
鍼治療を受けたあとに、「身体がだるい」「急に眠くなった」「翌日まで疲れた感じが残っている」と不安になる方がいます。
鍼のあとには、刺した部分の痛みや内出血などだけでなく、一時的な疲労感やだるさなどがみられることがあります。多くは軽い症状ですが、鍼を受けたあとに起きた症状をすべて「好転反応だから大丈夫」と判断するのは適切ではありません。PubMed
この記事では、鍼治療後にだるい・眠いと感じることがあるのはなぜか、翌日まで続く場合はどうすればよいのか、どのくらいで治まるのか、注意した方がよい症状まで解説します。
鍼治療後にだるくなることはある?
鍼治療を受けたあとに、一時的に身体のだるさや疲労感を感じることはあります。
鍼の安全性を調べた研究でも、疲労感は鍼治療後に報告される軽微な反応の一つです。ほかにも、鍼を刺した部分の痛み、少量の出血、内出血などがみられることがあります。PubMed
ただし、すべての人にだるさが出るわけではありません。また、鍼治療後にだるくなったからといって「鍼が効いている証拠」と判断することもできません。
施術前から睡眠不足や疲労があった、緊張していた、食事や水分が十分ではなかったなど、鍼以外の要因が重なっている場合もあります。
鍼治療後に眠くなることはある?
鍼治療のあとに「眠くなった」「横になりたくなった」と感じる人もいます。
施術中に横になって身体を休めていたことや、施術前からの疲労・睡眠不足など、複数の要因が関係している可能性があります。
よく「鍼によって副交感神経が優位になったから眠くなる」と説明されることがありますが、個人の施術後の眠気について、それだけを原因として断定することはできません。
軽い眠気だけで体調に問題がなければ、無理をせず休むようにしてください。
鍼治療の翌日までだるいのは大丈夫?
鍼を受けた当日だけでなく、「次の日も少しだるい」と感じることがあります。
軽い疲労感で徐々に改善しているのであれば、まず無理をせず体調を確認します。
ただし、「翌日までだるい=必ず正常」「好転反応だから我慢すればよい」と決めつけることはできません。
だるさが強くなっている、発熱など別の症状がある、数日たっても改善しない場合には、施術を受けた鍼灸院へ相談してください。
症状によっては鍼とは関係のない病気が重なっている可能性もあるため、必要に応じて医療機関を受診します。
鍼治療後のだるさはいつまで続く?
「鍼のだるさは何日続くの?」と心配になる方もいるでしょう。
鍼治療後の反応には個人差があり、「必ず○時間」「必ず翌日には治る」と決めることはできません。
軽いだるさであれば、その日のうちに気にならなくなる人もいれば、翌日まで残ると感じる人もいます。
重要なのは時間だけではなく、症状が改善しているか、悪化しているかです。
時間とともに軽くなっている場合は経過をみられることがありますが、強い症状が続く場合や悪化している場合には施術者へ相談してください。
鍼治療後のだるさは「好転反応」?
鍼治療後のだるさや眠気について「好転反応です」と説明されることがあります。
しかし、好転反応という言葉を「治療が効いて身体が良くなる途中で悪い症状が出ること」と考え、どのような症状でも我慢するのはおすすめできません。
鍼治療では、疲労感、刺した部分の痛み、出血、内出血などの軽い有害事象が報告されています。PubMed
つまり、施術後にだるくなった場合は「身体が回復している証拠」と決めつけるのではなく、鍼治療後にみられることがある一時的な反応の一つとして状態を確認する方が適切です。
「血流が良くなって老廃物が出るからだるい」は本当?
鍼治療後のだるさについて、「血流が良くなって身体にたまっていた老廃物が一気に排出されるため」と説明されることがあります。
しかし、鍼治療後のだるさをこの仕組みだけで説明することはできません。
そのため、「だるいほど老廃物が排出されている」「強くだるくなるほど鍼が効いている」と考える必要はありません。
だるさが出た場合には、その強さやほかの症状がないかを確認することの方が重要です。
鍼治療後にだるいときの対処法
軽いだるさや眠気だけであれば、まず無理をせず休みましょう。
無理に活動しない
眠気やだるさが強いときには、無理に運動したり予定を詰め込んだりせず、身体を休ませます。
特に眠気やふらつきがある状態では、自動車の運転など危険を伴う行動は避けてください。
普段どおり水分を摂る
特別に大量の水を飲んで「老廃物を流す」必要はありません。
脱水にならないよう、普段どおり適度に水分を摂れば十分です。
眠い場合は休む
施術後に眠気がある場合には、可能であれば休息をとりましょう。
ただし、強い意識障害や失神に近い状態は単なる眠気とは別です。異常を感じた場合には施術者や医療機関へ相談してください。
鍼治療後に運動してもいい?
鍼治療後に必ず運動を禁止しなければならないわけではありません。
体調に問題がなければ通常の日常生活を送れる場合があります。
ただし、施術後にだるさ、めまい、ふらつきなどを感じている場合には、激しい運動を無理に行う必要はありません。
スポーツをする予定がある場合には、自分の体調を確認して判断しましょう。
鍼治療後にお風呂へ入ってもいい?
