生まれつきの足の形は人種による違いが大きいです。
日本人は日本特有の姿勢や筋肉の付き方、靭帯の位置、歩き方、生活習慣などの影響からO脚を引き起こしやすく、実は8割の人がO脚と言われています。
子どものころにみられるO脚は成長の過程で改善されていくことがほとんどなので、あまり心配する必要はありません。大人になってからみられるO脚は、加齢や肥満、筋肉不足などさまざまな原因が考えられます。
ここでは主に大人に起こるO脚について原因や改善策などを解説していきます。
O脚とは
O脚は、足を正面から見たとき、両足が外側に湾曲した状態を言います。
つま先を真っすぐにしてくるぶしをくっつけ真っすぐに立ったとき、両膝がくっつかなければO脚です。
O脚チェック
鏡の前に裸足で立ちましょう
①両足を揃えて立つ
②太もも・膝・ふくらはぎ・かかとがくっついているか確認する
離れ具合の目安
指1本以下・・・正常
指2本程度・・・ややO脚気味
指3本以上・・・重度のO脚
歴史的背景から日本人はO脚が多い
日本人の約8割がO脚と言われていますが、骨格が似ているお隣の国、韓国人はO脚が少ないそうです。
このことからO脚の原因は生まれつきではなく、日本陣ならではの普段の生活や姿勢などによって引き起こされていると考えられます。
歴史をたどると日本人にO脚が多い理由がわかります。
座り方
日本人特有の座り方と言えば正座ですね。長時間の正座は骨盤の歪みを引き起こします。
床や畳での生活が当たり前の日本人はその他にもさまざまな座り方の習慣がO脚の要因になっています。
男性に多いあぐらは股関節が広がりガニ股を引き起こし、小中学生の時当たり前に行われていた体育座りは骨盤を後傾させます。
女性では、横座り(お姉さん座り)や正座が潰れ両ひざが左右に広がったペタンコ座りと言われる座り方など、骨盤や足首膝など骨格の歪みを引き起こします。
歩き方
さかのぼると着物を着る文化もO脚を引き起こす要因です。
特に女性は、着物の裾がはだけねいように足は内股、歩幅は小さく歩きます。内股でなお且つ小股に歩くことで、股関節の稼働範囲は狭くなり内転筋は衰えO脚のリスクが上がります。
民族による違い
スタイルを考える上で人種による影響を考えないわけにはいきません。
足が長く真っ直ぐできれいな印象が強い欧米人は、元は狩猟民族でした。動物を追いかけて走り回って狩りをするため、足をより遠くに動かすために足が長くなり、ふくらはぎや太ももの筋肉が発達しました。
反対に日本人は元々農耕民族として大地に根付き田畑を耕して生活していました。
農耕民族は、森を切り開き田畑を耕すため、重心を下げ、腰を屈めて踏ん張る力、重い物を抱えて支える力などが必要になります。そのため狩猟民族に比べ下半身が強く、身体の重心が低くなる必要があるため狩猟民族より脚が短いのが特徴です。
このように民族による生活の差によって進化した骨格の違いは大きく、O脚は日本人として生きてきた特徴かもしれません。
O脚の原因
O脚になる要因が多かった昔と違い、現代人は椅子に座る生活を送っている人も多く、農作業している人も少ないです。しかし、それでも日本人にO脚が多いのはなぜでしょうか。
O脚の原因で多い以下の3つの理由から解説していきます。
- 姿勢
- 歩き方
- 筋力不足
O脚の原因は大きく分けてこの3つです。
1・姿勢
先ほどもお話ししましたが、普段の姿勢、特に座り方はO脚に大きな影響を与えます。
例えば、あぐらや体育座りは骨盤が後ろに倒れやすくなり、横座りやペタンコ座りは骨盤が傾いたり開いたりする原因になります。
椅子に座る姿勢では、背もたれに深くもたれかかったり、足を組んで座る姿勢は骨盤が歪みます。
最近多いのはパソコン作業の姿勢やスマートフォンを操作する姿勢、猫背などは身体の歪みを引き起こしO脚のリスクを高めます。
2・歩き方
これが1番の原因かもしれません。
よく、親子で歩き方や姿勢が似ていると言いませんか?
これは骨格の特徴が似ているため身体の使い方が似るというのもあるのですが、視覚的影響が大きく関わっています。
赤ちゃんはどのようにして歩くことを覚えると思いますか?それは、近くにいる大人の歩き方を見よう見まねで真似して覚えるのです。
きっとほとんどの人は歩き方を誰かに教わった覚えはないはずです。
親に歩き方が似ているのはまさに無意識のうちにこうして親の動きを学習しているためです。
日本人の8割がO脚というのはこうしたO脚の連鎖が原因かもしれません。
3・筋力不足
現代人は運動不足な人が多く、足の筋力も衰えがちです。
立ちっぱなしの仕事や、座っている時間が長いデスクワークや学校の授業、大人になると運動する習慣がないなど、足の筋力は弱っていく一方です。
加齢や運動不足で体幹が弱くなると、身体の真ん中の筋肉が弱くなり身体の外側の筋肉で身体を支えようとします。
例えば、体幹が弱い幼い子どもや老人の歩き方は身体が左右に大きく揺れるような歩き方をしています。
これは内転筋という太ももの内側にある筋肉が弱いために足を前後に蹴って歩くことができず、歩くたびに身体が左右に揺れてしまうのです。
また、骨盤を動かしているのも筋肉です。骨盤の筋力が弱くなると股関節が開きっぱなしになりガニ股になります。
そもそもO脚はダメなの?
