
「膝の内側が痛い」「走ると膝の内側から少し下が痛む」「階段の上り下りで膝が痛い」「運動量を増やしてから膝の内側が痛くなった」
このような症状がある場合、鵞足炎が関係している可能性があります。
鵞足炎は、膝の内側にある鵞足周辺に痛みが現れる状態です。ランニングなど膝を繰り返し使うスポーツでみられることがあります。
ただし、膝の内側が痛む原因は鵞足炎だけではありません。変形性膝関節症や半月板損傷、内側側副靱帯の損傷などでも似た場所に痛みが出ることがあります。
この記事では、鵞足炎で痛くなる場所、原因、症状、膝の内側が痛むほかの疾患との違い、ストレッチ、運動を続けてもよいのか、自分でできる対処法、病院へ行った方がよい症状まで詳しく解説します。
- 1 鵞足炎とは?
- 2 鵞足炎はどこが痛い?
- 3 鵞足炎の症状
- 4 鵞足炎の原因
- 5 ランニングで鵞足炎になることはある?
- 6 鵞足炎と半月板損傷の違い
- 7 鵞足炎と変形性膝関節症の違い
- 8 鵞足炎は放置するとどうなる?
- 9 鵞足炎は休めば治る?
- 10 鵞足炎は冷やした方がいい?
- 11 鵞足炎にストレッチは効果ある?
- 12 太ももの後ろ側のストレッチ
- 13 内もものストレッチ
- 14 ストレッチだけで改善しないこともある
- 15 筋力トレーニングはした方がいい?
- 16 鵞足炎でやってはいけないこと
- 17 鵞足炎はどれくらいで治る?
- 18 病院へ行った方がいい膝の内側の痛み
- 19 鍼灸整骨院かまたきでの鵞足炎への考え方
- 20 鵞足炎に整体・鍼治療はできる?
- 21 よくある質問
- 22 まとめ
鵞足炎とは?
鵞足とは、膝の内側から少し下にある部分で、縫工筋、薄筋、半腱様筋という3つの筋肉の腱が付着しています。
これらの腱が集まった形がガチョウの足に似ていることから「鵞足」と呼ばれています。
この周辺には滑液包もあり、鵞足周辺の腱や滑液包などに負担が加わることで痛みが現れることがあります。
一般に「鵞足炎」と呼ばれますが、膝内側の鵞足周辺に起こる痛みとして考えることが重要です。
鵞足炎はどこが痛い?
代表的なのは、膝関節の内側から少し下にかけての痛みです。
「膝の内側が痛い」と感じるため、半月板損傷や変形性膝関節症と区別しにくい場合があります。
鵞足周辺を押すと痛むことがあり、ランニング、階段、膝の曲げ伸ばしなどで症状が強くなる場合があります。
ただし、痛む場所だけで鵞足炎と自己診断することはできません。
鵞足炎の症状
鵞足炎では、
・膝の内側から少し下が痛い
・走ると膝の内側が痛い
・階段の上り下りで痛む
・運動後に膝の内側が痛む
・鵞足周辺を押すと痛い
・膝を曲げ伸ばしすると痛む
などの症状がみられることがあります。
症状の程度には個人差があり、運動中だけ痛む場合もあれば、症状が強くなると日常生活でも気になることがあります。
鵞足炎の原因
鵞足炎では、ランニングなどによる繰り返しの負荷が関係することがあります。
特に、
・急に走る距離を増やした
・練習回数を増やした
・坂道を走ることが増えた
・休養が十分に取れていない
・同じ運動を繰り返している
など、身体が慣れている以上に運動負荷が増えた後に症状が現れることがあります。
ただし、「太ももの筋肉が硬いから鵞足炎になる」「血流が悪いから炎症が起こる」と一つの原因だけで説明することはできません。
競技内容、練習量、筋力、関節の動き、過去のケガなどを含めて考える必要があります。
ランニングで鵞足炎になることはある?
