「最近背が縮んだかな?」と思う人!加齢とともに身長が縮む原因は?

  • 2025年5月29日
  • 2025年5月29日
  • 豆知識
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年齢を重ねるにつれ、私たちの体にはさまざまな変化が現れます。

その1つに『身長の縮むこと』があります。

身長の縮小は加齢に伴う自然減少なので、早い人では30歳代から始まり男女問わず誰にでも起こります。

身長の縮小に気が付いたら「老化のせい」と放置せずに、身長が縮小することで起きる身体のリスクを知ってきちんと対策していくことが大切です。

ここでは、身長が縮小する原因や、それに伴う身体的リスク、予防法などを解説していきます。

身長の低下は自然減少

身長の変動は若い人でも起こります。若い人でも朝と夜とでだいたい1~2㎝身長が変化すると言われています。

これは重力によるものと考えられており、日中の重力によって椎間板が圧迫されるため、夜の方が身長が縮小していると言われています。

これとは別に、自然現象として加齢によって身長が縮小します。

身長の縮小は男女ともに早い人で30歳頃から始まり、一般的には40歳代からの10年で平均約1㎝縮小すると言われています。そして、加齢とともに低下のスピードが増し、特に70歳以降はさらに加速します。

80歳の男女で見ると男性約5㎝女性約8㎝身長が縮小していると言われています。

加齢により身長が縮小する主な原因は次の通りです。

身長が縮む原因

①水分量の低下

加齢による水分の減少により、背骨にある椎間板(骨と骨の間にあるクッションの働きをしているもの)の水分量も減少し、厚みが薄くなるので身長が縮小します。

②筋力の低下

腹筋や背筋など姿勢を支える筋肉の力が弱くなると骨盤や脊椎を支えきれなくなります。その結果、身体を真っすぐ伸ばすことが難しくなり、身長が縮小したようになります。

③不良姿勢

日常的に不良姿勢でいる時間が長くなると、骨格が歪み、それにつられて筋肉も縮むことで猫背や前かがみ(背中が丸くなる)の姿勢が定着してしまいます。若いうちは筋肉が柔らかいため伸ばすことができますが、加齢により筋肉の力が弱くなってくると実際に身長が縮小したようになります。

④骨密度の低下

骨密度が低下して骨が弱くなると、姿勢を支えている背骨(椎体)の圧迫骨折が起こり、骨の高さが低くなり身長が縮小することがあります。

特に女性は閉経後のホルモンバランスの変化により骨粗しょう症になりやすいため、同じ年齢の男性に比べて身長の縮小が進みやすいとされています。

⑤ホルモン分泌量の変化

特に閉経前後の女性は、女性ホルモンの急激に低下により身体的、精神的変化が訪れやすい時期です。

女性ホルモンの低下により急激に骨や筋肉が弱くなり、身長の縮小が進むことが考えられます。

男性にも更年期障害はあります。女性ほど多くはありませんが、男性ホルモンの減少により筋力の衰えや、やる気の低下などが起こる中の1つに、身長の縮小があります。

身長が縮むことで起きる身体のリスク

1・骨粗しょう症のリスクが高くなる

骨粗しょう症になることで、身体全体のバランスが悪くなります。中でも股関節が硬くなったり、筋力が低下することで歩行がスムーズにいかなくなり、転倒や骨折のリスクが高くなります。

また骨が脆くなることで自律神経のバランスも崩れやすくなるため、感情のコントロールが難しくなったりします。

25歳ころの自分と比較して2㎝以上身長が縮小したら骨粗しょう症のリスクが高まっているので注意しましょう。

特に4㎝以上縮小している場合は、骨密度検査やレントゲン検査など積極的に受けることを推奨しています。

骨密度の低下によって圧迫骨折を起こした場合、内臓も圧迫され健康上のトラブルが起こりやすくなります。

2・病気や死亡のリスクが高くなる

骨密度が低下し、歪んだ骨格を支えるために働く筋肉が凝り固まって筋肉の柔軟性が低下することで、血液の流れが悪くなります。それにより、内臓の働きが低下し新陳代謝が悪くなり、栄養不足になった身体は免疫力が下がり急速に衰弱していきます。これにより病気や死亡のリスクが高まります。

