
「最近ずっと眠い」「寝ても疲れが取れない」「頭がぼーっとして仕事に集中できない」このような症状があると、睡眠不足が原因なのではないかと考える方も多いでしょう。
睡眠不足が続くと、日中の眠気だけでなく、集中力や注意力の低下、疲労感、気分の変化など、身体と心のさまざまな部分に影響が出ることがあります。
また、慢性的に睡眠時間が不足している状態は、高血圧、糖尿病、肥満、心血管疾患、うつ病など複数の健康問題との関連も報告されています。
この記事では、睡眠不足で起こりやすい症状、寝不足が続くと身体にどのような影響があるのか、慢性的な睡眠不足のリスク、睡眠不足による症状を改善するためにできること、病院へ相談した方がよい状態まで解説します。
睡眠不足で起こる主な症状
睡眠不足になると「眠い」だけではなく、日中のさまざまな場面に影響が出ることがあります。
代表的なのは、日中の強い眠気、疲労感・だるさ、集中力の低下、注意力の低下、判断力の低下、記憶力の低下、イライラする、気分が落ち込みやすい、頭痛などです。
症状の出方には個人差があります。
「自分は寝不足に強い」と感じていても、注意力や判断力などが低下している可能性があるため、慢性的な睡眠不足をそのままにしないことが大切です。
寝不足が続くとどうなる?
一晩だけ睡眠時間が短かった場合と、睡眠不足が何週間・何か月も続いている場合では考え方が異なります。
短期的な睡眠不足では、眠気、疲労感、集中力や注意力の低下などが問題になりやすくなります。
一方、慢性的に睡眠時間が不足している状態は、肥満、高血圧、糖尿病、心疾患、脳血管疾患、うつ病などの発症リスク上昇との関連が報告されています。
ただし、「睡眠不足になったら必ずこれらの病気になる」という意味ではありません。
睡眠時間は健康に関係する要素の一つであり、食事、運動、喫煙、飲酒、ストレス、持病などさまざまな要因が健康状態に影響します。厚生労働省も、極端に短い睡眠時間と複数の健康リスクとの関連を示しています。厚生労働省
睡眠不足による身体への影響
睡眠は身体と脳を休ませ、健康を維持するために重要です。
十分な睡眠が取れていない状態が続くと、日中の疲労感が強くなったり、身体を動かすことがおっくうになったりすることがあります。
また、慢性的な短時間睡眠は、肥満、高血圧、糖尿病、心血管疾患などとの関連が報告されています。厚生労働省
睡眠だけですべての健康状態が決まるわけではありませんが、食事や運動と同じように健康管理の重要な要素として考える必要があります。
睡眠不足で頭痛が起こることはある?
睡眠不足や睡眠リズムの変化が頭痛に関係することがあります。
一方で、頭痛には片頭痛、緊張型頭痛などさまざまな種類があり、すべての頭痛を「寝不足だから」と判断することはできません。
突然経験したことのない激しい頭痛が出た、手足の麻痺や言葉が出にくいなどの症状を伴う、意識状態がおかしいといった場合には、睡眠不足のせいだと考えず速やかに医療機関を受診してください。
睡眠不足でだるい・疲れが取れないことはある?
睡眠時間が足りなかった翌日に「身体がだるい」「疲れが取れていない」と感じることはあります。
しかし、十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず毎朝疲れている場合には、単純な睡眠時間不足とは限りません。
睡眠の質が低下していたり、睡眠時無呼吸などの睡眠障害が隠れていたりする可能性もあります。
厚生労働省も、十分な時間眠れない、眠っても休養感がない、日中の眠気が強いといった症状が続く場合には、睡眠障害が潜んでいる可能性があるとして医療機関への相談を勧めています。厚生労働省
睡眠不足で集中力や判断力は低下する?
