原因不明の腰痛!?
日本人の4人に1人は腰痛症に悩んでいると言われています。
じっとしてても腰が痛い
激痛というほどではないけれど重だるい
何をするにも腰が痛くて元気が出ない
やっとの思いで病院を受診したけれど「特に問題ありません。痛み止めと湿布を出しておきますね。と言われてしまった。」と、いう方は実はそんなに珍しくありません。
病名がないことに不安を感じる人はたくさんいます。
痛くて不安で病院を受診したのに「原因不明」と言われてしまうと、何だかもっと不安になる…というお話をよく耳にします。
整形外科などで行うレントゲン検査では腰痛の原因は見つかりません
整形外科で行うレントゲン検査は、物質を通り抜ける特徴を持っているX線が使われています。
骨・臓器・筋肉などによってX線の通り抜けやすさは違うため、その差が白黒の濃淡となって画像になります。
撮った写真で分かる事は骨の損傷や異常ですが、X線レントゲン検査では筋肉や靭帯の損傷までは確認出来ません。
一般的な腰痛の原因の多くは骨の損傷や異常ではありません。
そのため痛みを訴える方の8割以上が「異常なし!」と言われ、原因が見つからないまま痛みを抱えることになってしまうのです。
整形外科では他にもCT検査という同じX線を使い身体の中をあらゆる方向から撮影できる検査方法があります。
こちらは立体的により詳しく異常を探すことが可能ですが、同じX線のため性質上、筋肉の損傷は写らないため腰痛の原因を見つける事は出来ません。
このように腰痛を引き起こしている原因は画像診断では見つける事が出来ない為、整形外科に行っても85%の方が原因不明と言われてしまうのです。
検査では異常が見つからない腰痛の原因
腰痛という病名はなく、肋骨からお尻までの範囲が痛むことを総称した症状を腰痛症と言います。
腰そのものに原因があるのは15%程度で残りの85%ははっきりとした原因が分からない非特異的腰痛です。
腰が痛くなる原因を簡単に言うと腰や腰周辺の血流の流れが悪くなり筋肉が硬くなることで痛みが発生します。
なぜこの腰周辺の血流の流れが悪くなるかは人それぞれ様々な要因が複雑に絡み合っているため原因の分からない長引く腰痛を改善するには仕事や生活すべてを見直す必要があります。
急性腰痛と慢性腰痛
①急性腰痛
いわいるぎっくり腰のような何か原因があって発症した腰痛です。
・重い荷物を持ち上げた拍子にギクッ!とした。
・くしゃみをした拍子にズキッ!とした。
などのように「いつ、何をした時」と痛くなった瞬間が鮮明に分かるのが特徴です。
急性腰痛は腰に無理な力が加わって起きる腰の捻挫です。
患部が熱を持って炎症した状態なので痛みの激しい時はよく冷やします。
②慢性腰痛
・いつの頃からか分からないけど腰が痛い
・ぎっくり腰を発症してから激痛ではないもののずっと痛みが続いている
・良くなったり痛くなったりを繰り返している
などのように「いつ、何をした時」がはっきりせず3ヵ月以上だらだら続く痛みを慢性腰痛と言います。
慢性腰痛はこれといってはっきりとした原因が見つからない場合が多いです。
多くは筋肉の血行不良によるものなので、血流改善のため温めるようにします。
慢性腰痛は、「異常がないのに痛みがが続くケース」と「異常は改善されたのに痛みが続くケース」の2つのパターンがあります。
パターン①異常がないのに痛みが続くケース
特に多いものがこの「異常がないのに腰が痛い」ケースです。
整形外科などへ行き、レントゲンなどで画像診断をしたが、特に問題なく痛み止めと湿布だけ出されたという方はとても多いです。
本人はとても痛いのに骨に問題や異常が見られなければそう診断されてしまいます。
パターン②異常は改善されたのに痛みが続くケース
これはぎっくり腰など急性の腰痛の後、なかなか痛みが治まらないケースです。
ぎっくり腰は腰や腰周辺の筋肉や血流が悪くなることで筋肉が硬くなり痛みを発生させます。
発症後、2~3日は激痛をともないますが徐々に痛みは落ち着いてきます。痛みが落ち着いたのち、腰周辺の筋肉をほぐす施術を行い再発しないように腰を温めて血流を良くしたり適度な運動をし腰の柔軟性をアップさせます。
ぎっくり腰の痛みは長くても2週間程度で治まりますが、1度ぎっくり腰を経験するとその痛みの恐怖から「また痛くなってしまうかもしれない」「ぎっくり腰痛くていやだなぁ」などの想いが消えず痛みを長引かせてしまうのです。