鵞足炎はランニングを行う方にもみられる膝痛の一つです。
特に、それまであまり走っていなかった人が急に長距離を走り始めたり、走行距離や練習頻度を急に増やしたりすると、膝周辺への負荷も大きくなります。
ランニングを続ける場合には、「何kmなら大丈夫」と一律に考えるのではなく、走ったときと走った後の症状を確認しながら負荷を調整することが大切です。
鵞足炎と半月板損傷の違い
どちらも膝の内側が痛むことがあるため、症状だけでは区別しにくい場合があります。
半月板損傷では、膝をひねったことをきっかけに痛みが始まったり、膝の引っかかり、腫れ、曲げ伸ばしの制限などがみられたりすることがあります。
特に膝が途中で引っかかって動かなくなるロッキングがある場合には、自己判断せず整形外科で確認してください。
半月板損傷について詳しくはこちら
https://kamataki-seikotsu.com/hangetsuban/
鵞足炎と変形性膝関節症の違い
変形性膝関節症でも膝の内側が痛むことがあります。
特に中高年で、立ち上がりや歩き始め、階段などで膝が痛む場合には、変形性膝関節症も考える必要があります。
鵞足炎と変形性膝関節症が同時に存在する可能性もあるため、「押して痛い場所が鵞足だから鵞足炎」と決めつけないことが大切です。
変形性膝関節症について詳しくはこちら
https://kamataki-seikotsu.com/kneeosteoarthritis/
鵞足炎は放置するとどうなる?
鵞足炎が必ず悪化するとは限りません。
しかし、運動すると痛みが増える状態で同じ負荷を繰り返していると、症状が長引く可能性があります。
特に「練習中は我慢できるから」と痛みを我慢して走り続け、練習後や翌日に痛みが強くなっている場合には、運動量を見直した方がよいでしょう。
また、そもそも鵞足炎ではなく別の膝の障害が隠れている可能性もあります。
鵞足炎は休めば治る?
痛みが強い時期に負荷を減らすことは重要です。
ただし、「膝をまったく使わず完全に安静にすればよい」とは限りません。
痛みの原因となっている運動量を調整し、症状が落ち着いてきたら状態に合わせて運動を戻していくことが大切です。
スポーツをしている場合には、完全休止するのか、練習内容だけ変更するのかについても症状によって異なります。
鵞足炎は冷やした方がいい?
運動後などに膝の内側が痛み、熱感や腫れがある場合には、冷却によって一時的に症状が楽になることがあります。
ただし、冷やせば鵞足炎そのものが治るというわけではありません。
また、長時間氷を直接皮膚へ当て続けると皮膚を傷める可能性があるため注意してください。
鵞足炎にストレッチは効果ある?
太ももの後ろ側や内側などに動かしにくさがある場合、状態に合わせてストレッチを取り入れることがあります。
ただし、「鵞足炎ならこのストレッチをすれば治る」というものではありません。
ストレッチを行う場合も、膝の内側の痛みが強くなるところまで無理に伸ばす必要はありません。
痛みが増える場合には中止してください。
太ももの後ろ側のストレッチ
椅子に浅く座り、片脚を前へ伸ばします。
膝を無理に押し込まず、背中を大きく丸めないようにしながら身体を少し前へ傾けます。
太ももの後ろ側に軽く伸びる感覚がある範囲で行います。
膝の内側に痛みが出る場合には中止してください。
内もものストレッチ
脚を無理のない範囲で開き、内ももに軽く伸びる感覚が出る位置で止めます。
強く反動をつけたり、痛みを我慢して伸ばしたりする必要はありません。
鵞足周辺の痛みが増える場合には行わないでください。
ストレッチだけで改善しないこともある
現在の記事では5種類のストレッチを掲載していましたが、「たくさん伸ばせば治る」という印象になりやすいため、種類を増やしすぎる必要はありません。
鵞足炎では、運動量の調整や筋力、ランニングなどの動作を含めて考えることも重要です。
ストレッチを続けても痛みが変わらない場合には、「柔軟性が足りない」と考えてさらに強く伸ばすのではなく、一度原因を確認しましょう。
筋力トレーニングはした方がいい?
状態に応じて、太ももやお尻などの筋力トレーニングを行う場合があります。
ただし、痛みが強い時期から高負荷のスクワットやランジを繰り返す必要はありません。
現在できる運動から始め、痛みや翌日の状態を確認しながら負荷を調整します。
鵞足炎でやってはいけないこと
鵞足炎だからといって「歩いてはいけない」「階段は禁止」と一律に決める必要はありません。
一方で、
・痛みを我慢して同じ距離を走り続ける
・痛みが増えているのに練習量を増やす
・痛い部分を強く何度も押す
・強い痛みが出るストレッチを繰り返す
・膝の内側が痛いという理由だけで鵞足炎と自己判断する
といったことは避けましょう。
鵞足炎はどれくらいで治る?