オシャレを気にする人以外、O脚だからって何がいけないの?と思いませんか?
動くことに問題がなく、痛みが無ければO脚は身体に害がないのでは・・・と感じますよね。
しかし、O脚は見た目の問題だけではありません。
将来の健康を考えるとO脚を放置することはデメリットが大きいです。。
O脚のデメリット
- 膝の軟骨がすり減りやすく「変形性膝関節症」の原因になる
- 「足底筋膜炎」や「外反母趾」の原因になる
- 足の筋肉を正しく使えていないため疲れやすい
- 骨盤が歪んでいるため腰痛や肩こりを起こしやすい
- むくみやすいく冷え症の原因になる
- すねや太ももお尻に脂肪が付きやすく足が太く見えるなど、見た目に悪い
自覚症状が特に無くても、O脚を引き起こしている原因は身体の歪みです。
そのため、今痛みが無くてもO脚を放置することで将来的に関節や筋肉に炎症や腫れを引き起こす可能性があります。
一見、関係ないと考えられがちですが、腰痛や肩こりなどの日常的な疲労による症状もO脚による身体の歪みが関係しているケースが多いです。
O脚を自分で治すことはできるのか?
生まれつきの骨格の問題や病気による関節の問題が無ければ、日常生活からくるO脚は根気よくコツコツ原因を取り除くことで改善することができます。
しかしながら、痛みなどの症状が特にないO脚の改善は頭で考えるほど簡単なものではありません。
痛みなどの自覚症状が特に無い人の身体を変えることはとても難しいです。
まずは、小指側にある重心を親指側に移動させなければなりません。
他にも、股関節、骨盤、スネ、足首など、O脚の原因となる要素を1つ1つ改善していく必要があります。
骨格矯正には限界がある
『骨盤矯正』や『O脚矯正』などをうたっている施術所はたくさんあります。
実際、当院でもやっています。
しかし、矯正をしたからといってO脚がすぐに改善する!と言うものではないことを知っていただきたいです。
矯正はあくまでも補助であって、自分自身の意識の変化と努力が5割以上を占めると考えていただきたいです。
なぜかというと、あなたの身体を動かしているのはあなた自身だからです。
一歩の踏み出し方、立ち方、歩き方、座り方、それらの全ての動きを決定しているのはあなた自身です。
O脚を改善するためには、それらの日常的な動きを意識して変化させていかなければならないのです。
O脚を改善するために自分がしなければならないこと
- 重心を小指側から親指側にする
- 足裏の筋肉をよく使う、ほぐす
- 股関節を大きく動かして柔軟性を上げる
- 内転筋(太ももの内側)を鍛える
- 太ももの前側、後ろ側の筋肉を伸ばす、ほぐす
- お尻の筋肉をよく伸ばす、鍛える
- 足首の動きをグルグルと動かし柔軟性を上げる
O脚の人は足の筋肉をバランスよく使えていないことが多く、足の筋肉が硬いです。
いきなり筋トレをやってしまうとバランスが悪い状態にさらに負荷がかかってしまうため、まずはしっかり伸ばして硬くなっている筋肉を柔らかくしましょう。
特に股関節が硬い人が多いです。股関節の左右の動き、前後の動きを意識して動かしましょう。
鍼灸整骨院かまたきでO脚を改善する
先ほどもお伝えしましたが、O脚の改善には半分以上自助努力が必要です。
しかし、自分で何とかするにもまずはじめに専門家を頼ってください。
専門家は、姿勢の癖や骨格のズレ、疲労具合や、最適な改善プランを提供することができます。
身体のことをなにもわからないまま自己流で行ってしまうと、効果が出ずらかったり、最悪身体を痛めてしまうこともあるかもしれません。
身体のことを客観的に診てもらうのは大切なことです。
鍼灸整骨院かまたきの施術
- 骨盤のズレ、股関節の動きを調整する
- 足首の歪みやズレを治す
- 硬すぎる筋肉や痛みのある場所は電気を使うこともある
- 硬すぎる筋肉には鍼灸を使うこともある
整骨院は骨と筋肉のスペシャリストです。
まずは全身をトータル的にみて、日頃行ってしまっている不良姿勢を知ってもらい、正しい姿勢をお伝えします。
整骨院は、筋肉の硬い場所をピンポイントで把握し、そこに繋がる筋肉などもトータル的にケアしていくため自分でやるより早く身体がほぐれます。
筋肉が柔らかくなると、筋トレの効果も出やすいです。
柔らかい筋肉は力が出やすく、よりシッカリと骨格を支えることができるため、骨格の歪みを防ぎます。