
「足の親指が突然ものすごく痛くなった」「夜中に関節が腫れて眠れない」「健康診断で尿酸値が高いと言われた」
このような場合に考えられる病気の一つが痛風です。
痛風は、血液中の尿酸が高い状態が続くことで尿酸塩の結晶が関節などに沈着し、強い炎症を起こす病気です。特に足の親指の付け根に突然強い痛みが出ることで知られています。
ただし、尿酸値が高いから必ず痛風になるわけではなく、反対に痛風発作が起きている時でも血液検査の尿酸値がそれほど高くない場合があります。
この記事では、痛風の原因、初期症状、尿酸値、検査、治療、食事やアルコールとの関係、痛風発作が起きた時の対応について解説します。
- 1 痛風とは?
- 2 痛風はなぜ起こる?
- 3 痛風と食事の関係
- 4 痛風とアルコールの関係
- 5 肥満と痛風の関係
- 6 痛風の初期症状は?
- 7 痛風は足の親指以外にも起こる?
- 8 尿酸値が高いと必ず痛風になる?
- 9 尿酸値7.0mg/dLを超えたら痛風?
- 10 痛風発作中でも尿酸値が正常なことはある?
- 11 痛風はどうやって診断する?
- 12 痛風に似た病気もある
- 13 痛風発作が起きたらどうする?
- 14 痛風発作は冷やしてもいい?
- 15 痛風発作中にマッサージやストレッチをしてもいい?
- 16 痛風の薬にはどんなものがある?
- 17 痛みがなくなれば痛風は治った?
- 18 痛風予防では何を食べればいい?
- 19 痛風に水分補給は必要?
- 20 痛風に運動はいい?
- 21 痛風を予防するために大切なこと
- 22 痛風は整骨院や鍼灸院で治せる?
- 23 よくある質問
- 24 まとめ
痛風とは?
痛風は、体内に増えた尿酸が尿酸塩の結晶となって関節などに沈着し、それに対して炎症が起こることで強い関節痛を生じる病気です。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、血清尿酸値が7.0mg/dLを超える状態を「高尿酸血症」としています。
高尿酸血症だけでは自覚症状がないこともあります。
しかし、高い状態が続くと尿酸塩の結晶が蓄積し、痛風発作、尿路結石などにつながることがあります。
つまり、
高尿酸血症=血液中の尿酸が高い状態
痛風=尿酸塩結晶によって関節炎などが起きた状態
と考えると分かりやすいでしょう。
痛風はなぜ起こる?
尿酸は、プリン体が体内で代謝された結果として生じる物質です。
「プリン体の多い食べ物を食べたから痛風になった」と考えられがちですが、尿酸値は食事だけで決まるわけではありません。
体内で作られる尿酸と、腎臓などから体外へ排泄される尿酸のバランスによって血液中の尿酸値が変化します。
高尿酸血症には尿酸が作られやすい場合、排泄されにくい場合などがあり、複数の要因が関係します。
痛風と食事の関係
痛風や高尿酸血症では食生活も重要ですが、「肉や魚を食べてはいけない」ということではありません。
食事全体のバランスや摂取エネルギーを考え、プリン体を多く含む食品を極端に大量摂取しないことが大切です。
また、果糖の過剰摂取にも注意が必要です。高尿酸血症・痛風の生活指導では、適正なエネルギー摂取、プリン体や果糖の過剰摂取を避けることなどが挙げられています。
「この食品を食べなければ痛風にならない」というものではないため、特定の食品だけを極端に制限するのではなく、食生活全体を見直しましょう。
痛風とアルコールの関係
「ビールにはプリン体が多いから、焼酎なら大丈夫」と考える方もいます。
しかし、注意したいのはプリン体だけではありません。
アルコールそのものが尿酸値に影響するため、ビールだけを避ければよいというわけではありません。厚生労働省のe-ヘルスネットでも、種類を問わずアルコール類を控えることが重要とされています。
飲酒量が多い方は、ビールから別のお酒へ変更するだけではなく、飲酒量そのものを見直すことが大切です。
肥満と痛風の関係
肥満がある方では、高尿酸血症を伴うことがあります。
また、高尿酸血症がある方では、高血圧、脂質異常症、高血糖などを併せ持っている場合があります。
そのため、痛風対策を「プリン体だけの問題」と考えるのではなく、体重や血圧、血糖、脂質なども含めて健康状態全体を確認することが重要です。
痛風の初期症状は?
痛風発作では、突然一つの関節に強い痛みや腫れが出ることがあります。
代表的なのが足の親指の付け根です。
ほかにも足首などに症状が現れることがあります。
痛風発作では、
・突然強く痛む
・関節が腫れる
・赤くなる
・熱を持つ
・触れただけでも強く痛む
などの症状がみられることがあります。
厚生労働省掲載のガイドライン資料でも、第一中足趾節関節、いわゆる足の親指の付け根の痛みや腫れは痛風関節炎を判断する重要な所見の一つとされています。
痛風は足の親指以外にも起こる?
