腰椎分離症は10~15歳の成長期の子どもに多く、女子に比べ、男子の発症が圧倒的に多いです。
特に、身体が柔らかい中学生に多く、ジャンプや回旋の動きが繰り返し行われるスポーツをしている子に多く起こります。
ぶつけたり転んだりして生じるケガと違い、繰り返し何度も同じ動きをすることで負荷が積み重なり起こる疲労骨折です。
子どもの腰痛の原因の大半が腰椎分離症と言われていますが、大人になってから何らかのタイミングで腰椎分離症が見つかった場合、多くは無症状であると言われており、これによって一生腰痛に悩まされたりするものではありません。
ここでは、腰椎分離症と診断され、痛みがある場合の対処について解説していきます。
腰椎分離症の症状
腰椎分離症は、腰椎の棘突起(きょくとっき)と棘突起の間の結合が、部分的または完全に解離することで起こる腰痛です。
主に、腰、太もも、お尻に痛みや痺れがあらわれます。
何もしていないときは痛みを感じていないことも多く、スポーツや運動をすることで重だるい感じや鈍い痛みを感じることがあります。
ジャンプや捻りといった急激かつ大胆な動きをするスポーツでの発症が多く、腰を反らしたり捻ったりしたときに腰に電気が走ったような痛みを感じます。
特に、背中を曲げたり、重いものを持ち上げたりする動作が難しくなることがあります。
スポーツ以外では、長時間の立ちっぱなしや座りっぱなし、中腰の姿勢が長く続くことで痛みが増します。
腰椎分離症は骨折の一種であるにも関わらず、初期段階では気が付かないことも多く、症状が進行して初めて知るケースも珍しくありません。
腰椎分離症の原因
まだ骨の成長が成長段階にある10~15歳程度の子供に多くみられ、日常的な活動やスポーツによる過度なストレスが棘突起という腰の関節にかかり発生する疲労骨折です。
特に、身体の柔らかい子に多く、ジャンプやを捻る動作の多いスポーツで多くみられます。また、スポーツ選手の約30%が腰椎分離症であるとも言われています。
◎主なスポーツ◎
野球・バレーボール・バスケッとボール・サッカー
柔道・ラグビー・ウエイトリフティング など
一部の人は、遺伝的な要因によって腰椎分離症のリスクが増加することがあります。特定の遺伝子の変異や家族歴が、腰椎分離症の発症に関連していると考えられています。
腰椎分離症になったらやってはいけないこと
- 重い物を持ち上げる
- 身体を捻る動作
- 同じ姿勢で長時間いること
- 激しい運動やスポーツ
- 自己流のストレッチや筋トレ
- 痛い部分をもみほぐすこと
腰椎分離症は疲労骨折であるため、過度な動きやそれによってかかる負担をさけなければなりません。
スポーツをやっている子はよっぽどの激痛でない限り無理に動いてしまう傾向があるので、これ以上の悪化をさけるためにも注意が必要です。
また、痛みがある場所をもみほぐしたり、痛みをためすようなストレッチなどを自己流で行うことも患部にストレスがかかるのでやめましょう。
腰椎分離症と診断されたときするべきこと
- 痛みが強い時は安静を心がける
- コルセットは早期離脱を目指す
- 適切な姿勢を維持する
- 姿勢を維持するための筋肉をつける
- 専門家指導の元、適度なエクササイズ
- 睡眠と栄養管理
- 通院
腰椎分離症と診断されたらまずやるべきことは安静です
安静している間はもどかしく感じますが、安静は「なにもしない」ことではなく、安静にすることで自己免疫力がフル稼働し傷ついた骨を修復してくれます。修復するためにはしっかり栄養を摂ることも大事です。
腰椎分離症は骨のトラブルなので骨の元となるたんぱく質やビタミンを中心にバランスの良い食事を心がけましょう。
コルセットは痛みが強いときのみにしましょう
痛みが強いとき患部を安定させるためにコルセットは重要です。
しかし、コルセットは動きが制限され、他の関節や筋肉に負担をかける可能性もあります。
腰痛に悩まされないためには腹筋と背筋を強化してすることです。自前の筋肉は天然のコルセットになり腰椎の負担を和らげます。
適切な姿勢を維持するための筋肉を付け、コルセットはなるべく早期に離脱するよう心がけましょう。
スポーツ復帰の目安は?
約3か月の安静で9割の方の症状が治癒します。
腰椎分離症は骨折なので、治療は一般的には骨の融合を目的とするため、約3~6か月と長期的なスポーツの休止が必要です。
無理に痛みを我慢してスポーツを再開してしまうと、症状が悪化し治療にさらなる時間を要することになります。
鍼灸整骨院かまたきにおける腰椎分離症の治療
腰椎分離症の治療は保存療法が一般的です。
普段の生活では腰に負担がかかるような動作は避けます。特に腰が後ろに反るような動作を避けるためにコルセットを使うことも有効です。
治療の3つのポイント
- 硬くなっている筋肉の柔軟性を上げる
- 股関節や骨盤、背中の骨関節の動きを良くする
- 腰を守るための筋肉を付ける
腰痛分離症の症状は筋肉に負担がかかることであらわれます。
そのため、まずは硬くなった筋肉の柔軟性を上げることが重要です。
治療で特に重視するポイントは①腰②股関節③背中の上部です。ここの筋肉を柔らかくすることで適切な姿勢が保てるようになり、腰にかかる負担を軽減させます。
手技療法
基本的には筋肉の硬さや関節の可動域を確認しながら手技療法を用いて施術していきます。
痛みの解消だけでは問題の解決になりません。筋肉の炎症を取り除くと同時に関節の硬さや動きを改善することで、再発を防ぎます。
電気治療
痛みが強い時は電気治療は有効です。電気が深部の筋肉に作用し痛みを軽減させます。
鍼治療
鍼が苦手でなければ鍼治療も有効です。鍼の効果により痛みを感じている神経をブロックし痛みを軽減させます。
手技療法に比べより深部の筋肉にアプローチすることができるため、早期回復を目指している方にお勧めです。