
「赤ちゃんにも生まれつき性格があるの?」
「いつもニコニコしている赤ちゃんは、将来も明るい性格になる?」
「よく泣く子とあまり泣かない子がいるのはなぜ?」
同じ月齢の赤ちゃんを見ていても、よく笑う子、人見知りしやすい子、活発に動く子、おとなしい子など、それぞれ違いがあります。
こうした乳児期からみられる反応や行動の個人差を考えるときに重要なのが「気質」です。
赤ちゃんの性格が出生時にすべて決まっているわけではありません。生まれ持った気質を土台としながら、成長、経験、周囲の人との関わりなど、さまざまな要素が影響し合って発達していきます。
この記事では、赤ちゃんの性格は生まれつきなのか、ニコニコよく笑う赤ちゃんにはどんな特徴があるのか、赤ちゃんにみられる気質の違い、好きな色と性格に関係があるのかについて解説します。
- 1 赤ちゃんの性格は生まれつき?
- 2 赤ちゃんの「気質」と「性格」は同じ?
- 3 赤ちゃんの性格・気質にはどんな違いがある?
- 4 ニコニコよく笑う赤ちゃんはどんな性格?
- 5 よく笑わない赤ちゃんは性格に問題がある?
- 6 人見知りする赤ちゃんは内向的な性格になる?
- 7 よく泣く赤ちゃんはどんな性格?
- 8 おとなしい赤ちゃんはどんな性格?
- 9 赤ちゃんの性格はいつ頃から分かる?
- 10 新生児にも性格の違いはある?
- 11 赤ちゃんの好きな色で性格は分かる?
- 12 赤ちゃんはいつから色が見える?
- 13 青い部屋にすると穏やかな性格になる?
- 14 赤ちゃんの性格は親の育て方で決まる?
- 15 ニコニコよく笑う子に育てる方法はある?
- 16 赤ちゃんの性格をほかの子と比べすぎない
- 17 よくある質問
- 18 まとめ
赤ちゃんの性格は生まれつき?
赤ちゃんには、生まれて間もない時期から反応の仕方に個人差があります。
例えば、刺激に対して強く反応する赤ちゃんもいれば、比較的穏やかな赤ちゃんもいます。
新しいものへ積極的に近づく子もいれば、慎重に様子を見る子もいます。
こうした比較的早い時期からみられる個人差を、心理学では「気質」と呼びます。
現在の気質研究では、感情、運動、注意などへの反応性や、自分の反応を調整する能力などにみられる個人差として捉えられています。PubMed Central (PMC)
ただし、「生まれたときによく泣くから大人になっても神経質」「赤ちゃんのころよく笑うから将来も明るい性格」と決まるわけではありません。
気質にはある程度の継続性がみられる一方、発達や環境との相互作用によって変化していきます。
そのため、赤ちゃんの現在の行動だけから将来の性格を決めつけないことが大切です。
赤ちゃんの「気質」と「性格」は同じ?
気質と性格は似た言葉ですが、まったく同じものとして考える必要はありません。
気質は、刺激に対する反応の強さ、活動性、感情の現れ方、注意や自己調整など、比較的早い時期からみられる個人差です。
一方、一般的にいう「性格」は、生まれ持った特徴だけではなく、その後の経験や周囲との関係なども含めて形成されていきます。
つまり、
生まれ持った気質+成長や経験+周囲との関わり
などが複雑に影響しながら、その子らしい特徴が発達していくと考える方が適切です。
「この子はこういう性格」と早い段階で固定して考えないようにしましょう。
赤ちゃんの性格・気質にはどんな違いがある?
赤ちゃんの気質を「○種類の性格」に完全に分類することはできません。
一方、研究ではいくつかの側面から乳児の気質が評価されています。
現在広く使われている考え方の一つでは、大きく「ポジティブな感情や積極性」「ネガティブな感情」「注意や自己調整に関係する能力」などの側面から気質を捉えます。PubMed Central (PMC)
日常生活では、次のような違いとして感じることがあります。
・よく笑い、周囲への反応が大きい
・活発に身体を動かす
・新しいものへ興味を示しやすい
・初めての人や場所を慎重に観察する
・刺激に敏感に反応する
・泣いた後に比較的落ち着きやすい
・一つのものをじっくり見る
ただし、これらは「良い性格」「悪い性格」を分けるものではありません。
よく泣く赤ちゃんが悪い性格なのでも、おとなしい赤ちゃんが良い性格なのでもありません。
それぞれの赤ちゃんに異なる反応の仕方があると考えましょう。
ニコニコよく笑う赤ちゃんはどんな性格?
いつもニコニコしている赤ちゃんを見ると、「この子は生まれつき明るい性格なのかな?」と思うかもしれません。
赤ちゃんの笑顔の多さには気質的な個人差が関係する可能性があります。
乳児の気質研究でも、笑顔や笑い、活動性、接近行動などはポジティブな感情や積極性に関連する特徴として評価されています。PubMed Central (PMC)
しかし、よく笑うという一つの特徴だけで将来の性格を予測することはできません。
赤ちゃんが笑うかどうかは、そのときの体調、眠気、空腹、相手との関係、周囲の刺激などによっても変わります。
「ニコニコするから将来は必ず社交的になる」と決めつける必要はありません。
今見せてくれている笑顔を、その子の現在の個性の一つとして受け止めるとよいでしょう。
よく笑わない赤ちゃんは性格に問題がある?