鍼を受けたからといって、必ず入浴を禁止する必要があるわけではありません。
ただし、施術後に強いだるさやふらつきがある場合には、長時間の入浴によってさらに気分が悪くなる可能性があります。
そのようなときには無理に長風呂をせず、体調が落ち着いてから入浴しましょう。
鍼を刺した部分から出血している場合などは、施術者から受けた説明に従ってください。
鍼治療後にお酒を飲んでもいい?
鍼治療後だから必ず飲酒禁止というわけではありませんが、すでに眠気やだるさ、ふらつきなどがある場合には飲酒を避けた方が安全です。
アルコールによって眠気やふらつきが強くなる可能性があります。
また、体調が悪い状態で無理に飲酒する必要はありません。
鍼治療後に注意したい症状
鍼治療は適切に行われれば重篤な有害事象はまれですが、重い合併症が絶対に起こらないわけではありません。安全性研究では、重篤な有害事象は非常に少ない一方、鍼治療には出血、感染、失神、臓器・組織損傷などさまざまな有害事象が報告されています。PubMed
特に次のような症状がある場合には、「好転反応だろう」と我慢しないでください。
- 強い、または悪化する痛み
- 息苦しさや胸の痛み
- 強いめまいや失神
- 発熱や強い体調不良
- 鍼を刺した部分の強い腫れ・赤み・熱感
- 手足の強いしびれや力が入りにくい
- 時間がたっても改善しない、または悪化する症状
胸や背中などへの鍼のあとに息苦しさや胸痛が現れた場合などは、速やかに医療機関を受診する必要があります。
初めて鍼を受ける方へ
初めて鍼治療を受ける場合、「施術後に具合が悪くならないか」と不安になる方もいると思います。
施術前には、現在の体調、服用している薬、これまで鍼で気分が悪くなった経験などを施術者へ伝えてください。
また、極端に体調が悪いときなどは無理に施術を受けず、状態について施術者へ相談することも大切です。
鍼治療後に何か気になる変化があった場合も、遠慮せず施術を受けた施設へ相談しましょう。
鍼灸整骨院かまたきの鍼施術について
鍼灸整骨院かまたきでは、施術前に身体の状態やお悩みを確認したうえで鍼施術を行います。
鍼の刺激に対する感じ方には個人差があるため、初めて鍼を受ける方や刺激が苦手な方には、状態を確認しながら施術を進めます。
また、施術後にだるさや眠気など気になる症状があった場合には、「好転反応だから大丈夫」と一律に判断するのではなく、症状の内容や経過を確認することが大切だと考えています。
強い症状や鍼施術だけでは判断できない症状については、必要に応じて医療機関への受診をご案内します。
よくある質問
鍼治療後にだるくなることはありますか?
鍼治療後に一時的な疲労感やだるさを感じることはあります。ただし、すべての人に起こるわけではなく、だるさが出たこと自体を「鍼が効いている証拠」と判断することはできません。
鍼治療の翌日までだるいのは大丈夫ですか?
軽いだるさが翌日まで残ると感じる人もいます。徐々に改善している場合は経過をみられることがありますが、症状が強い、悪化している、ほかの症状を伴う場合には施術を受けた施設へ相談してください。
鍼治療後のだるさはいつまで続きますか?
個人差があるため「必ず何時間で治る」とは言えません。その日のうちに気にならなくなる人もいれば、翌日まで残ると感じる人もいます。時間とともに改善しているかを確認することが大切です。
鍼をすると眠くなることはありますか?
鍼治療後に眠気を感じる人はいます。ただし、施術中に休んでいたことや施術前からの疲労・睡眠不足なども関係する可能性があり、副交感神経だけを原因として断定することはできません。
鍼治療後のだるさは好転反応ですか?
鍼治療後のだるさを「治っている途中だから起こる好転反応」と決めつけることはおすすめできません。鍼治療後には一時的な疲労感などが報告されているため、症状の強さや経過を確認しましょう。
鍼治療後に運動しても大丈夫ですか?
体調に問題がなければ通常の日常生活を送れる場合があります。ただし、だるさ、めまい、ふらつきなどがある場合には激しい運動を無理に行わず、体調が落ち着くまで休みましょう。
鍼治療後に息苦しくなった場合はどうすればいいですか?
特に胸や背中などへの鍼治療後に息苦しさや胸の痛みが現れた場合には、単なる好転反応と判断せず、速やかに医療機関を受診してください。
まとめ
鍼治療後にだるい、眠い、疲れた感じがするなど、一時的な体調の変化を感じることはあります。鍼の安全性に関する研究でも、疲労感などの軽い有害事象が報告されています。PubMed
鎌滝 徳孝kamaseikotsu1002プロフィールを編集
一方で、「血流が良くなって老廃物が排出されている」「身体が回復モードに入った」「好転反応だから我慢すればよい」と一律に説明することは避けた方がよいでしょう。
軽いだるさで徐々に改善している場合には無理をせず休み、強い症状、悪化する症状、息苦しさや胸痛などがある場合には施術者への相談や医療機関の受診が必要です。

