肩こりは整体で治る?

  • 2025年10月20日
  • 2025年10月20日
  • 肩こり

肩こりは、男性の約6%、女性は男性の倍の約12%が自覚しており、日本人全体では約1700万人がその症状に悩まされていると言われています。

厚生労働省が行っている国民生活基礎調査で『辛いと自覚している症状』では、男性は腰痛に次ぐ第2位、女性は最も多い第1位と、もはや腰痛と並ぶ『国民病』と言える症状です。

しかし、これほど多くの人が経験して辛いと感じている症状にも関わらず、医療機関や専門機関を受診する人は少なく、ほとんどの人がその症状を放置しているのが現状です。

放置してしまう理由に、「一時的症状と思っている」「忙しい」「無理がきく」などの理由があげられ、多くの人が、『積極的に対処すべき症状ではない』と自己判断してしまっている実態があります。

なぜ、肩こりは起こるのか?

『肩こり』というものは、病気やケガではなければ、どこかにぶつけたり誰かに叩かれたりして発生するものでもありません。『肩こり』は、いつのころからか自然に発生し、はっきりとした原因がわからないまま、良くなったり悪くなったりを繰り返し、どんどん進行していく症状です。

肩こりが起こる原因を簡単に説明すると、肩周辺の筋肉の疲労です。

肩にかかる負担が大きい、または、肩にかかる負担の蓄積によって肩周辺の筋肉が疲労し緊張して硬くなります。

筋肉が硬くなると、その中を通っている血管が圧迫され血液の流が悪くなります。血液は新鮮な酸素や栄養を全身に運ぶことで、細胞の再生を助け、疲労物質を押し流す働きをしています。

しかし、圧迫によって血液の流れが悪くなった筋肉は、細胞の再生も遅く、疲労物質も溜まっています。その疲労物質が肩周辺の筋肉に蓄積され、炎症が起こり『肩こり』が発生します。

特に肩に負担をかけている自覚がない人も要注意

重い荷物を持ったり、力仕事をしたりするだけが負担なわけではありません。

負担は、日常生活の何気ない動作でも発生しています。

肩こりが発生しやすい人の特徴
  • 普段から身体を動かす機会が少ない人
  • 筋肉量が少ない人
  • 冷え性の人
  • 猫背・巻き肩・反り腰など、骨格が歪んでいる人
  • 日常的に姿勢が悪い人
  • パソコンやスマートフォンなどを操作する時間が長い人
  • 本を読む習慣がある人
  • 細かい作業などで目を酷使する人
  • 眠りが浅い人、睡眠時間が短い人
  • ストレスがある人  など

このように、日常生活の些細なことが肩に負担をかけ、軽微な負担が積み重なることで『肩こり』が発生します。

肩こりはマッサージだけでは治りません!

肩を揉ん叩いたりすることで、その場では一時的に症状が改善しても、根本的に肩こりが解消することはありません。

なぜ肩こりが発生してしまったのか、肩こりの原因を根本から解消しなければ、その肩こりは何度も繰り返し、一生付き合っていくことになります。

例えば『肩こり』を『雑草』に捉えて考えると、厄介な雑草を駆除したいとき、土の上の雑草を刈り取っても根っこが残っていればまたすぐに雑草は生えてきてしまいます。根っこがある限り何度も何度も雑草は生えます。
雑草が2度と生えないようにするには根っこそのものを抜かなければなりません。
肩こりもこれと同じです。肩こりの発生する原因を元から改善しなければ肩こりは治りません。

肩こりを根本から改善するためにやるべきこと

  1. 日常生活を見直す
  2. 正しい姿勢を知る
  3. 筋肉を付ける
  4. 筋肉を柔らかくする
1・日常生活を見直す

身体の不調の原因は、元をたどるとそのほとんどが日頃何気なく行っている生活の中にあります。

目を酷使することが多い、睡眠時間が短い、偏った栄養バランス、運動習慣がない、冷えやすい習慣がある、歪みが起こりやす姿勢をとることが多いなど、身体に悪いことがたくさん見つかります。

