まっていると言われた
・夜中に何度も目が覚める
・朝起きてもまったく休んだ感じがしない
・強い倦怠感が長く続いている
・睡眠や疲労によって仕事や日常生活へ支障が出ている
といった場合には、「疲れているだけ」と長期間放置しないことが大切です。
厚生労働省の睡眠ガイドでも、睡眠環境や生活習慣などを見直しても睡眠関連症状が続く場合には、睡眠障害が潜んでいる可能性があるため医療機関への受診を勧めています。
よくある質問
寝ても疲れが取れないのはなぜですか?
睡眠時間の不足だけでなく、途中で何度も目覚める、生活リズムの乱れ、飲酒やカフェイン、ストレス、身体の痛み、睡眠時無呼吸などの睡眠障害が関係している場合があります。
寝ても寝ても疲れが取れないのは病気ですか?
必ず病気とは限りません。ただし、十分な睡眠時間を確保しても疲労感や日中の強い眠気が続く場合には、睡眠障害やほかの体調の問題が関係している可能性もあるため医療機関へ相談してください。
しっかり寝ても眠いのはなぜですか?
実際の睡眠時間が不足している場合だけでなく、夜間に何度も目覚めている場合や、睡眠時無呼吸などによって睡眠が妨げられている場合があります。
寝ても身体がだるい原因は何ですか?
睡眠不足や睡眠の問題だけでなく、身体の痛み、ストレスなどさまざまな要因が考えられます。強いだるさが続く場合やほかの症状を伴う場合には医療機関へ相談してください。
何時間寝れば疲れが取れますか?
必要な睡眠時間には個人差があります。成人ではまず6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保しながら、朝の休養感や日中の眠気も確認することが大切です。
寝だめをすれば疲れは取れますか?
休日に長く眠ることは、平日に睡眠が不足しているサインになる場合があります。休日だけで調整するのではなく、普段から必要な睡眠時間を確保することが重要です。
寝ても疲れが取れない場合は何科へ行けばいいですか?
強いいびきや睡眠中の呼吸停止、日中の強い眠気などがある場合には、睡眠外来や呼吸器内科、耳鼻咽喉科などで相談できる場合があります。どこを受診すればよいか分からない場合には、まずかかりつけ医へ相談する方法もあります。
まとめ
寝ても疲れが取れないときは、単純に睡眠時間が短いとは限りません。
厚生労働省では、睡眠時間だけでなく「睡眠によって休養がとれている感覚=睡眠休養感」も良い睡眠を考える重要な指標としています。
睡眠時間、途中で目覚めていないか、生活リズム、飲酒やカフェイン、ストレス、身体の痛みなどを一度振り返ってみましょう。
十分な時間寝ているにもかかわらず疲れが取れない、日中の眠気が非常に強い、大きないびきや睡眠中の呼吸停止があるといった場合には、睡眠時無呼吸などの睡眠障害が隠れている可能性もあります。生活習慣だけの問題と決めつけず、医療機関へ相談することが大切です。