3・慢性痛などの症状に悩まされる

姿勢が悪いことや、日常的な疲労の蓄積、血行不良など複合的な症状が重なり身長の縮小が起こりますが、

それらの身体的負担は、腰痛や肩こり、頭痛などの慢性痛の原因にもなります。

予防と対策:日常生活でできること

身長の低下は誰しもに起こることですが、生活習慣の改善や運動によって身長低下のスピードを遅らせることができます。

  1. 筋力を維持する
  2. バランスの良い食事
  3. 正しい姿勢の習慣化
1・筋力を維持する

身長が縮むスピードを遅らせるには、筋肉が元気な状態を維持することです。

筋肉の役割は、骨格を支える・身体を動かす・血液が流れるためのポンプの役割を担うなど、健康を維持するためには欠かせない存在です。

特に背筋や腹筋を強化する運動は、体幹の安定性を高め、正しい姿勢を維持するために有効であるため、身長低下のスピードを緩やかにすることができます。

2・バランスの良い食事

骨の健康を維持するためには、カルシウム、ビタミンD、マグネシウムなどの栄養素が欠かせません。

乳製品、魚介類、緑黄色野菜などを積極的に摂取することで、骨密度の低下を抑えることが期待されます。また、十分なタンパク質摂取も筋肉の維持に重要です。

難しく考えずに、主食、汁物、おかずにはお肉や魚、野菜もしっかり摂るなど毎日いろいろなものをまんべんなく食べるように心がけましょう。

3・正しい姿勢の習慣化

長時間の同じ姿勢や猫背になりがちな生活習慣は、背骨に負担をかけるため骨が潰れるなどして、身長が縮む原因となります。

デスクワークが多い人は定期的に休憩を取り、身体をほぐすストレッチを取り入れましょう。

また、日常的に姿勢が悪い人は普段の姿勢を意識することが大切です。

正しい姿勢が分からなかったり、自分の姿勢がどうなっているか知りたい人はプロに相談してみると良いです。

鍼灸整骨院かまたきで行える身長が縮むことに対する施術

まずは、普段の姿勢をチェックします。

座り方や立ち方をみて、正しいきれいな姿勢を知ってもらいたいです。

最近の人は特にパソコンやスマートフォンを使用する時間が長いので首が前に出て背中が曲がっている姿勢の人が多いです。

何気なく取っている姿勢が不良姿勢であればそれを改善する必要があります。

そして、身長低下の原因になる筋肉の硬さや関節の硬さを取り除いていきます。

特に首肩周辺や背中の筋肉をほぐすことで背筋が伸ばしやすくなります。

筋肉の硬さを取りのぞきつつ、筋力トレーニングをしていく事で、正しいきれいな姿勢をキープすることができるようになります。

まとめ

加齢に伴う身長の低下は自然減少なので、あまり大事に捉える必要はありません。

しかし、数年で数センチも縮んでしまった場合は、身体に何らかのトラブルが起こっているサインかもしれないので少し気にしてあげましょう。

  • 腰痛などの痛みが慢性的になってきた
  • 筋力が衰えてきた自覚がある
  • 腰や背中が真っ直ぐに伸ばそうとしても伸びない、または、伸ばしにくい

以上のような症状がある場合にはすぐに対処することをお勧めします。

症状が進行してから対処しようとすると、改善するのにとても時間を要するだけでなく、筋肉や関節を動かす際、施術では痛みを伴うかもしれません。

おじいちゃんおばあちゃんになったらすべての人が腰や背中が曲がっているわけではありません。身長が多少縮んでも、背中が真っ直ぐピンッと伸びている方はたくさんいらっしゃいます。

「まだ自分は若いから関係ない」と思っている方は要注意です。

今の生活が10年20年後の身体を作っています。

若いうちからケアする意識を持つことが大切ですよ!

高齢者の生活の質と社会的側面

身長の縮小は、単に身体の変化だけでなく、心理面や社会生活にも影響を及ぼすことがあります。自身の姿が変わっていくことに対して、自己イメージが低下し、不安感やストレスが増すことがあるため、メンタルヘルスの観点からもケアが必要です。また、介護やリハビリといったサポート体制の整備も、本人のみならず家族や地域社会全体の安心感につながります。近年では、地域コミュニティによる健康教室や運動プログラムが各地で実施され、高齢者が互いに励まし合いながら健康を維持する取り組みが進められています。

科学と医療技術の進歩がもたらす未来

現代医学は、骨粗鬆症の予防や治療、加齢による身体の変化に対する理解を深めるために日々進歩を続けています。新たな治療法やリハビリテーション技術、そして再生医療の分野においても、脊椎や椎間板の劣化を遅らせるための研究が進められています。例えば、幹細胞治療や新しい骨再生材料の開発は、将来的に骨密度の改善や椎間板の再生を促す可能性があると期待されています。医療技術の進歩により、現在は不可避とされている身長縮小が、より健康的な加齢とともに乗り越えられる日が来るかもしれません。

結論

歳を重ねることによる身長の縮小は、自然な老化現象のひとつですが、その背後には骨や椎間板の変化、さらには生活習慣や栄養状態など、複数の要因が複雑に絡み合っています。日常生活における適度な運動、栄養管理、そして正しい姿勢の維持は、体の変化の進行を遅らせ、全体的な健康維持に寄与します。さらに、定期的な健康診断と医療機関での適切なフォローアップが、万が一の際の早期発見と治療に役立ちます。加齢とともに変わる身体の姿を受け入れつつも、前向きな生活習慣と科学の進歩により、健康な毎日を送るための選択肢は広がり続けているのです。

人は誰しも歳を取り、体は変化しますが、その変化と向き合う知識と工夫があれば、心身ともに豊かな老後を迎えることができるでしょう。今後も最新の研究や医療技術の進展に注目しつつ、日々の生活の中でできる予防策を取り入れ、笑顔あふれる健康な人生を目指していくことが大切です。

鍼灸整骨院かまたき