
「運動すると同じ場所だけ痛む」「休むと楽になるけれど、運動するとまた痛い」「疲労骨折と言われたけれど、本当に骨が折れているの?」「一度治った疲労骨折がまた痛くなった」このような症状や疑問を持つ方は少なくありません。
疲労骨折は、転倒など一度の大きな衝撃で起こる一般的な骨折とは異なり、ランニングやジャンプなどによる負荷が骨の同じ場所へ繰り返し加わることで起こります。初期には運動中だけ痛み、休むと楽になることもあるため、「筋肉痛だろう」と考えてスポーツを続けてしまうことがあります。
しかし、負荷をかけ続けることで骨への損傷が進む可能性があります。この記事では、疲労骨折とは何か、原因、症状、再発しやすい理由、筋トレとの関係、運動を続けてもよいのか、治療やスポーツ復帰について解説します。
- 1 疲労骨折とは?
- 2 疲労骨折は本当に骨が折れている?
- 3 疲労骨折の主な症状
- 4 疲労骨折はなぜ起こる?
- 5 疲労骨折が起こりやすいスポーツ
- 6 疲労骨折が起こりやすい場所
- 7 成長期の疲労骨折
- 8 女性アスリートと疲労骨折
- 9 筋トレでも疲労骨折になる?
- 10 疲労骨折と筋肉痛の違い
- 11 疲労骨折はレントゲンで分かる?
- 12 疲労骨折の治療
- 13 疲労骨折中でも運動できる?
- 14 疲労骨折は何日で治る?
- 15 疲労骨折が再発しやすいのはなぜ?
- 16 痛みがなくなれば運動を再開していい?
- 17 疲労骨折の再発を防ぐには?
- 18 疲労骨折で整形外科へ行った方がいい症状
- 19 鍼灸整骨院かまたきでの疲労骨折への考え方
- 20 よくある質問
- 21 まとめ
疲労骨折とは?
疲労骨折とは、正常な骨に比較的小さな負荷が繰り返し加わることで起こる骨折です。
骨は運動による負荷を受けながら、古い骨を壊して新しい骨を作る「リモデリング」を繰り返しています。しかし、トレーニングによる負荷が骨の回復を上回る状態が続くと、骨にストレス反応が起こり、さらに進行すると骨に亀裂が生じることがあります。
一度の大きな外力で「ポキッ」と折れる骨折とは発生の仕方が違いますが、疲労骨折も骨に起こる損傷です。
疲労骨折は本当に骨が折れている?
「疲労骨折は骨折という名前だけで、本当は骨が折れていないのでは?」と思う方もいるかもしれません。
骨への繰り返し負荷による障害は、初期の骨ストレス反応から、さらに進んだ疲労骨折まで連続した状態として考えられています。
初期では明確な骨折線が確認できないことがありますが、だからといって「骨には問題がない」という意味ではありません。
痛みを我慢して負荷をかけ続けることで損傷が進む可能性があるため、早い段階で状態を確認することが重要です。
疲労骨折の主な症状
疲労骨折では、最初から激しい痛みが出るとは限りません。
初期には、走ったときだけ痛む、ジャンプすると痛い、運動後に同じ場所が痛む、骨の一部分を押すと痛いなど、運動に伴う局所的な症状から始まることがあります。
進行すると運動中の痛みが強くなり、歩行などの日常生活でも痛むようになる場合があります。さらに症状が強くなると、安静時や夜間にも痛みを感じることがあります。腫れや内出血が出る場合もあります。
疲労骨折はなぜ起こる?