原因の分からない腰痛が長引く理由
腰痛が長引いてしまう理由は大きく分けて3つ考えられます。
①筋肉の疲労
痛みが慢性化してしまう人で考えられるのが筋肉の疲労です。
筋肉は使うと疲労するので特定の動きや姿勢ばかり続けていると、その部分の筋肉が疲労し腰痛を感じます。
これは腰痛が治らないのではなく、疲労した筋肉の回復が間に合っていないと言えます。
②血行不良
筋肉の中ではたくさんの毛細血管がありその中に常に新鮮な酸素が配られているため受けたダメージを素早く回復させています。
筋肉が疲労して硬くなると近くを通る血管を圧迫し血流の流れを妨げます。
③末梢神経のダメージ
末梢神経は痛みを脳に伝える神経です。
末梢神経は筋肉の中に入り込んでいて筋肉を動かす信号を脳に送り、私たちは身体を動かすことができています。
疲労して筋肉が硬くなると末梢神経を圧迫するため神経がダメージを受け、脳に痛みの信号を伝えます。
腰痛とストレスの関係性
原因の分からない腰痛は慢性化する方が多いようです。
「何となく痛い」「激痛ではないがずっと痛い」という状態が3ヶ月以上続くことを慢性腰痛といいます。
慢性化する原因として以下の要因があげられます。
・同じ動作を繰り返すことによってかかる筋肉の疲労
・運動不足による筋肉量の低下
・猫背や反り腰、片足立ち、足を組むくせがあるなど、身体のバランスが悪い人
・いつまでも痛みが続くことによる心のストレス
・「また痛くなるかも」と心配したり、親しい人が腰痛で苦しんでいるなど、過度に腰痛に対して不安に思う事
原因の分からない腰痛のうち、筋肉の疲労や運動不足など対処することで解消できる腰痛もありますが、慢性腰痛の方は心理的ストレスと深く関係している場合が多いようです。
私生活における問題や健康に対する不安などからストレスを感じ腰痛が長引いたりわずかな痛みでも強く痛みを感じやすくなる傾向にあります。
例えば、仕事中の身体的なストレス(例えば、立ちっぱなしや座りっぱなし)が原因で腰痛を発生させ痛みがあるまま仕事や日常生活を続けた結果うつやストレスを抱え腰痛が慢性化します。
イライラしやすかったり寝つきが悪かったり食欲が出なかったりするとストレスはさらに増幅します。
腰痛が続くと何をするにも「痛み」のことばかりを考えてしまい、ますますストレスが増します。
腰痛とうまく付き合うには考え方や、やり方を変えることです。
・痛いから思うように動けない⇒痛くてもこんなにできた!!
・痛くてイライラして仕事に集中できない⇒少し休憩して美味しい物を食べてからまた頑張ろう!!
このように思考を変えて気分転換することは精神面においてとても大切なことです。
痛い時は、うんと頑張らず目の前にあるクリアできそうな小さい目標を少しずつクリアしていき「「出来ないこと」よりも「出来た事」を自分で評価してあげると良いでしょう。
ストレス性の腰痛を改善させるコツ
近年、心の状態と痛みは密接に関係していることが分かってきました。
ストレスを長く抱えていると脳内の痛みを制御する機能が正常に働かなくなり、少しの痛みでも強く感じたり痛みが長引いたりするようになります。
長引く腰痛を改善するには心や身体のストレスを軽くすることです。
精神的に疲れているときお勧めなのが笑う事です。
脳は疲れているとき“笑う”ことでアルファ波が増えリラックスします。
痛みや悲しみなど負の状態の脳は働きが鈍くなり思考力も免疫力も低くなりますます痛みを感じやすくなります。
しかし、笑う事で脳全体が活性化され思考力や判断力、免疫力などがアップし痛みやストレスから解放されやすくなります。
効果①体内に酸素を沢山取り込める⇒血行促進
効果②心拍数や血圧の上昇⇒内臓の働きを促進
効果③表情筋・腹筋、横隔膜を動かす⇒筋力アップ
効果④脳内ホルモン(エンドルフィン)の分泌⇒幸福感をもたらす、鎮痛効果
痛い時、辛い時、お腹の底から「わははは!」と声を出して笑う気分になるのは難しいことだと思います。
しかし辛いからと背中を丸めてため息ばかり吐いていると心にも身体にも良くありません。
まずは口角を上げて鏡の前でニッコリしてみて下さい。
「なかなかいい表情だな」と感じたら心が少し晴れてきます。
整体でストレスが緩和できる理由
「整体」と聞いてどんなイメージが思い浮かびますか?