痛風というと足の親指のイメージが強いですが、そこだけに起こる病気ではありません。
足首など、ほかの関節に症状が現れることもあります。
そのため、「親指ではないから痛風ではない」と自己判断しないようにしましょう。
特に突然一つの関節が赤く腫れて強く痛む場合には、痛風以外の病気との区別も必要になるため医療機関へ相談してください。
尿酸値が高いと必ず痛風になる?
尿酸値が高いからといって、必ず痛風発作が起こるわけではありません。
高尿酸血症でも症状がない方はいます。
一方、高尿酸血症が続くと尿酸塩結晶が身体に蓄積し、痛風発作や尿路結石などにつながる可能性があります。
健康診断で尿酸値が高いと言われても痛みがないから放置するのではなく、医師へ相談して必要な管理を行いましょう。
尿酸値7.0mg/dLを超えたら痛風?
血清尿酸値が7.0mg/dLを超える状態は高尿酸血症と定義されています。
ただし、
尿酸値7.0mg/dL超=痛風
ではありません。
高尿酸血症と痛風は同じ意味ではないため、血液検査の数値だけで「痛風になった」と判断するものではありません。
痛風発作中でも尿酸値が正常なことはある?
あります。
ここは特に重要です。
痛風発作が起きている最中には血清尿酸値が低下する場合があり、発作中の尿酸値だけでは痛風を判断できないことがあります。
厚生労働省掲載のガイドライン資料でも、痛風発作中の血清尿酸値は低値を示すことがあり、診断的価値は高くないとされています。
そのため、
「足の親指が赤く腫れてものすごく痛いけれど、尿酸値が正常だったから痛風ではない」
と自己判断するのは避けましょう。
痛風はどうやって診断する?
痛風の診断では、症状やこれまでの経過、血液検査などを総合的に確認します。
必要に応じて関節液を採取し、尿酸塩結晶が存在するか確認することがあります。
関節液中に尿酸塩結晶が確認されることは、痛風を診断するうえで重要です。
また、状況によって画像検査などが行われる場合もあります。
痛風に似た病気もある
突然関節が赤く腫れて激しく痛むからといって、すべてが痛風とは限りません。
ほかの関節炎などとの区別が必要になる場合があります。
特に初めて強い関節痛や腫れが出た場合には、自分で「痛風だろう」と判断して整骨院やマッサージで対応するのではなく、まず医療機関で診断を受けることが重要です。
痛風発作が起きたらどうする?
痛風発作が疑われる強い関節痛が出た場合には、医療機関へ相談してください。
急性の痛風関節炎には、患者さんの状態に応じてNSAIDs、コルヒチン、ステロイド薬などが治療に用いられます。
どの薬が適しているかは、腎機能やほかに服用している薬、持病などによって異なります。
自己判断で薬を増量したり、他人の薬を使用したりしないようにしてください。
痛風発作は冷やしてもいい?
強い炎症が起きている関節を冷やすことで、痛みが楽に感じる場合があります。
ただし、冷却そのものが痛風の原因である高尿酸血症を治療するわけではありません。
痛みや腫れが強い時には無理に動かしたり、強く揉んだりせず、医療機関で適切な診断・治療を受けてください。
痛風発作中にマッサージやストレッチをしてもいい?
赤く腫れて強く痛んでいる関節を、無理に揉んだり強くストレッチしたりすることは避けた方がよいでしょう。
痛風発作は単なる「筋肉のコリ」ではありません。
尿酸塩結晶に対する炎症によって強い痛みが起きているため、まず医療機関での対応が優先です。
痛風の薬にはどんなものがある?
痛風の治療は大きく、
痛風発作の炎症や痛みに対する治療
と、
高尿酸血症を長期的に管理する治療
に分けて考える必要があります。
発作時にはNSAIDs、コルヒチン、ステロイド薬などが使用される場合があります。
一方、尿酸値を管理する薬には、尿酸が作られるのを抑える薬や、尿酸の排泄に作用する薬などがあります。
どの薬を使用するか、いつ開始するかなどは患者さんの状態によって異なるため、医師の指示に従ってください。
痛みがなくなれば痛風は治った?
痛風発作の痛みがなくなっても、それだけで高尿酸血症が解消したとは限りません。
痛風関節炎が落ち着いた後も、原因となる高尿酸血症を長期的に管理することが重要です。ガイドラインでも、関節炎が落ち着いたことだけで治療終了と考えないことが示されています。
「痛くなくなったから大丈夫」と自己判断で治療を中断せず、医師の指示に従いましょう。
痛風予防では何を食べればいい?