回復までの期間には個人差があります。
症状が出てからの期間、運動量、競技内容、痛みの程度などによって異なるため、「1週間で治る」「5回施術すれば完治する」と一律には言えません。
症状の変化を確認しながら、運動量やリハビリ内容を調整していくことが重要です。
病院へ行った方がいい膝の内側の痛み
膝の内側が痛い場合でも、すべてが鵞足炎とは限りません。
特に、
・転倒やスポーツで膝を強くひねった
・膝が大きく腫れている
・体重をかけて歩けない
・膝が伸びない、曲がらない
・膝がロックして動かない
・発熱を伴って膝が腫れている
・痛みが長期間続いている
といった場合には、整形外科で状態を確認してください。
鍼灸整骨院かまたきでの鵞足炎への考え方
鍼灸整骨院かまたきでは、「鵞足炎=筋肉が硬くなって血行が悪くなった状態」と一律には考えません。
まず、どこが痛むのか、いつから痛いのか、走る・歩く・階段などどの動作で症状が出るのか、最近運動量が増えていないかなどを確認します。
必要に応じて膝だけではなく、股関節や足首の動き、太ももやお尻周辺の筋肉の状態なども確認します。
強い腫れやロッキング、外傷後に歩けないなど医療機関での検査を優先した方がよい症状がある場合には、整形外科への受診をおすすめします。
鵞足炎に整体・鍼治療はできる?
膝周辺や太ももなどの痛み、筋肉のこわばりに対して、整体や鍼治療を補助的に検討する場合があります。
ただし、「鍼で炎症を治す」「整体で鵞足炎を完治させる」という説明は行いません。
運動をしている方では、現在の運動量や身体機能なども確認しながら、必要に応じて施術や運動についてご提案します。
よくある質問
鵞足炎はどこが痛くなりますか?
膝の内側から少し下にかけて痛みが出ることがあります。ただし、同じような場所の痛みは半月板損傷や変形性膝関節症などでも起こるため、痛む場所だけで判断することはできません。
鵞足炎は運動しても大丈夫ですか?
症状によって異なります。痛みを我慢して同じ運動量を続けることはおすすめできませんが、すべての運動を完全に中止する必要があるとも限りません。症状に合わせて負荷を調整します。
鵞足炎にストレッチは効果がありますか?
太ももの後ろ側や内側などに動かしにくさがある場合、ストレッチを取り入れることがあります。ただし、ストレッチだけで鵞足炎が治るとは限りません。
鵞足炎はどれくらいで治りますか?
症状の程度、発症してからの期間、運動量などによって異なります。一律に「○日」「○回の施術」で治ると決めることはできません。
膝の内側が痛ければ鵞足炎ですか?
鵞足炎の可能性はありますが、半月板損傷、変形性膝関節症、靱帯周辺の障害などでも膝の内側が痛むことがあります。
鵞足炎は冷やした方がいいですか?
運動後などに痛みや熱感がある場合、冷却によって一時的に症状が楽になることがあります。ただし、冷却だけで鵞足炎そのものを治す治療ではありません。
鵞足炎は整体で治りますか?
整体によって鵞足周辺の組織を元通りにするという考え方ではありません。膝周辺や股関節、足首などの動きや筋肉の状態に対して補助的に施術を行う場合があります。
鵞足炎に鍼治療はできますか?
膝周辺や太ももの痛み、筋肉のこわばりなどに対して鍼治療を検討する場合があります。ただし、鍼だけで鵞足炎を治すという考え方ではありません。
まとめ
鵞足炎は、膝の内側から少し下にある鵞足周辺に痛みが現れる状態です。ランニングなど膝を繰り返し使う運動と関連して起こることがあります。
重要なのは「膝の内側が痛い=鵞足炎」と自己判断しないことです。半月板損傷や変形性膝関節症などでも似た場所に痛みが出ます。
鵞足炎が疑われる場合には、痛みを我慢して運動を続けるのではなく、現在の運動量を見直し、症状に合わせて活動量や運動内容を調整します。
強い腫れ、ロッキング、外傷後に歩けないなどの症状がある場合や、膝の内側の痛みが長期間続いている場合には、整形外科で原因を確認しましょう。