こうした、日頃の習慣を少しだけ見直すことで筋肉にかかる負担を軽減させることができます。

  • パソコンやスマートフォン使用の際は長時間連続して画面を注視しないように気を付ける。
  • 睡眠はなるべく日を跨がないうちに!できれば6時間以上の睡眠時間を確保する。
  • 『運動習慣』なんて難しく考えずに、なるべく歩いたり動いたりする。ながら運動でOK!
  • 同じ姿勢を長時間とり続けない。1時間に1回は身体を伸ばしたりブラブラ筋肉を動かそう。
  • 出来るだけ毎日湯船に浸かる!翌日に疲労を持ち越さない。
  • 炭水化物のみでお腹を満たさない!野菜やお肉、魚などなんでも積極的に摂る。
2・正しい姿勢を知る

自分の姿勢をチェックしたことがありますか?

自分が普段どんな姿勢をしているのかは意外と知らないものです。そして、普段の姿勢が身体にとって正しいのか、負担がかかっているのかは分からないものです。

肩が凝りやすい人は、肩に負担がかかりやすい姿勢や動きを普段から行ってしまっています。同じように、腰が痛い人、膝が痛い人、股関節が痛い人など、それぞれがその部分に負担がかかりやすい姿勢や動きをしています。

姿勢が歪んでいると、それだけで筋肉に負担がかかりやすくコリや痛みが発生しやすくなります。自分の姿勢の癖を知り普段の姿勢を正しい姿勢に見直すことで筋肉へかかる負担は小さくなります。

特に現代人は、パソコンやスマートフォンを操作するときの姿勢が身体に負担をかけているケースが多いです。この場合の姿勢は首が前に突き出ているため、首と肩に非常に大きな負担がかかっています。また、猫背や巻き肩の原因でもあるため注意しなければなりません。

自己流の姿勢矯正はおすすめしません。肩に力が入り過ぎたり反り腰になってしまうこともあります。自分に合った正しい姿勢をきちんと知りたい場合は整骨院のような『身体のプロ』に診てもらうことをおすすめします。

3・筋肉を付ける

肩こりは男性に比べ女性に圧倒的に多いです。その理由は、『筋肉の強さ』です。

肩は、重い頭と稼働範囲の広い腕を支える重要な筋肉なので、『丈夫さ』と『しなやかさ』の2つの働きを兼ねそろえることが重要です。しかし、一般的な女性の筋肉は、男性の筋肉に比べ少なく弱いため、どうしても負担がかかりやすいです。

ボディビルダーのような大きな筋肉は必要ありませんが、ある程度自分の骨格を支えられるだけの筋肉は付けておく必要があります。

肩こりの人が意識して鍛えて欲しい筋肉は、背中の筋肉です。鍛えると言っても難しく考えなくても大丈夫です。お腹に力を入れて真っすぐな姿勢をキープするだけでいいです。意識しなければなかなか真っすぐな姿勢は出来ていないものです。ふとした時、5分でもいいので背筋を正して背中の筋肉を使うことで徐々にその状態が当たり前になっていき、自然と必要な筋肉がついてきます。

4・筋肉を柔らかくする

『身体が柔らかい』ことと『筋肉が柔らかい』ことは違います。

身体が柔らかい人は、靭帯の柔軟性が高い人です。靭帯とは骨と骨とをつなぐ結合組織で関節にくっついています。靭帯は、関節のぐらつきを防ぎ、関節の正常な稼働範囲を決め過度な動きを抑制し、関節の安定性を保つ役割りをしています。

一方ここで言う筋肉は、『骨格筋』を指し、骨格を覆い伸び縮みすることで身体を動かす筋肉です。

筋肉にはポンプのような働きがあり、伸び縮みすることで疲労を押し流す働きをしています。しかし筋肉が硬いとポンプが正常に働かいないため老廃物が蓄積されてしまいます。蓄積された老廃物はやがて炎症を起こしコリや痛みを発生させます。

筋肉は、温かい方が柔らかく働きが良いです。筋肉が硬くならないようにするには、身体を冷やさないのが基本です。そのため、筋肉を柔らかくするためのストレッチは、お風呂上りなど筋肉が温まっているときに行った方が筋肉に負担がかかりません。