特定の食品を食べれば痛風を予防できるわけではありません。
重要なのは、食生活全体を見直すことです。
高尿酸血症・痛風の生活指導では、
・適正なエネルギー摂取
・プリン体の過剰摂取を避ける
・果糖の過剰摂取を避ける
・適切な水分摂取
・飲酒量を見直す
などが重要とされています。
「肉は食べてはいけない」「魚は食べてはいけない」と極端に考えるのではなく、医師などと相談しながら食生活全体を整えましょう。
痛風に水分補給は必要?
高尿酸血症・痛風の生活指導では、十分な水分摂取も挙げられています。
ただし、「水を大量に飲めば尿酸値が下がって痛風が治る」ということではありません。
また、心臓や腎臓などの病気によって水分摂取量に制限が必要な方もいるため、持病がある場合には医師の指示に従ってください。
痛風に運動はいい?
高尿酸血症の管理では、適度な有酸素運動なども生活習慣改善の一つとして挙げられています。
特に肥満がある場合には、食生活と運動を見直して適正体重を目指すことが重要です。
一方、激しい無酸素運動では一時的に尿酸値が上昇する場合があります。痛風発作が起きて関節が強く痛んでいる時に、無理に運動する必要もありません。
運動は「痛風だからとにかく激しく身体を動かす」のではなく、自分の健康状態に合った方法を継続することが大切です。
痛風を予防するために大切なこと
痛風の予防では、プリン体だけに注目しないことが重要です。
食生活、飲酒、体重、運動など生活習慣全体を見直し、必要に応じて医療機関で尿酸値を管理します。
また、高尿酸血症では高血圧、脂質異常症、高血糖などを併せ持っている場合もあるため、健康診断などで身体全体の状態を確認しておくことも大切です。
痛風は整骨院や鍼灸院で治せる?
痛風は、高尿酸血症を背景として尿酸塩結晶が関節などに沈着して起こる病気です。
そのため、整体やマッサージで尿酸値を下げたり、関節に沈着した尿酸塩結晶を取り除いたりすることはできません。
痛風が疑われる場合には、まず医療機関で診断と治療を受けてください。
鍼灸整骨院かまたきでも、赤く腫れて強い痛みがある関節について、痛風などの病気が疑われる場合には医療機関での診察を優先していただきます。
よくある質問
痛風はなぜ起こるのですか?
血液中の尿酸が高い状態が続くことで尿酸塩の結晶が関節などに沈着し、炎症を起こすことで痛風発作が起こります。尿酸値には尿酸の産生と排泄、食生活、飲酒、体重など複数の要因が関係します。
尿酸値が7.0mg/dLを超えたら痛風ですか?
血清尿酸値が7.0mg/dLを超える状態は高尿酸血症と定義されていますが、高尿酸血症と痛風は同じ意味ではありません。尿酸値が高くても痛風発作が起きていない方もいます。
尿酸値が正常でも痛風のことはありますか?
痛風発作中には血清尿酸値が低く出る場合があります。そのため、発作中の尿酸値だけで痛風ではないと判断することはできません。
痛風は足の親指以外にも起こりますか?
はい。足の親指の付け根は代表的な部位ですが、足首などほかの関節に症状が出ることもあります。
痛風発作が起きたら冷やしてもいいですか?
冷やすことで痛みが楽に感じる場合があります。ただし、冷却で高尿酸血症そのものが治るわけではありません。強い痛みや腫れがある場合には医療機関へ相談してください。
痛風ならビールだけやめればいいですか?
ビールだけを避ければよいとは限りません。アルコールそのものが尿酸値に影響するため、飲酒量全体を見直すことが重要です。
痛風発作の痛みがなくなれば治ったということですか?
痛みがなくなっても高尿酸血症が続いている場合があります。再発や合併症を防ぐためにも、医師の指示に従って長期的に尿酸値を管理することが重要です。
痛風は整骨院で治療できますか?
痛風そのものは医療機関で診断・治療する病気です。赤く腫れた関節に突然強い痛みが出た場合には、まず医療機関を受診してください。
まとめ
痛風は、血液中の尿酸が高い状態が続き、尿酸塩の結晶が関節などに沈着して炎症を起こす病気です。
代表的な症状は、足の親指の付け根などに突然起こる強い痛み、腫れ、赤み、熱感です。
ただし、「尿酸値が高い=痛風」ではなく、反対に痛風発作中でも尿酸値が低く出る場合があります。そのため、自己判断ではなく医療機関で適切な診断を受けることが重要です。
治療では発作時の炎症や痛みに対する治療と、高尿酸血症を長期的に管理する治療を分けて考えます。生活習慣についても、プリン体だけではなく、飲酒、摂取エネルギー、体重、運動などを含めて考えることが大切です。

