
「坐骨神経痛は自分で何かした方がいい?」「ストレッチをしても大丈夫?」「歩いた方がいいのか、安静にした方がいいのか分からない」
お尻から太もも、ふくらはぎ、足先にかけて痛みやしびれがあると、できるだけ早く楽になりたいと思う方も多いでしょう。
坐骨神経痛では、強い症状がある時に無理をする必要はありませんが、長期間まったく身体を動かさずに過ごすことがよいとは限りません。症状を確認しながら、できる範囲で普段の生活や身体活動を続けることがセルフケアの基本になります。
ただし、坐骨神経痛の原因や症状は一人ひとり異なります。「坐骨神経痛にはこのストレッチ」と決めつけず、動いた時に脚の痛みやしびれがどう変化するかを確認することが大切です。
この記事では、坐骨神経痛のセルフケア、ストレッチ、ウォーキング、座り方、温め方、日常生活で気をつけたいこと、セルフケアを中止して病院へ行った方がよい症状について解説します。
坐骨神経痛の原因や足のしびれについて詳しく知りたい方はこちら
https://kamataki-seikotsu.com/zakotsusinkei/
- 1 坐骨神経痛のセルフケアで最初に知っておきたいこと
- 2 坐骨神経痛は安静にした方がいい?
- 3 坐骨神経痛はストレッチした方がいい?
- 4 お尻のストレッチ
- 5 太ももの裏のストレッチ
- 6 股関節は無理のない範囲で動かす
- 7 坐骨神経痛は歩いた方がいい?
- 8 坐骨神経痛でやってはいけないこと
- 9 前屈・後屈だけでヘルニアと脊柱管狭窄症を見分けられる?
- 10 「正しい姿勢」をずっと維持した方がいい?
- 11 座っていると坐骨神経痛がつらい場合は?
- 12 坐骨神経痛は温めてもいい?
- 13 入浴してもいい?
- 14 筋トレはした方がいい?
- 15 梨状筋をほぐせば坐骨神経痛は治る?
- 16 骨盤の歪みをリセットする必要はある?
- 17 坐骨神経痛のセルフケアを中止して病院へ行った方がいい症状
- 18 坐骨神経痛について詳しく知りたい方へ
- 19 坐骨神経痛についてよくある質問
- 20 まとめ
坐骨神経痛のセルフケアで最初に知っておきたいこと
坐骨神経痛は一つの病気の名前ではありません。
腰からお尻、脚にかけて痛みやしびれなどが現れている状態を表す言葉で、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などが関係する場合があります。日本整形外科学会でも、腰痛の原因として椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などさまざまな疾患を挙げています。
そのため、すべての人に同じセルフケアが適しているわけではありません。
ストレッチをすると楽になる方もいれば、特定の動きで脚の痛みやしびれが強くなる方もいます。
セルフケアで重要なのは、「この運動をすれば治る」と考えることではなく、症状を悪化させない範囲で身体を動かすことです。
坐骨神経痛は安静にした方がいい?
痛みが強い時には無理をする必要はありません。
一方、症状が落ち着いているにもかかわらず、一日中寝たまま・座ったままで過ごす必要もありません。
「痛いから絶対に動いてはいけない」と考えるのではなく、立つ、少し歩く、姿勢を変えるなど、できるところから身体を動かしてみましょう。
ただし、動くことで脚の痛みやしびれが明らかに強くなる場合には無理をしないでください。
坐骨神経痛はストレッチした方がいい?
坐骨神経痛に対してストレッチや軽い運動を行うことはあります。
ただし、全員に同じストレッチが適しているわけではありません。
特に重要なのが、ストレッチ中やストレッチ後の症状です。
「伸びて気持ちいい」という感覚と、「脚に電気が走る」「しびれが強くなる」という神経症状は分けて考えましょう。
ストレッチによって、
・お尻から脚への痛みが強くなる
・しびれる範囲が広がる
・足先まで電気が走るような感覚が出る
・終わった後も症状が強く残る
といった場合には、そのストレッチを続けないでください。
お尻のストレッチ
お尻周辺のこわばりを感じている場合には、無理のない範囲でお尻を伸ばす方法があります。
- 椅子に座ります
- 片方の足首を反対側の膝付近へ乗せます
- 背中を無理に丸めず、身体を少し前へ傾けます
- お尻周辺が軽く伸びるところで止めます
- 痛みやしびれが強くならない範囲で行います
強く前へ倒れる必要はありません。
お尻から脚への痛みやしびれが強くなる場合には中止してください。
太ももの裏のストレッチ
太ももの裏に張りを感じている場合には、軽く伸ばす方法があります。
- 椅子に浅く座ります
- 片脚を前へ伸ばします
- 膝を無理に伸ばし切らず、身体を少し前へ傾けます
- 太ももの裏が軽く伸びるところで止めます
ここでも、脚に電気が走るような感覚やしびれが強くなる場合には無理に続けません。
「硬いからもっと伸ばした方がいい」と考えて強く引っ張る必要はありません。
股関節は無理のない範囲で動かす
坐骨神経痛だからといって、「股関節が硬いことが原因」と判断することはできません。
ただし、長時間座っている方などでは、同じ姿勢を続けるよりも、症状の出ない範囲で股関節や身体を動かすことが一つの方法になります。
椅子から立ち上がる、少し歩く、股関節を軽く曲げ伸ばしするなど、無理のない動きから始めましょう。
「股関節を柔らかくすれば坐骨神経痛が治る」と考えて、痛みを我慢しながら強いストレッチをする必要はありません。
坐骨神経痛は歩いた方がいい?