睡眠不足は、注意力、集中力、記憶、判断など日中のパフォーマンスに影響する可能性があります。
特に注意したいのが、自動車の運転や機械を扱う仕事です。
強い眠気を感じている状態では無理に運転を続けないようにしてください。十分な睡眠は、交通事故などのリスクを減らすという意味でも重要です。CDCも十分な睡眠が注意力や記憶、日常生活のパフォーマンスに重要であるとしています。疾病対策センター
睡眠不足でイライラしたり気分が落ち込んだりする?
睡眠不足は気分にも影響することがあります。
いつもよりイライラする、感情をコントロールしにくい、気分が落ち込むなどの変化を感じることがあります。
また、慢性的な短時間睡眠と不安やうつ病などとの関連も報告されています。疾病対策センター
ただし、強い不安や気分の落ち込みが長く続いている場合には「寝不足を解消すれば大丈夫」と自己判断せず、医療機関へ相談してください。
睡眠不足で太りやすくなる?
睡眠時間が短いことと肥満には関連が報告されています。
厚生労働省の睡眠ガイドでも、極端に短い睡眠時間は肥満の発症リスク上昇と関連することが示されています。厚生労働省
ただし、「寝不足になれば必ず太る」という意味ではありません。
体重には食事量、活動量、年齢、体質などさまざまな要因が関係します。
そのため、体重管理では睡眠だけを見るのではなく、食事・運動・睡眠を含めた生活全体を見直すことが大切です。
睡眠不足と高血圧・糖尿病の関係
慢性的に睡眠時間が短いことは、高血圧や2型糖尿病などの健康問題とも関連しています。
睡眠中には通常、血圧が低下します。睡眠に問題がある状態が続くことは、心血管系の健康にも影響する可能性があります。CDCも、睡眠不足と高血圧、2型糖尿病、心疾患などとの関連を説明しています。疾病対策センター
ただし、睡眠時間だけでこれらの病気になるわけではありません。
すでに高血圧や糖尿病を指摘されている場合には、睡眠だけで改善しようとせず医師の治療を継続してください。
慢性的な睡眠不足とは?
「何時間以下なら慢性的な睡眠不足」と単純に決められるわけではありません。
必要な睡眠時間には個人差があります。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人について個人差を考慮しながら、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保することが推奨されています。成人ではおおよそ6~8時間が適正な睡眠時間と考えられていますが、必要な時間には個人差があります。厚生労働省
大切なのは睡眠時間だけでなく、朝起きたときに休養が取れたと感じるか、日中に強い眠気がないかという点も含めて考えることです。
睡眠不足の「後遺症」は残る?
「長期間寝不足だったら後遺症が残るのでは?」と心配する方もいるでしょう。
睡眠不足による眠気や集中力低下などを、一般的にそのまま「後遺症」と呼ぶわけではありません。
一方で、慢性的な睡眠不足は複数の健康問題との関連が報告されているため、長期間続いている状態を放置してよいという意味でもありません。
睡眠時間を確保しても強い眠気、倦怠感、頭痛、集中力低下などが続いている場合には、別の病気や睡眠障害がないか医療機関で相談しましょう。
睡眠不足は何日で回復する?
睡眠不足からの回復に必要な期間を「○日」と一律に決めることはできません。
一晩だけ睡眠時間が短かった場合と、何週間・何か月も睡眠不足が続いている場合では状況が異なります。
また、休日に一度長時間眠れば、それまでの慢性的な睡眠不足による影響をすべて帳消しにできるとは限りません。
「週末に寝だめすれば平日は睡眠時間を削ってよい」と考えるのではなく、日頃から必要な睡眠時間を確保することを基本にしましょう。
睡眠不足を改善するためにできること
まずは、自分が実際に何時間眠っているのかを確認してみましょう。
就寝時間だけでなく、起床時間、夜中に目が覚める回数、朝の休養感、日中の眠気などを記録すると睡眠状態を把握しやすくなります。
生活面では、起床時間を大きく変えない、日中に身体を動かす、寝室を暗く静かな環境にする、夕方以降のカフェインを控える、寝酒を習慣にしないなどを意識します。
スマートフォンなどの電子機器を寝る直前まで使用する習慣がある場合には、就寝前の使用時間を減らしてみるのも一つの方法です。
厚生労働省は、睡眠時間だけでなく、食生活・運動などの生活習慣や睡眠環境を見直し、睡眠による休養感を高めることも推奨しています。厚生労働省
昼寝はした方がいい?
