
歯ぎしりや食いしばりがひどく、「精神安定剤を飲めば治るの?」「リボトリールは歯ぎしりに使う?」「食いしばりに効く薬はある?」と調べている方もいるのではないでしょうか。
睡眠中の歯ぎしりや無意識の食いしばりに対して、薬物療法が検討されることはあります。しかし、精神安定剤や筋弛緩薬を飲めば歯ぎしりが根本的に治るというものではなく、薬によっては眠気やふらつき、依存などにも注意が必要です。
また、リボトリール(クロナゼパム)について検索する人も多いですが、日本では抗てんかん剤として承認されている薬であり、歯ぎしりのために自己判断で使用する薬ではありません。
ここでは、食いしばり・歯ぎしりに対する薬物療法、リボトリール、精神安定剤、ボツリヌス毒素注射などについて解説します。
食いしばり・歯ぎしりとは?
歯ぎしりや食いしばりは「ブラキシズム」と呼ばれ、睡眠中に起こるものだけでなく、起きているときに無意識に上下の歯を接触させたり、強く噛みしめたりするものもあります。
睡眠時ブラキシズムでは、寝ている間に歯をこすり合わせたり噛みしめたりするため、本人が気づいていないこともあります。
朝起きたときに顎が疲れている、咬筋がだるい、家族から歯ぎしりを指摘された、歯の摩耗や欠けがあるなどをきっかけに気づく場合があります。
ただし、顎の痛みや頭痛、歯の違和感などがすべてブラキシズムによるものとは限りません。症状が続く場合には歯科医院などで状態を確認することが大切です。
食いしばりに精神安定剤を使うことはある?
食いしばりや睡眠時ブラキシズムについて、ベンゾジアゼピン系薬などの薬剤が研究されたことはあります。
しかし、「食いしばりには精神安定剤を飲めばよい」という単純な治療ではありません。
薬によっては眠気、ふらつき、注意力の低下などが起こる可能性があり、ベンゾジアゼピン受容体作動薬では依存や離脱症状にも注意が必要です。
そのため、食いしばりを自覚したからといって、家に残っている精神安定剤を飲んだり、他人に処方された薬を使用したりしてはいけません。
まず歯科医院などで歯や顎の状態を確認し、必要に応じて治療方法を検討します。
リボトリールは歯ぎしりに使われる?
「リボトリール 歯ぎしり」と検索して、このページを見ている方もいると思います。
リボトリールは「クロナゼパム」という成分を含む処方薬です。
クロナゼパムについて睡眠時ブラキシズムへの影響を調べた研究はありますが、日本で販売されているリボトリールは抗てんかん剤として承認されている薬です。
そのため、「リボトリールは歯ぎしりを治す薬」と考えたり、インターネット上の情報だけを参考に服用量を判断したりすることは避けてください。
使用するかどうかは、その人の病気、服用している薬、年齢なども含めて医師が判断します。
リボトリールは痛み止め?
「リボトリール 痛み止め」という検索も多くありますが、リボトリールはいわゆる一般的な鎮痛薬ではありません。
ロキソプロフェンやアセトアミノフェンなどの鎮痛薬とは種類も作用も異なります。
クロナゼパムは抗てんかん剤として使用される薬で、自己判断で「顎が痛いから痛み止めとして飲む」といった使い方をする薬ではありません。
顎の痛みがある場合には、食いしばりだけでなく顎関節や歯などが関係している可能性もあるため、原因を確認することが重要です。
リボトリールにはどんな副作用がある?
リボトリールなどクロナゼパム製剤を使用するときには、眠気やふらつきなどに注意する必要があります。
また、連用によって薬物依存が生じることがあり、長期間使用している場合に急に減量したり中止したりすると、離脱症状が現れることがあります。
そのため、現在リボトリールを服用している人が、歯ぎしりが改善した、効果を感じない、副作用が気になるなどの理由で自己判断で服用量を増減したり中止したりすることは避けてください。
変更したい場合には処方した医師へ相談しましょう。
食いしばりに使われる薬はある?
睡眠時ブラキシズムについては、これまでさまざまな薬剤が研究されています。
ただし、薬によって歯ぎしりを完全に止めたり、原因そのものを取り除いたりできるとは限りません。
また、「筋肉が硬いから筋弛緩薬を飲めば治る」「ストレスがあるから精神安定剤を飲めば治る」と単純に判断できるものでもありません。
薬物療法を検討する場合には、症状だけでなく持病、他の薬との併用、睡眠の状態なども含めて医師が判断します。
特に処方薬には副作用や相互作用があるため、薬の名前だけを見て自己判断で使用することは避けてください。
食いしばりとストレスには関係がある?
ストレスや精神的な緊張があると「食いしばりの原因はストレスだから精神安定剤を飲めばよい」と考えてしまうかもしれません。
しかし、ブラキシズムは一つの原因だけで説明できるとは限りません。
また、ストレスを感じているからといって必ず歯ぎしりが起こるわけでもありません。
起きているときに無意識に歯を接触させる癖がある場合には、まず自分がいつ食いしばっているのかに気づき、必要以上に歯を接触させないよう意識する方法が検討されることもあります。
一方、睡眠中の歯ぎしりは本人の意思だけで止めることが難しいため、歯や顎への影響がある場合には歯科医院へ相談しましょう。
食いしばりの治療ではマウスピースを使うこともある
睡眠中の歯ぎしりによって歯への負担が問題になっている場合、歯科医院でマウスピースなどの口腔内装置が検討されることがあります。
マウスピースは「歯ぎしりそのものを完全に治す装置」とは限りませんが、歯への負担を減らす目的などで使用されます。
市販品ではなく、その人の歯や噛み合わせの状態に合わせた装置が必要になる場合もあるため、歯科医師へ相談してください。
食いしばりにボトックス注射をすることはある?
