手首の小指側が痛い原因はTFCC損傷?症状・原因・対処法を解説

「ドアノブを回すと手首の小指側が痛い」
「タオルを絞ると手首がズキッとする」
「手をついたあとから手首の外側が痛い」

このような症状がある方は、“TFCC損傷”の可能性があります。

TFCC損傷は、手首の小指側にある組織を痛めてしまう状態です。聞き慣れない名前ですが、転倒やスポーツ、仕事、家事、日常生活の繰り返し動作でも起こることがあります。

手首の痛みは「そのうち治るだろう」と放置されやすいですが、使い続けることで痛みが長引いたり、手首の動きが悪くなったりすることもあります。

TFCC損傷とは?

TFCCとは「三角線維軟骨複合体」のことです。

手首の小指側には、橈骨・尺骨・手根骨と呼ばれる骨があり、それらの動きを安定させるためにTFCCが存在しています。

TFCCは、手首にかかる力を分散したり、小指側の手首を安定させたりする役割があります。

そのため、手首をひねる動作や、手をついた時の衝撃、スポーツでの繰り返し動作などによって負担がかかると、TFCCを痛めてしまうことがあります。

TFCC損傷で起こりやすい症状

TFCC損傷では、手首の小指側に痛みが出やすくなります。

特に、ドアノブを回す、タオルを絞る、ペットボトルのフタを開ける、手をついて立ち上がる、手首を小指側へ倒すといった動作で痛みが出ることがあります。

また、痛みだけではなく、「手首が抜けるような感じ」「手首がうまくはまっていない感じ」が出る方もいます。

症状が強くなると、何もしていない時にも痛みを感じたり、手首の可動域が狭くなったりする場合があります。

TFCC損傷はなぜ起きる?

TFCC損傷は、転倒して手をついた時のような外傷で起こることがあります。

一方で、明確なケガがなくても、手首を繰り返し使うことで少しずつ負担が蓄積し、痛みにつながるケースもあります。

テニスやゴルフなど手首をひねるスポーツ、重い物を持つ仕事、家事や育児で手首をよく使う方は注意が必要です。

また、加齢によってTFCCの組織が弱くなり、炎症が起こりやすくなる場合もあります。

腱鞘炎やばね指との違い

手首や指の痛みには、TFCC損傷以外にもさまざまな原因があります。

親指側の手首が痛い場合は、腱鞘炎・ドケルバン病が関係していることがあります。

指を曲げ伸ばしする時にカクンと引っかかる場合は、ばね指の可能性もあります。

TFCC損傷は“手首の小指側の痛み”が出やすいことが特徴です。痛みの場所や、どの動きで痛むのかを確認することが大切です。

検査では何を見るの?

TFCC損傷は、レントゲンだけでは判断しにくいことがあります。

なぜなら、TFCCは骨ではなく、軟骨や靭帯を含む組織だからです。

必要に応じてMRI検査が行われることもありますが、画像だけで痛みの原因がすべて分かるわけではありません。

実際には、どの動きで痛むのか、押すと痛い場所はどこか、手首の可動域はどうか、手首に不安定感があるかなどを確認することが重要です。

自然に治ることはある?

軽い炎症や一時的な負担であれば、手首を休めることで痛みが落ち着くこともあります。

しかし、手首は日常生活で使う機会が多く、完全に休ませることが難しい部位です。

痛みが軽くなっても、同じ動作を繰り返すことで再発することがあります。

特に、安静にしていても痛みが続く場合、痛みが強くなっている場合、何度も繰り返す場合は、一度状態を確認することが大切です。

TFCC損傷では血管が増える?異常血管とは

TFCC損傷では痛みが強いところに不自然に異常な血管が増殖しています。

異常血管は通称『もやもや血管』とも言われ正常では見られない余分な血管です。

異常血管はMRI検査で発見することができます。

「なぜ血管が増える事で痛みを感じるのか?」と言うと、『人間の身体は血管と一緒に神経が増える』という仕組みがあるからです。そのためこの異常血管が痛みの原因ということになります。異常血管が確認されるような場合には安静にしていても自然回復は難しく、場合によっては手術が必要になります。

治療院へ行く目安

  • 痛みが強い
  • 安静にしていても痛みが落ち着かない
  • 痛めた原因が明確ではない
  • 痛くなったり治まったりを何度も繰り返している

以上のような場合には一度、整形外科や整骨院への受診をおすすめします。

特に、痛みを何度も繰り返しているような場合は、日常的に手首に負担がかかる行動や動作があると考えられます。受診することで負担がかかる動作を見直すきっかけにもなります。

また、何度も痛みを発生していることにより、知らず知らずのうちに手首の可動域が狭くなってきている可能性もあるため一度きちんと診察を受けましょう。

どのくらいで治る?