日中に強い眠気がある場合、短時間の昼寝によって眠気が軽減することがあります。
ただし、夕方以降に長時間眠ると夜の睡眠に影響する場合があります。
昼寝だけで慢性的な睡眠不足を補おうとするのではなく、基本的には夜間に必要な睡眠時間を確保できる生活を考えましょう。
睡眠不足で病院へ行った方がいい?
生活習慣を見直しても睡眠の問題が改善しない場合や、日中の生活に影響するほどの症状がある場合には医療機関へ相談してください。
特に、十分な時間寝ているはずなのに日中の眠気が非常に強い、仕事中や運転中に眠ってしまいそうになる、大きないびきや睡眠中の呼吸停止を指摘された、眠れない状態が続いている、朝起きてもまったく休養感がないといった場合には、睡眠障害が隠れている可能性があります。
厚生労働省も、生活習慣などを改善しても睡眠に関連する症状が続く場合には、睡眠障害の可能性を考えて医療機関を受診するよう案内しています。厚生労働省
まとめ
睡眠不足で起こる症状は、日中の眠気だけではありません。
疲労感、集中力や注意力の低下、判断力の低下、イライラ、気分の変化、頭痛など、身体と心のさまざまな部分に影響が出ることがあります。
さらに慢性的に睡眠時間が短い状態は、肥満、高血圧、糖尿病、心血管疾患、うつ病など複数の健康問題との関連が報告されています。ただし、睡眠不足だけがこれらの病気の原因になるという意味ではありません。厚生労働省
まずは必要な睡眠時間を確保するとともに、睡眠環境や生活習慣を見直しましょう。それでも強い眠気や睡眠の問題が続く場合には、「寝不足だから」と放置せず医療機関へ相談することが大切です。
よくある質問
睡眠不足ではどんな症状が起こりますか?
日中の眠気、疲労感、集中力・注意力・判断力の低下、イライラ、気分の変化、頭痛などが起こることがあります。
睡眠不足が続くとどうなりますか?
慢性的に睡眠時間が短い状態は、肥満、高血圧、糖尿病、心血管疾患、うつ病など複数の健康問題との関連が報告されています。
慢性的な睡眠不足は何時間からですか?
必要な睡眠時間には個人差があるため一律には決められません。厚生労働省では成人について、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保することを推奨しています。
睡眠不足で頭痛が起こることはありますか?
睡眠不足や睡眠リズムの変化が頭痛に関係することがあります。ただし、頭痛にはさまざまな原因があるため、強い症状や普段と異なる頭痛がある場合には医療機関へ相談してください。
睡眠不足の後遺症は残りますか?
睡眠不足による眠気や集中力低下などを一般的にそのまま「後遺症」と呼ぶわけではありません。ただし、慢性的な睡眠不足は複数の健康問題との関連があるため、長期間続く場合には対策が必要です。
寝不足は何日で回復しますか?
睡眠不足が続いていた期間や個人の状態によって異なるため、一律に何日とは決められません。休日の寝だめだけに頼らず、日頃から必要な睡眠時間を確保することが大切です。
睡眠時間を確保しても疲れが取れないのはなぜですか?
睡眠の質が低下している場合や、不眠症、睡眠時無呼吸などの睡眠障害が隠れている可能性があります。症状が続く場合には医療機関へ相談してください。
睡眠不足は何科へ行けばいいですか?
まず内科などで相談できます。強い日中の眠気、いびきや無呼吸、不眠などが続いている場合には、睡眠外来や症状に応じた専門診療科への受診が検討されます。