「骨盤矯正」や「猫背矯正」などでしょうか?
身体が痛い時、重だるさが長く続いている時、自分とは関係ないと思うかもしれませんが、そんな時こそ「整体」です。
痛みの原因が分からず骨や関節に異常はない、はっきりとした原因が分からない時は、全身を診て元から整えることが回復への近道です。
当院の整体は、筋肉や関節の動きづらい場所、痛みの強い場所を手技を用いて施術します。
筋肉を圧迫したり関節を曲げたり伸ばしたりすることで筋肉の緊張が取れます。そうすることで血流やリンパの流れが良くなり固くなってズレていた関節が正しい位置に戻り動きがスムーズになります。
身体の疲労や痛みは自分で思う以上に心にかなりストレスを与えています。その心のストレスもまたコリや痛みを強くする原因となり負の連鎖を起こします。
長引く痛みはこうした負の連鎖を断ち切って心がリラックスすることがとても大切です。
すぐに受診するべき腰痛
原因が分からず腰痛を繰り返す方の中には「どうせいつものこと」と痛み止めや湿布でやり過してしまう方もいるのではないでしょうか?
そんな方でも身体の異常サインを見逃さないことが大切です。
・足の全体的なしびれ
・排尿や排便がうまくできない、失禁してしまう
・安静にしていても痛みが引かない
・熱が出る など
このような症状や、少しでもいつもと違うなど感じたら我慢せずすぐに受診する事をお勧めします。
非特異的腰痛、つまり原因が特定できない腰痛によくある質問
発症しやすい人はどんな人?
トラックやバス、タクシーの運転手、看護師や介護職、清掃の仕事など身体を使う仕事、デスクワークや事務など座りっぱなしの仕事など、腰痛になりやすいようです。
また職場の人間関係やプライベートにおける悩みなどストレスを感じやすい人が腰痛を引き起こしやすいことが分かっています。
危険因子は?
運動不足や睡眠不足はどんな病気にも言える事です。
運動といっても激しい運動を毎日続ける必要はなく、寝る前のストレッチ、仕事の合間に身体を伸ばす習慣をつけるだけで、だいぶ違ってきます。
喫煙も危険因子です。
その他、腰痛は精神的要因がかなり関与していると言われています。
薬で治りますか?
痛み止めや湿布では腰痛は治りません。
硬くなった筋肉を緩めてくれる薬や精神的不安を緩和してくれる薬などあり、それらは有効とされています。
腰痛を引き起こした原因が日常生活の動作だったり骨格のゆがみだった場合は、一時的に良くなったとしても再発してしまうので、お薬だけに頼らず根本的に改善する方法を探すことをお勧めします。
痛い時はコルセットは必要ですか?
急性期の痛みに対してはおすすめしますが、ずっとつけ続けることはお勧めしません。
コルセットを着けることで筋肉が弱くなることが考えられます。
正しい運動やストレッチで正しい姿勢をつくり必要な筋肉をつけることが痛みの改善へつながります。
痛い時は安静にすべき?
痛いからじっとしていてはかえって腰痛を長引かせるということが分かってきました。
出来る範囲で動いて普段通りの生活を維持する方が回復は早いようです。
慢性腰痛の方の中には「いつものこと」とあまり気にせずほっておいてしまって、痛みがある間は我慢してそのうち自然に痛みが治まるのを待つという人もいます。
しかし、腰痛は6割の人は再発を経験すると言われていますので軽く考えずにきちんと対処することが大切です。