ほかの赤ちゃんと比べて笑顔が少ないと、「性格が暗いのでは?」と心配になる保護者もいるかもしれません。
しかし、笑顔が少ないという理由だけで性格に問題があるとは判断できません。
赤ちゃんによって反応の強さや表現の仕方には違いがあります。
また、月齢によってもコミュニケーションの発達は異なります。
大切なのは「ほかの赤ちゃんより笑うか」だけではなく、その子自身の発達を継続して見ていくことです。
発達について気になることがある場合には、乳幼児健診や小児科などで相談してください。
人見知りする赤ちゃんは内向的な性格になる?
人見知りが強い赤ちゃんを見ると、「大人になっても人付き合いが苦手になるのでは?」と心配することがあります。
しかし、人見知りだけから将来の性格を決めることはできません。
新しい人や状況に対する反応には気質的な個人差があります。
すぐに近づいていく子もいれば、最初は距離を置いて観察してから慣れていく子もいます。
慎重に反応すること自体を悪い特徴と考える必要はありません。
無理に知らない人へ抱かせたり、「人見知りを直さなければ」と急いだりせず、その子が慣れる時間を待ってあげることも大切です。
よく泣く赤ちゃんはどんな性格?
よく泣くことも、将来の性格をそのまま表しているわけではありません。
赤ちゃんは言葉で「お腹がすいた」「眠い」「暑い」「不快」と伝えられないため、泣くことで周囲へ知らせます。
また、刺激に対する反応の強さには個人差があります。
同じ刺激でも大きく泣く赤ちゃんもいれば、ほとんど反応しない赤ちゃんもいます。
その違いの一部には気質が関係する可能性がありますが、「よく泣く=わがまま」「神経質な性格」と決めつけないようにしましょう。
おとなしい赤ちゃんはどんな性格?
あまり泣かず、静かに過ごす時間が長い赤ちゃんもいます。
その姿を見て「将来もおとなしい性格になる」と考えるかもしれませんが、これも必ずしも一致するわけではありません。
月齢が上がり、身体を自由に動かせるようになったり、興味の対象が増えたりすることで行動の特徴が変化することもあります。
赤ちゃんの一時期だけを見て性格を固定しないことが大切です。
赤ちゃんの性格はいつ頃から分かる?
赤ちゃんには乳児期から気質の個人差がみられます。
ただし、「○か月になれば性格が完成する」という明確な時期があるわけではありません。
乳児期の気質にはある程度の安定性がみられる一方、成長とともに自己調整なども発達します。乳児期の気質研究でも、発達に伴う変化と一定の安定性の両方が報告されています。PubMed
昨日まで怖がっていたものに興味を示すようになったり、人見知りが強かった子が積極的になったりすることもあります。
性格を早く決めようとするより、成長による変化を見守ることが大切です。
新生児にも性格の違いはある?
新生児期から、刺激に対する反応や落ち着き方などに個人差はあります。
しかし、新生児期の行動だけを見て「明るい性格」「内向的な性格」などと判断することはできません。
乳児期は脳や身体が急速に発達する時期です。
成長とともに、注意、感情、運動、自己調整などにも変化が現れます。
新生児期に見られる特徴は、その子を理解する一つの手掛かりではありますが、将来の性格を決定するものではありません。
赤ちゃんの好きな色で性格は分かる?
「赤が好きな赤ちゃんは活発」「青が好きなら穏やか」など、好きな色から性格を判断する情報を見かけることがあります。
しかし、赤ちゃんが好む色だけから性格を判断できるという十分な科学的根拠はありません。
そのため、
赤が好き=活発
青が好き=冷静
黄色が好き=明るい
ピンクが好き=優しい
といった性格診断として使用するのはおすすめできません。
赤ちゃんがどの色をよく見るか、どのおもちゃに興味を示すかを観察すること自体は、親子の遊びとして楽しんで構いません。
ただし、それを性格診断にする必要はありません。
赤ちゃんはいつから色が見える?
「新生児は白黒の世界しか見えていない」と説明されることがありますが、現在の研究では、新生児でも一部の色を検出できることが分かっています。
ただし、大人と同じような色の見え方が最初から完成しているわけではありません。
出生後の数か月で色の識別能力は大きく発達し、生後6か月頃までには色を分類する能力なども発達していきます。PubMed Central (PMC)
そのため、赤ちゃんにさまざまな色のおもちゃや絵本を見せて楽しむことはできます。
ただし、特定の色を見せることで「明るい性格になる」「穏やかな性格になる」と考える必要はありません。
青い部屋にすると穏やかな性格になる?