ケガの程度が軽度であれば少し安静にすることで徐々に痛みが落ち着いてくることもあるでしょう。痛めた直後は炎症が広がらないようにアイシングするのも効果的です。

痛みが軽度の場合はセルフケアでもみほぐしたり温めて血流の流れを良くすることも有効であり、安静にすることで1ヶ月ほどで回復がも込めます。

しかし、手首を完全に固定することはかなり難しいため、安静にしつつ日常的に使っていくことになるでしょう。そのような場合でも異常血管などの症状がなければ、3か月ほどで回復してきます。

安静にすることで痛みが落ち着いたとしても、痛みの炎症が治まっただけで、TFCCの損傷部分が治ったわけではありません。

まずは痛みを繰り返さないこと、そして可動域が狭くならないことを考えてしっかり治療することが大切です。

自分でなんとかできない?【セルフケア】について

TFCC損傷において初期の段階ではセルフケアも効果的です。

TFCC損傷では、手首の小指側への負担を減らすことが大切です。

セルフケアでは、使い過ぎによって硬くなっている筋肉をほぐし血液の流れを良くしていきます。

異常血管がある場合は余分な血管を死滅させます。

1,肘から手首にかけて揉む

肘から手首にかけて腕全体をマッサージし腕の筋肉の柔軟性を高めていきます。この時、早く良くなりたいからとグリグリ強く押すことは逆効果です。

腕の筋肉がリラックスする程度に軽く心地よい強さで行いましょう。

2,腕の外側の筋肉をほぐす

特に負担のかかっている腕の外側の筋肉を、軽くつまんだり押したりして筋肉の動きを良くしていきます。

3、手のひらのマッサージ

手首から手のひらにかけて、手のひら全体を反対の手の親指で軽く押して揉みほぐします。

痛い部分は優しくゆっくり行うことで徐々にほぐれていきます。

4、痛いところを圧迫する

異常血管が発生していると思われる部分は痛みが強く出ています。

この異常血管は圧迫し血流を止めることで死滅します。

圧迫方法は、痛いところを10秒~20秒優しくジッとただ圧迫します。

この時、揉んだり揺らしたりはしません。ただただ静かに圧迫するだけです。

これを朝晩1回ずつ行いましょう。むきになって1日に何度もやったり、力いっぱいやるのは逆効果です。

当院におけるTFCC損傷の治し方について

TFCC損傷は軽度のものから重度のものまであり、治療法が変わってきます。

このうち整骨院での治療で回復が認められるものは一過性の外傷のものや、症状がある程度軽度のものです。明らかに強い痛みがあらわれている場合は、異常血管が増えていることもあるため場合によっては手術が必要となります。不安なときは一度整形外科を受診されることをおすすめします。

しかしはじめからなんでも『手術』が必要なわけではありません。整形外科でも保存療法からすすめるのが一般的です。

まずは『手術以外』の方法で回復できるものがあるか検討していきましょう。

スプリント固定・サポーター固定

まずは使い過ぎによって炎症してしまった手首の動きを止めるために、スプリントという装具で固定をします。

固定する期間はおおよそ4~6週間程度です。

この期間は、日常生活では固定しつつ定期的に通院し『はりきゅう治療』や『電気療法』を組み合わせることでTFCCの炎症を早く落ち着かせるように促していきます。

スプリング固定を行ったのちに、状態を見ながら簡易的な手首サポーターへ切り替えていきます。

圧迫療法

異常血管ができている場合、その余分な血管を減らすことで症状が解消することが考えられます。

痛みのある場所、つまり異常血管ができている場所を圧迫することで余分な血管を死滅させます。

手技療法

痛みが徐々に緩和してきたら、本格的に手技療法を行っていきます。

手技療法では手首に負担がかかる動きをしている原因となる他の部位に対しても施術を行っていきます。

他の部位もケアすることは手首のみの施術を行うよりも効果的です。TFCC損傷部位の施術はもちろんのこと、前腕、上腕、手関節、肘関節、肩関節の調整などトータル的にケアしていきます。

リハビリ・ストレッチ療法

痛みの出ている手首周辺だけではなく、手首の動きにつながる首や肩周囲のストレッチやトレーニングは有効です。

リハビリはTFCC損傷の状態を確認しながら行っていくため、自己判断で指導されていない内容のトレーニングを行うことは症状が悪化してしまうリスクを伴います。

特にスポーツ競技をしている人は、早期復帰を目指して焦りも出てしまう時期ですがくれぐれも自己流のリハビリは行わないようにしましょう。

テーピング指導

本来は固定することが望ましいのですが手首を固定してしまうと日常的に生活が困難になります。そのため、回復まで1ヶ月~3か月ほどかかるTFCC損傷ではセルフケアによるテーピングが有効です。

テーピングは炎症期や回復期で変わってきますので、セルフケアできるよう指導を行っていきます。

よくある質問

TFCC損傷は放っておけば治りますか?

軽い場合は安静で落ち着くこともありますが、手首を使い続けると長引くことがあります。痛みを繰り返す場合は早めに状態を確認することが大切です。

TFCC損傷はレントゲンで分かりますか?

TFCCは軟骨や靭帯を含む組織のため、レントゲンだけでは判断しにくいことがあります。必要に応じてMRI検査が行われることもあります。

手首サポーターは使った方がいいですか?

手首の負担を減らすために役立つ場合があります。ただし、固定の仕方が合っていないと効果が出にくいため、状態に合わせて選ぶことが大切です。

腱鞘炎との違いは何ですか?

TFCC損傷は手首の小指側に痛みが出やすく、腱鞘炎は親指側の手首や指に痛みが出ることが多いです。痛みの場所と動作で見分けることが大切です。

まとめ

TFCC損傷は、手首の小指側に痛みが出やすい症状です。

ドアノブを回す、タオルを絞る、手をつく、手首をひねるといった動作で痛む場合は、TFCCに負担がかかっている可能性があります。

手首は日常生活で使う機会が多いため、痛みを我慢して使い続けると長引くことがあります。

手首の小指側の痛みを繰り返している方は、早めに状態を確認し、手首だけでなく腕全体の使い方を見直すことが大切です。