大きな原因の一つが、骨に加わる負荷と回復のバランスが崩れることです。
特に注意したいのが、急激な練習量の増加です。
新しい部活動を始めた、走る距離を急に増やした、練習日数を増やした、休養日が減った、強度の高いトレーニングを始めたなど、身体が慣れていない負荷を急に増やすと骨へのストレスも大きくなります。
ほかにも、栄養・エネルギー摂取不足、回復不足、睡眠不足、シューズや練習環境など複数の要因が関係することがあります。
疲労骨折が起こりやすいスポーツ
ランニングやジャンプを繰り返す競技では、疲労骨折が起こることがあります。
陸上競技、長距離走、バスケットボール、サッカー、体操などのほか、野球などでも競技特有の場所に疲労骨折が生じる場合があります。
ただし、競技選手だけに起こるものではありません。普段あまり運動していなかった人が急にランニングや長時間の歩行を始めた場合などにも起こる可能性があります。
疲労骨折が起こりやすい場所
疲労骨折は下肢に多くみられ、すねの脛骨や足の中足骨などは代表的な発生部位です。
競技によっては、腰椎、肋骨、骨盤、上肢などに生じることもあります。
疲労骨折は発生した場所によって治療方法やスポーツ復帰までの期間が異なります。血流が乏しく治りにくい場所などもあるため、「疲労骨折なら全部同じ」と考えないことが大切です。
成長期の疲労骨折
中学生・高校生など成長期の選手でも疲労骨折は起こります。
部活動で練習量が急激に増えた、休養日が少ない、痛みを我慢して練習を続けているといった場合には注意が必要です。
特に「大会が近いから休めない」「レギュラーから外れたくない」と痛みを我慢して競技を続けると、骨の損傷が進行する可能性があります。
日本整形外科学会も、スポーツを続けられる程度の症状だからと放置し、疲労骨折が進行してしまう例について注意を促しています。
女性アスリートと疲労骨折
女性アスリートでは、練習量だけでなく、摂取エネルギー不足や月経の変化、骨の健康状態なども確認することが重要です。
運動量に対して食事から摂るエネルギーが不足している状態が続くと、骨の健康にも影響する可能性があります。
疲労骨折を繰り返している、月経が不規則または止まっている、体重減少がある、食事量を極端に制限している場合などには、単に患部だけを見るのではなく医療機関で相談しましょう。
筋トレでも疲労骨折になる?
筋トレだから疲労骨折にならないとは限りません。
トレーニングの種類にかかわらず、骨へ繰り返し大きな負荷が加わり、負荷と回復のバランスが崩れれば骨ストレス障害が起こる可能性があります。
特に、新しいトレーニングを急に始めた、重量や回数を急激に増やした、休養を取らず繰り返している場合には注意が必要です。
一方、適切な筋力トレーニングそのものを「疲労骨折の原因だから避ける」と考える必要もありません。大切なのは、身体の状態に合わせて負荷を段階的に調整することです。
疲労骨折と筋肉痛の違い
疲労骨折の初期症状は、筋肉痛などと区別しにくいことがあります。
特に、明確なケガをした覚えがなく、運動すると痛いけれど休むと楽になる場合には「ただの筋肉痛」と考えてしまうことがあります。
しかし、毎回ほぼ同じ場所が痛む、骨の一部分を押すと強く痛む、運動するたびに痛みが繰り返される、以前より痛みが強くなっている場合には、疲労骨折を含む骨ストレス障害の可能性も考えて整形外科を受診してください。
疲労骨折はレントゲンで分かる?
疲労骨折は、初期にはレントゲンで異常が分かりにくい場合があります。
症状や診察から疲労骨折が疑われるにもかかわらずレントゲンで明らかな異常が確認できない場合には、MRIなどの画像検査が検討されることがあります。
そのため「レントゲンで異常なしだったから疲労骨折ではない」と自分だけで判断しないことが重要です。
疲労骨折の治療
疲労骨折の治療は、発生した骨や損傷の程度によって異なります。
基本的には、骨へ痛みを起こしている負荷を減らし、骨が回復できる環境を作ることが重要です。
歩くだけでも痛む場合などには、患部への荷重を減らすためにブーツや松葉杖などを使用する場合があります。
一方で、すべての疲労骨折でギプスが必要になるわけではありません。
また、治りにくい部位や損傷の程度によっては手術が検討される場合もあります。
疲労骨折中でも運動できる?
「疲労骨折だから一切身体を動かしてはいけない」という意味ではありません。
ただし、痛みの出ている骨へ負荷をかけ続けることと、患部へ負荷をかけない運動を行うことは別です。
疲労骨折の場所や程度によっては、医師の許可のもとで水泳や自転車など患部への衝撃が少ない運動を取り入れることがあります。
上半身のトレーニングなど、患部へ負担をかけない運動が可能な場合もあります。
ただし「痛くない筋トレなら何でも大丈夫」と自己判断するのではなく、疲労骨折の場所と状態に合わせて運動内容を決めることが重要です。
疲労骨折は何日で治る?
回復期間は、疲労骨折が起きた場所や損傷の程度によって大きく異なります。
骨ストレス障害では数週間で回復するものもありますが、重症の場合や治りにくい部位では数か月以上かかることがあります。
AAOSでは、骨ストレス障害は少なくとも3週間程度、重症の場合には3か月以上かかることがあるとしています。
したがって、「疲労骨折なら1〜2か月休めば必ず治る」と一律に考えることはできません。
疲労骨折が再発しやすいのはなぜ?
疲労骨折が再発する場合には、単に「安静にしていただけだから」という一つの理由だけでは説明できません。
運動量を急激に元へ戻した、以前と同じ過剰なトレーニング量へ戻った、休養が不足している、エネルギー摂取が足りていない、シューズや練習環境などの問題が残っているなど、複数の要因が関係する可能性があります。
また、疲労骨折を繰り返す場合には、骨密度や栄養状態などについて医療機関で評価することが必要になる場合があります。
痛みがなくなれば運動を再開していい?