歩くことで症状が悪化しない場合には、無理のない範囲でウォーキングなどの身体活動を取り入れることが考えられます。
最初から長距離を歩く必要はありません。
短い時間から始め、症状を確認しながら少しずつ調整します。
一方、
「歩いていると脚が痛くなる」
「しびれが強くなって歩けなくなる」
「少し休むとまた歩ける」
といった症状は、腰部脊柱管狭窄症などでみられることがあります。
このような場合には「運動不足だからもっと歩かなければ」と無理をせず、整形外科へ相談してください。
坐骨神経痛でやってはいけないこと
坐骨神経痛だから絶対に禁止される動作が一律に決まっているわけではありません。
ただし、次のような行動には注意しましょう。
・痛みやしびれを我慢してストレッチする
・しびれが広がる運動を繰り返す
・突然強い筋トレを始める
・痛い部分を強く押し続ける
・長時間まったく姿勢を変えない
・症状が悪化しているのにセルフケアだけで様子を見続ける
特に「痛いほど効いている」と考えて無理に運動する必要はありません。
身体を動かすことと、症状を我慢して運動を続けることは別です。
前屈・後屈だけでヘルニアと脊柱管狭窄症を見分けられる?
見分けることはできません。
「前に曲げると痛いから椎間板ヘルニア」「後ろに反らすと痛いから脊柱管狭窄症」と自己診断するのは避けてください。
身体を動かした時に症状がどう変化するのかは状態を確認する材料の一つになりますが、それだけで病気を診断することはできません。
腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症が疑われる場合には、症状や診察所見などをもとに医師が判断し、必要に応じて画像検査などが行われます。
「正しい姿勢」をずっと維持した方がいい?
坐骨神経痛を改善するために、一つの「正しい姿勢」を一日中維持する必要はありません。
むしろデスクワークなどでは、どのような姿勢でも長時間続ければつらくなることがあります。
「背筋を伸ばし続けなければ」と身体を固めるより、時々姿勢を変えることを意識しましょう。
例えば、
・一度立ち上がる
・少し歩く
・座る位置を変える
・休憩する
など、同じ姿勢を長時間続けない工夫をします。
座っていると坐骨神経痛がつらい場合は?
座っている時間が長いと症状が強くなる方では、まず連続して座る時間を短くしてみましょう。
「1時間は絶対座ってはいけない」など一律の時間を決める必要はありません。
症状が強くなる前に立ち上がる、少し歩くなど、自分の症状に合わせて姿勢を変えます。
また、「骨盤を立てて背もたれを使わない」という座り方を無理に続ける必要もありません。
椅子や背もたれを利用しながら、楽に座れる姿勢を探し、同じ姿勢を長時間続けないことを意識してください。
坐骨神経痛は温めてもいい?
温めることで腰やお尻周辺が楽に感じる方はいます。
NHSでも坐骨神経痛のセルフケアとして、痛みのある場所への温熱を選択肢の一つとして紹介しています。nhs.uk
ただし、「温めれば神経の圧迫がなくなる」「血流を良くすれば坐骨神経痛が治る」ということではありません。
心地よく感じる範囲で利用し、温めることで症状が強くなる場合には中止してください。
低温やけどを避けるため、熱源を直接皮膚へ長時間当て続けないことも大切です。
入浴してもいい?
入浴によって腰やお尻周辺が楽に感じる方もいます。
ただし、長時間入浴しなければならないわけではありません。
体調や症状に合わせ、無理のない範囲で利用してください。
「毎日湯船に入らなければ坐骨神経痛が治らない」ということでもありません。
筋トレはした方がいい?
坐骨神経痛があるからといって、腹筋・背筋を鍛えれば必ず改善するわけではありません。
一方で、状態に応じた運動は腰痛・坐骨神経痛の管理に利用されます。
重要なのは、急に強い負荷をかけないことです。
運動によって脚の痛みやしびれが強くなる場合には、その運動を中止して内容を見直してください。
梨状筋をほぐせば坐骨神経痛は治る?