肩こり改善のために意識してほぐしたい筋肉は、肩甲骨周辺の筋肉です。背中が硬いことでどんどん姿勢が悪くなり、首や肩に負担がかかってくるので、背筋をまっすぐに伸ばしてきれいな姿勢を保つために、大きい筋肉を意識して柔らかくすることで、周辺の筋肉も一緒にほぐれていきます。

気が付いたときに、肩を大きく前後に回す、肩を上下に動かす、後ろで手を組んで肩甲骨を近づけるなどの動きで筋肉をほぐしていきましょう。

鍼灸整骨院かまたきの肩こり改善整体

一言で『肩こり』と言っても、そうなるまでの歴史は人それぞれ異なるため、症状や状態に合わせて施術していきます。また、肩こりの症状を改善させつつ、日常生活に潜んでいる肩こりの原因も一緒に改善していきます。

肩こり改善までの3ステップ

  1. 筋肉をほぐす
  2. 姿勢や癖など、日常生活にある原因を改善する
  3. 骨格を支える筋肉を鍛える

施術

肩こりが酷い人や症状が慢性化している場合、肩だけを診てもなかなか症状は改善しません。

鍼灸整骨かまたきでは、肩こりを全身症状と捉えて、肩以外の場所も同時にアプローチしていきます。

例えば、パソコンやスマートフォンを使用する姿勢で負担がかかる首の前側や、肩にぶら下がる形に付いている腕、肩と連動して動く背中の筋肉、全身の要である腰などです。

施術方法

  1. 手技療法
  2. 鍼治療
  3. 電気療法
  4. 運動療法
1・手技療法

手技療法は、施術家の考え方や技術によってかなり差が出ます。「以前、整骨院で揉んでもらったけど全然よくならなかった」という話はよく聞きますが、施術家によって効果が違うので一概にダメとあきらめないでください。

2・鍼治療

コリが酷い場所や、痛みが強い場所、慢性的な肩こりの人には、より深部まで刺激できる鍼治療がおすすめです。しかし、鍼は効果は高い一方、少しでも怖いという恐怖心があると、筋肉が硬くなって刺すときに痛みを感じやすくなってしまうためお勧めしません。

少しでも鍼に興味がある方は、試し刺しもしますのでご相談ください。

3・電気療法

痛みが強い時や、痛めてすぐの時は電気療法がおすすめです。電気には色々な種類があるので症状に併せた電気を選択して使用します。

【マイクロカレント】
人の身体の中に流れている生体電流と同じようなレベルの微弱電流を流すことで、筋肉の炎症を抑え、組織の修復を促進させます。刺激はほとんどないため、急性の痛みや筋肉のコンディションケアに適しています。

【ハイボルテージ】
痛みの伝達を素早く遮断し、痛みを感じさせなくする鎮痛効果が狙えます。
交感神経の興奮を抑え、自律神経のバランスを整えます。急性の痛みに対して即効性があるものの持続はやや短いので、日を空けずに集中してケアを続けることが大切です。

【超音波】
筋肉の緊張を緩和し、筋肉の深部で滞った血流を促進させます。
温熱効果により患部を温め全身の血行を促進させるため、慢性的な症状や根強いコリや痛みに効果が期待できます。また、コリの元となる老廃物の排出を促す効果もあります。

4・運動療法

動かしにくい筋肉や関節を動かす訓練を行っていきます。あまり痛みの強い運動やストレッチでは、身体に余計な負担がかかってしまうため、様子をみながら行っていきます。

痛みが落ち着いてきたら、自宅でも手軽に行える運動も指導していきます。

まとめ

なかなか治らない肩こりは全身症状と考えて、日常生活から見直す必要があります。

症状が長くときや、自分で対策を取ってもなかなか改善しない場合は、病気が隠れている場合もあるので放置せずに医療機関を受診するようにしましょう。

ほとんどの場合、レントゲンやCTなどの画像検査ではこれといった原因が見つかりません。なので、多くの辛い肩こりの原因は、筋肉の硬さによるものになります。

筋肉の症状は整骨院が得意分野ですので、長引く肩こりでお悩みの場合はぜひご相談ください。