現在の記事では、青は安心感、黄色は快活さ、ピンクは愛着形成など、色ごとに赤ちゃんの性格や感情への効果を割り当てていました。
この部分は削除します。
色が視覚的な刺激として赤ちゃんの注意や知覚に関係することと、特定の色によって将来の性格を作れることは別の話です。
「よく笑う子にしたいから黄色」「穏やかな子にしたいから青」というように、性格を目的として部屋や服の色を決める必要はありません。
安全性や過ごしやすさを優先したうえで、家族が好きな色を楽しんで構いません。
赤ちゃんの性格は親の育て方で決まる?
赤ちゃんの性格を「すべて生まれつき」と考えるのも、「すべて親の育て方で決まる」と考えるのも適切ではありません。
気質には生物学的な基盤がある一方、子どもは成長する過程でさまざまな経験をします。
また、赤ちゃんの気質によって周囲の大人の関わり方が変わることもあり、子どもと環境は一方向ではなく相互に影響します。気質研究でも、気質と環境の相互作用が重視されています。PubMed
大切なのは「理想の性格に変えること」ではなく、その子の反応の仕方を理解し、その子に合った関わり方を探していくことです。
ニコニコよく笑う子に育てる方法はある?
特定の色、玩具、育児方法によって「必ずよく笑う性格にできる」という方法はありません。
赤ちゃんが笑ってくれるとうれしいものですが、笑顔の多さを育児の成功・失敗の基準にする必要もありません。
赤ちゃんの反応を見ながら話しかけたり、一緒に遊んだり、抱っこしたり、その子が興味を示したものへ反応してあげたりするなど、日々のコミュニケーションを大切にしましょう。
そして、たくさん笑うことだけを目標にするのではなく、その子なりの感情表現を見守ることが大切です。
赤ちゃんの性格をほかの子と比べすぎない
「友達の赤ちゃんはいつもニコニコしている」
「うちの子は人見知りが激しい」
「ほかの子よりよく泣く」
と比較すると、不安になることがあります。
しかし、乳児期から気質には個人差があります。
世界59か国、8万件以上の親による報告を分析した2024年の研究でも、乳幼児・子どもの気質には複数の側面があり、文化などとの関係も検討されています。PubMed
「よく笑う=良い性格」「泣く=悪い性格」と評価するのではなく、その子自身の変化を見ていきましょう。
よくある質問
赤ちゃんの性格は生まれつきですか?
赤ちゃんには生まれて早い時期から気質の個人差があります。ただし、将来の性格が出生時にすべて決まっているわけではありません。生まれ持った特徴と、成長や経験、周囲との関わりなどが影響し合いながら発達していきます。
ニコニコよく笑う赤ちゃんは明るい性格になりますか?
笑顔の多さには気質的な個人差が関係する可能性がありますが、よく笑うことだけから将来の性格を決めることはできません。体調や月齢、周囲との関わりなどによっても赤ちゃんの反応は変化します。
よく笑わない赤ちゃんは性格に問題がありますか?
笑顔が少ないという理由だけで性格に問題があるとは判断できません。赤ちゃんによって感情の表し方や刺激への反応には個人差があります。
よく泣く赤ちゃんはどんな性格ですか?
よく泣くことだけから将来の性格を判断することはできません。空腹や眠気などのほか、刺激に対する反応の強さにも個人差があります。
赤ちゃんの性格はいつから分かりますか?
乳児期から気質の個人差はみられますが、何か月で性格が完成するという時期はありません。成長とともに反応や自己調整なども変化していきます。
赤ちゃんの性格にはどんな種類がありますか?
赤ちゃんを固定された性格の種類に完全に分類することはできません。研究では、ポジティブな感情や積極性、ネガティブな感情、注意や自己調整など複数の側面から気質を捉えます。
赤ちゃんの好きな色で性格は分かりますか?
赤ちゃんが好む色だけから性格を判断できるという十分な科学的根拠はありません。「赤が好きだから活発」「青が好きだから穏やか」といった性格診断として使うことはおすすめできません。
色によって赤ちゃんの性格を変えられますか?
特定の色を見せたり、服や部屋に使ったりすることで、赤ちゃんを明るい性格や穏やかな性格にできるという十分な根拠はありません。色は視覚的な刺激として楽しみ、性格形成とは分けて考えましょう。
まとめ
赤ちゃんには、生まれて早い時期から反応の仕方や感情の表し方などに個人差があります。こうした特徴を考えるうえで重要なのが「気質」です。
よく笑う、活発に動く、慎重に周囲を見る、よく泣くなど、赤ちゃんによって反応はさまざまです。
しかし、
「ニコニコしているから将来も社交的」
「よく泣くから神経質」
「青が好きだから穏やか」
「黄色を見せれば明るい性格になる」
と将来の性格を決めつけることはできません。
また、赤ちゃんの好きな色だけから性格を診断したり、特定の色によって理想の性格を作ろうとしたりする必要もありません。
その子がどんなことに興味を示すのか、どんなときに笑うのか、どんな刺激を嫌がるのかなどを見ながら、その子自身の成長を見守っていきましょう。