梨状筋周辺で坐骨神経が刺激される場合はあります。
しかし、すべての坐骨神経痛が梨状筋によって起こるわけではありません。
腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症など、腰部が原因となっている場合もあります。
そのため、「坐骨神経痛=梨状筋が硬い」と考えて、お尻を強く押したり、痛みを我慢してストレッチしたりすることはおすすめしません。
梨状筋症候群について詳しく見る
https://kamataki-seikotsu.com/rijyoukin/
骨盤の歪みをリセットする必要はある?
坐骨神経痛を改善するために、毎日「骨盤の歪みをリセット」する必要があるとは言えません。
また、寝る前の体操で左右の動きに差があるというだけで、骨盤が歪んでいると判断することもできません。
身体の左右差は珍しいものではなく、痛みやしびれがある場合には、骨盤の位置だけで原因を判断しないことが大切です。
身体を動かして楽になる場合には無理のない範囲で運動を続け、症状が悪化する場合には中止してください。
坐骨神経痛のセルフケアを中止して病院へ行った方がいい症状
セルフケアより医療機関への受診を優先した方がよい症状があります。
特に、
・両脚に強い痛みやしびれがある
・脚の筋力低下が強い、または悪化している
・陰部や肛門周辺の感覚がおかしい
・尿が出にくい、尿が漏れる
・便をコントロールできない
などがある場合には、速やかに医療機関を受診してください。
また、症状が数週間セルフケアを行っても改善しない、悪化している、普段の生活ができないほど症状が強い場合にも医療機関へ相談してください。
坐骨神経痛について詳しく知りたい方へ
坐骨神経痛の原因、足のしびれ、腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症との関係、治療や病院へ行く目安については、坐骨神経痛のメインページで詳しく解説しています。
坐骨神経痛・足のしびれについて詳しく見る
https://kamataki-seikotsu.com/zakotsusinkei/
坐骨神経痛についてよくある質問
坐骨神経痛はストレッチで改善しますか?
症状によってはストレッチや軽い運動で楽になる場合がありますが、すべての坐骨神経痛に同じストレッチが適しているわけではありません。脚の痛みやしびれが強くなる場合には中止してください。
坐骨神経痛でやってはいけないことはありますか?
痛みやしびれを我慢してストレッチや運動を続ける、急に強い筋トレを始める、症状が悪化しているのにセルフケアだけで様子を見続けることなどは避けましょう。
坐骨神経痛は前屈・後屈で原因を判断できますか?
前屈・後屈による症状の変化は状態を確認する材料の一つになりますが、それだけで腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症を診断することはできません。
坐骨神経痛は温めた方がいいですか?
温めることで腰やお尻周辺が楽に感じる方はいます。ただし、温めればすべての坐骨神経痛が改善するわけではありません。症状が強くなる場合には中止してください。
坐骨神経痛は安静にした方がいいですか?
痛みが強い時には無理をする必要はありませんが、長期間まったく動かずに過ごす必要もありません。症状を確認しながら、できる範囲で普段の活動を続けることが考えられます。
坐骨神経痛にウォーキングはいいですか?
歩いても症状が悪化しない場合には、無理のない範囲でウォーキングなどを取り入れることができます。歩くことで脚の痛みやしびれが強くなる場合には無理をしないでください。
坐骨神経痛は梨状筋をほぐせば治りますか?
梨状筋周辺が症状に関係する場合もありますが、坐骨神経痛の原因は梨状筋だけではありません。腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などが関係する場合もあります。
坐骨神経痛は整体や鍼治療で治りますか?
腰やお尻周辺の痛みや筋肉のこわばりなどについて整体や鍼治療を検討する場合はありますが、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など原因となる疾患そのものを整体や鍼で治すと考えることはできません。症状によっては医療機関での診断・治療を優先します。
坐骨神経痛で病院へ行くべき症状はありますか?
両脚の強い症状、進行する筋力低下、陰部周囲の感覚異常、排尿・排便障害などがある場合には速やかに医療機関を受診してください。症状が数週間続く、悪化している、日常生活への影響が大きい場合にも医療機関へ相談してください。
まとめ
坐骨神経痛のセルフケアで大切なのは、「このストレッチをすれば治る」「姿勢を正せば治る」と一つの方法に決めつけないことです。
痛みが強くない場合には、長時間同じ姿勢を続けることを避け、症状を確認しながら普段の活動を続けます。ストレッチやウォーキングについても、痛みやしびれが強くならない範囲で行いましょう。
反対に、運動によって脚の痛み・しびれが広がる場合には無理に続けないでください。
また、筋力低下、両脚の強い症状、陰部周囲の感覚異常、排尿・排便障害などがある場合にはセルフケアより医療機関への受診を優先します。
坐骨神経痛の原因や足のしびれについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
坐骨神経痛・足のしびれについて詳しく見る
https://kamataki-seikotsu.com/zakotsusinkei/