痛みがなくなったという理由だけで、以前と同じ練習量へ一気に戻すことは避けましょう。
疲労骨折の場所や重症度によっては、症状だけではなく画像検査などで骨の回復状態を確認する場合があります。
医師から運動再開の許可が出た後も、練習の頻度・時間・強度を徐々に増やしていくことが重要です。
早すぎるスポーツ復帰は、症状の悪化や再発につながる可能性があります。
疲労骨折の再発を防ぐには?
再発予防では、疲労骨折が起こった理由を一つずつ確認することが重要です。
練習量や強度を急激に増やさない、十分な休養を取る、運動量に見合った食事を摂る、使用しているシューズや練習環境を確認するなど、変更できる要因を見直します。
スポーツ復帰時も、いきなり以前の練習量へ戻すのではなく、身体の反応を確認しながら段階的に負荷を増やします。
疲労骨折で整形外科へ行った方がいい症状
運動すると毎回同じ骨の場所が痛む、押すと一点だけ強く痛む、休むと軽減するものの運動すると再び痛む、痛みが徐々に強くなっている、歩行でも痛む、腫れがある場合には整形外科を受診してください。
また、疲労骨折を繰り返している場合も、一度原因を詳しく調べることが重要です。
初期の疲労骨折はレントゲンで分かりにくいことがあるため、症状が続いている場合には「レントゲンに写らなかったから大丈夫」と判断しないようにしましょう。
鍼灸整骨院かまたきでの疲労骨折への考え方
鍼灸整骨院かまたきでは、疲労骨折が疑われる状態で無理に運動を続けることをおすすめしていません。
まず、痛みが出る場所、運動内容、最近の練習量の変化、痛みが出る動作などを確認します。
疲労骨折が疑われる場合には、整形外科での画像検査や診断を優先します。
疲労骨折と診断された後の運動についても、「血流を良くすれば骨折が早く治る」という考えで患部へ負荷をかけるのではなく、医師から指示された荷重制限や運動制限を守ることが重要です。
運動再開が許可された後には、再発予防の観点から、練習量の増やし方や身体の使い方、筋力などを確認しながら段階的なスポーツ復帰を考えます。
よくある質問
疲労骨折は普通の骨折と違いますか?
一度の大きな衝撃ではなく、比較的小さな負荷が同じ骨へ繰り返し加わることで起こる骨折です。
疲労骨折は本当に骨が折れているのですか?
骨への繰り返し負荷による障害には、初期の骨ストレス反応から骨に亀裂が生じる疲労骨折まで段階があります。初期にレントゲンで骨折線が確認できない場合でも、骨に問題がないとは限りません。
疲労骨折はなぜ再発するのですか?
運動量を急激に戻す、休養不足、エネルギー摂取不足、シューズや練習環境など、疲労骨折につながった要因が残っている場合には再発する可能性があります。
疲労骨折中でも筋トレできますか?
疲労骨折の場所や程度によります。患部へ負荷をかけない運動が可能な場合もありますが、自己判断せず医師の指示に従ってください。
疲労骨折中でも運動できますか?
状態によっては水泳や自転車など、患部への衝撃が少ない運動を行える場合があります。ただし、疲労骨折の場所や重症度によって異なるため医師へ確認してください。
疲労骨折は何日で治りますか?
発生した場所や損傷の程度によって異なります。数週間で回復する場合もあれば、重症の場合や治りにくい部位では数か月以上かかることがあります。
疲労骨折はレントゲンに写らないことがありますか?
あります。初期にはレントゲンで明らかな異常が確認できないことがあり、必要に応じてMRIなどの検査が検討されます。
疲労骨折は痛みがなくなればスポーツ復帰できますか?
痛みだけで復帰を判断しない方がよい場合があります。疲労骨折の場所や程度に応じて骨の回復を確認し、医師の許可後に練習量を段階的に戻すことが重要です。
まとめ
疲労骨折は、ランニングやジャンプなどによる比較的小さな負荷が骨へ繰り返し加わることで起こる骨の障害です。
初期には運動時だけの軽い痛みで、レントゲンにも明確な異常が出ない場合があるため、筋肉痛などと考えて競技を続けてしまうことがあります。しかし、負荷をかけ続けると損傷が進行する可能性があります。
また、疲労骨折の再発は「身体の歪み」など一つの原因で説明できるものではありません。トレーニング量、休養、栄養、骨の状態、練習環境などを確認し、原因に応じて対応することが大切です。
疲労骨折が疑われる場合には整形外科で状態を確認し、運動再開についても骨の回復に合わせて段階的に進めましょう。