食いしばりについて調べていると「エラボトックス」「咬筋ボトックス」などを見かけることがあります。
これはボツリヌス毒素製剤を咬筋などに注射し、筋肉の活動を弱める方法です。
咬筋の活動を低下させることで、噛みしめる力や顎周辺の症状に変化がみられる場合があります。
ただし、食いしばりや睡眠時ブラキシズムに対して誰にでも必要な治療ではありません。
使用する製剤、投与部位や量、適応、副作用などを含め、医師・歯科医師による適切な診察が必要です。
ボトックスを打てば食いしばりは治る?
ボツリヌス毒素注射によって咬筋の活動が低下しても、「食いしばりを起こす原因そのものがなくなった」とは限りません。
また、効果は永久に続くものではありません。
そのため「一度注射をすれば食いしばりが完全に治る」「定期的に打ち続ければ必ず治る」と考えるのは避けた方がよいでしょう。
メリットだけでなく、噛む力への影響やその他の副作用、費用などについて説明を受けたうえで判断する必要があります。
ボトックス注射と薬物療法はどちらがいい?
どちらが優れていると一律に決めることはできません。
食いしばりの状態、歯や顎への影響、現在服用している薬、持病などによって考え方が異なるためです。
また、薬物療法やボツリヌス毒素注射だけでなく、口腔内装置、日中の食いしばりへの行動的な対応などが検討される場合もあります。
まず歯科医院などで状態を確認し、自分に必要な対応を相談することが重要です。
食いしばりで顎の筋肉が疲れている場合
食いしばりがある人の中には、顎周辺の筋肉の疲れやこわばりを感じる人もいます。
特に咬筋や側頭部などに「張っている感じがする」「朝起きると顎が疲れている」と感じることがあります。
ただし、顎が痛いからといってすべて食いしばりが原因とは限りません。
口が開きにくい、顎関節から音がする、噛むと強く痛む、歯そのものが痛いなどの場合には、歯科医院や口腔外科などで確認してください。
鍼灸整骨院でできること
鍼灸整骨院では、食いしばりそのものを薬で治療したり、ボツリヌス毒素注射を行ったりすることはできません。
一方、食いしばりがある人が、咬筋や側頭部、首・肩などに筋肉のこわばりや疲れを感じている場合には、その状態を確認したうえで鍼や手技による施術を行うことがあります。
鍼灸整骨院かまたきでは、顔周辺の筋肉の状態を確認して必要な部位へ鍼を行う「顔はり」も行っています。
食いしばりの場合には、顎周辺だけでなく側頭部などの状態も確認します。
ただし、歯や顎関節の病気を診断するものではありません。歯の痛み、顎関節の強い痛み、口が開きにくいなどの症状がある場合には、まず歯科医院や口腔外科などで原因を確認してください。
よくある質問
食いしばりに精神安定剤は使われますか?
睡眠時ブラキシズムについてベンゾジアゼピン系薬などが研究されたことはありますが、食いしばりがあるから精神安定剤を飲めばよいというものではありません。副作用や依存などにも注意が必要なため、薬を使用するかどうかは医師が判断します。
リボトリールは歯ぎしりの薬ですか?
リボトリールの成分であるクロナゼパムについて睡眠時ブラキシズムへの影響を調べた研究はありますが、日本のリボトリールは抗てんかん剤として承認されている薬です。歯ぎしりのために自己判断で使用する薬ではありません。
リボトリールは痛み止めですか?
リボトリールはいわゆる一般的な鎮痛薬ではありません。クロナゼパムを成分とする抗てんかん剤であり、顎が痛いからといって自己判断で痛み止めとして使用する薬ではありません。
リボトリールを急にやめても大丈夫ですか?
連用している場合、急激な減量や中止によって離脱症状が現れることがあります。現在服用している方は自己判断で中止せず、処方した医師に相談してください。
食いしばりにボトックス注射は効果がありますか?
ボツリヌス毒素製剤を咬筋などに注射することで筋活動が低下し、噛みしめる力や顎周辺の症状に変化がみられる場合があります。ただし、誰にでも必要な治療ではなく、効果も永久に続くものではありません。適応や副作用を含めて医師・歯科医師に相談する必要があります。
食いしばりは薬だけで治りますか?
薬物療法だけで食いしばりの原因そのものがなくなるとは限りません。歯や顎への影響などを確認し、必要に応じて口腔内装置や日中の食いしばりへの対応などを検討します。
食いしばりは何科に相談すればいいですか?
歯ぎしりや食いしばりによる歯の摩耗、顎の痛み、口の開けにくさなどがある場合には、まず歯科医院で相談するのが一般的です。症状によっては口腔外科などで詳しい検査が必要になることもあります。
まとめ
食いしばりや歯ぎしりについて、精神安定剤、リボトリール、筋弛緩薬などの薬を検索する人は少なくありません。
しかし、食いしばりがあるからといって精神安定剤を自己判断で使用するものではなく、薬物療法にも副作用や依存などの注意点があります。
特にリボトリールは一般的な痛み止めではなく、日本では抗てんかん剤として承認されている処方薬です。
また、ボツリヌス毒素注射によって咬筋の活動を低下させる方法もありますが、すべての人に適しているわけではなく、効果も永久的なものではありません。
歯ぎしりや食いしばりで悩んでいる場合には、まず歯や顎の状態を歯科医院で確認し、そのうえで自分に合った対応を相談しましょう。

