鼠径部に痛みやしこりに自分でできるストレッチ!改善しない場合は病院へ

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鼠径部、つまり股関節の周辺に痛みを感じることは多くの人々にとって日常的な問題となり得ます。この痛みはさまざまな原因によって引き起こされるため、その特定と適切な対処が重要です。

鼠径部の痛みの原因

筋肉や腱の損傷

激しい運動や無理な動作により、股関節周辺の筋肉や腱が損傷することがあります。特にスポーツ選手に多く見られる「グロインストレイン」は、鼠径部の筋肉が引き伸ばされたり断裂したりする状態を指します。

ヘルニア(脱腸)

鼠径ヘルニアは、腹部の内容物が腹壁を通過して鼠径部に突出することで痛みを引き起こします。特に立ったり、重いものを持ち上げたりする際に痛みが増すことが特徴です。

骨や関節の問題

変形性股関節症や関節リウマチなどの骨や関節の疾患も、鼠径部の痛みを引き起こす要因となります。これらの疾患は関節の炎症や変形を伴い、慢性的な痛みを引き起こします。

感染症

膿瘍や感染性関節炎などの感染症も痛みの原因となります。特に膿瘍は患部が腫れて熱を持ち、強い痛みを伴うことが多いです。

神経の圧迫や損傷

脊椎や股関節周辺の神経が圧迫されたり損傷されたりすることで、痛みが生じることがあります。坐骨神経痛もこの一例です。

鼠径部の痛みの症状

鼠径部の痛みの症状は原因により異なりますが、一般的には以下のような症状が見られます。

局所的な痛み

鼠径部に鋭い痛みや鈍い痛みを感じることが多いです。痛みは動作時に悪化することが一般的です。

腫れや熱感

ヘルニアや感染症の場合、患部が腫れたり、熱を持ったりすることがあります。

可動域の制限

股関節周辺の痛みにより、脚の動きが制限されることがあります。特に歩行や立ち上がり、座る動作が困難になることがあります。

感覚異常

神経の圧迫による痛みでは、しびれやチクチクする感覚、感覚の鈍麻が現れることがあります。

全身症状

感染症が原因の場合、発熱や全身倦怠感などの全身症状を伴うことがあります。

鼠径部の痛みの治療

鼠径部の痛みの治療法は原因によって異なりますが、一般的な治療法を以下に示します。

安静と冷却

筋肉や腱の損傷の場合、まずは安静にし、患部を冷却することで炎症を抑えます。氷嚢や冷却パックを用いると効果的です。

薬物療法

炎症や痛みを和らげるために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や鎮痛剤が使用されます。感染症が原因の場合は抗生物質が処方されることもあります。

理学療法

リハビリテーションやストレッチ、筋力強化のための運動療法が推奨されることがあります。専門の理学療法士の指導のもとで行うことが重要です。

手術療法

ヘルニアや重度の骨や関節の疾患の場合、手術が必要となることがあります。ヘルニア手術では、腹壁の修復が行われます。

神経ブロック

神経の圧迫や損傷が原因の場合、神経ブロック注射が行われることがあります。これは痛みを緩和し、症状の改善を図る治療法です。

鼠径部の痛みの予防ストレッチ

鼠径部の痛みを和らげるためのストレッチ方法を以下に紹介します。これらのストレッチは、筋肉をほぐし、柔軟性を高めるのに役立ちますが、痛みが強い場合や症状が悪化する場合は、無理をせず専門医に相談することが重要です。

1. 内転筋ストレッチ

方法

  1. 床に座り、両脚を伸ばします。
  2. 膝を曲げて足の裏を合わせ、かかとを体に引き寄せます。
  3. 両手で足首をつかみ、肘を膝の内側に置きます。
  4. ゆっくりと前に倒れ、肘で膝を軽く押し広げます。
  5. 20〜30秒間キープし、元の位置に戻ります。

ポイント

背筋をまっすぐに保ち、無理に前屈しないようにしましょう。

股関節周辺の筋肉が伸びる感覚を感じることが大切です。

2. ハムストリングスストレッチ

方法

  1. 仰向けに寝転びます。
  2. 片足を膝を伸ばしたまま天井に向けて上げます。
  3. 両手で太ももの裏を支え、足を体に引き寄せます。
  4. 20〜30秒間キープし、反対側も同様に行います。

ポイント

膝をできるだけ伸ばし、足を引き寄せる際に痛みを感じない範囲で行いましょう。

足先を曲げずに伸ばすことで、ハムストリングスが効果的に伸びます。

3. ヒップフレクサーストレッチ(大腿四頭筋)

方法

  1. 片膝を床に立て、もう一方の足を前に出します(ランジの姿勢)。
  2. 後ろの足の膝を床につけ、前の足の膝は90度に曲げます。
  3. 骨盤を前方に押し出し、股関節の前側を伸ばします。
  4. 20〜30秒間キープし、反対側も同様に行います。

ポイント

上半身をまっすぐに保ち、骨盤を前に押し出すことに集中しましょう。

股関節の前側がしっかりと伸びていることを感じながら行います。

4. 膝倒しストレッチ

方法

  1. 仰向けに寝転び、両膝を曲げて足を床に置きます。
  2. 両腕を横に広げ、肩を床につけたままにします。
  3. 両膝を揃えたままゆっくりと右側に倒します。視線は左側に向けます。
  4. 20〜30秒間キープし、元の位置に戻してから反対側も同様に行います。

ポイント

膝を倒す際に肩が浮かないように注意しましょう。

ゆっくりとした動作で、腰や股関節の周辺が伸びる感覚を感じます。

5. ストレートレッグレイズ

方法

  1. 仰向けに寝転び、両脚を伸ばします。
  2. 片足をまっすぐに保ちながら、ゆっくりと天井に向けて持ち上げます。
  3. 足を上げた状態で10〜15秒間キープし、ゆっくりと元の位置に戻します。
  4. 反対側も同様に行います。

ポイント

足を上げる際に腰が浮かないように、腹筋を意識して行いましょう。

足を上げる高さは無理のない範囲で行い、股関節周辺の筋肉を意識して伸ばします。

注意点

ストレッチは痛みを感じない範囲で行いましょう。無理に伸ばすと筋肉や腱を損傷する恐れがあります。

呼吸を止めず、ゆっくりと深呼吸をしながら行うことで筋肉がリラックスしやすくなります。

ストレッチの前後には軽いウォームアップやクールダウンを行い、筋肉を温めることが大切です。

痛みが続く場合や悪化する場合は、必ず専門医の診断を受けるようにしましょう。

これらのストレッチを日常的に取り入れることで、鼠径部の柔軟性と筋力を向上させ、痛みの予防に役立てることができます。

まとめ

鼠径部の痛みはさまざまな原因で引き起こされ、生活の質を大きく左右することがあります。適切な治療と予防策を講じることで、痛みの軽減や再発防止が可能です。自分の症状や生活習慣に合わせた対処法を見つけるためには、専門医の診断とアドバイスを受けることが大切です。鼠径部の痛みと向き合い、健康な生活を取り戻すために、適切な知識と対策を身につけましょう。

鍼灸整骨院かまたき